義実家との育児の考え方が違い、遊びに行くことにも抵抗が出てきた【お悩み相談室】

今回は義理のご両親が育児方針の理解をしていただけないというお悩みを抱えた30代の女性からご相談をいただきました。夫婦の考え方を変えるか、義理のご両親に理解してもらう工夫をするか、悩んでいるようです。
義理のご両親との付き合い方、育児の方針について公認心理士・臨床心理士がお答えします。
子どもが2人います。毎週末、夫の両親から「遊びに来なよ。私たちがこども2人を見るからあなたたちはゆっくりしなよ。」と電話がかかってきます。私も仕事をしているので家事や買い物をしたり、家族4人の時間も作りたいのですが、断り切れず毎週お邪魔しています。私たち夫婦は、砂糖のとりすぎはやめよう、成長に支障がでないように早く寝るようにするなど、いくつか育児方針を決めました。義両親には何度も夫や私から伝えていますが、「そんなこと気にしなくていいの。我慢させるとかわいそう。」と言われ、お菓子をたくさん食べさせるばかりか、いつもの就寝時間より遅くなってしまうことが多いです。子どもたちからは「パパとママはダメなことが多い。」と言われています。私たちの考え方を変えたほうがいいのか、義両親に理解してもらうように工夫したほうがいいのか、悩んでいます。
(30代、女性、ハンドルネーム:シュークリーム、職種:事務・オフィスワーク)
目次
立ち止まることは自然なこと
シュークリームさん、こんにちは。ご相談ありがとうございます。
まず、一言。毎週末義両親の家に行って、子どもを見てもらいながらも、「でも、これでいいのか?」と悩むあなた。もう、それだけで頑張りすぎです!
確かに、お義父さん・お義母さんの「私たちが子どもを見ている間にゆっくりしてね」という申し出は一見ありがたいもの。でも、ふたを開けてみると育児方針は無視され、子どもたちは「パパとママはダメなことが多い」と言い出す始末。…いやいや、ちょっと待って? ここで、「これは本当に私たち家族のためになっているのか?」と立ち止まるのは、とても自然なことです。
義両親との関係を大切にしながら、育児方針を守る4選
では、義両親との関係を大切にしながら、あなたの大切な育児方針も守る方法を考えてみましょう。
1. あなたの「気持ち」に気付いてあげましょう
毎週末、義両親の家に行くことが負担になっているのなら、その気持ちは大切にしてください。確かにお義父さん・お義母さんは孫と過ごすのが楽しくて仕方ないのかもしれませんが、あなたにもあなたの時間があります。
・「断りたいけど、悪いかな…?」
こんな気持ちがあるのなら、まずは「毎週末行かなくてもいいかも」と自分に許可を出してみましょう。
・「子どもが喜んでいるなら…」
もちろん、義両親の家で楽しく過ごせるのは良いこと。でも、家族4人での時間も同じくらい大事です。
・「お菓子や夜更かしが気になる」
あなたたち夫婦が決めた育児方針が、義両親によってひっくり返されることにモヤモヤするのも、すごく自然なこと。
こうした気持ちを無視せず、大切にしましょう。
2. 「毎週じゃなくてもいいよね?」作戦
義両親の気持ちも大切にしつつ、あなたの負担を減らすには、「週1回を隔週に」「月1回にする」など、回数を調整してみるのがひとつの手です。こんな作戦はいかがですか?
・「毎週はちょっと忙しくなってきたので、今月から隔週にしようと思ってます!」と明るく伝えてみましょう。
・「子どもたちも、家でゆっくりする時間も大切だから、バランスを取ることにしました!」と前向きな理由を添えるのも◎。
・夫としっかり相談して、夫から伝えてもらうのもおすすめ。
義両親は最初びっくりするかもしれませんが、回数が減った分、義両親の家に行ったときにより楽しく過ごせるはずです。
3. 育児方針の伝え方を工夫しよう
「そんなこと気にしなくていいの。我慢させるとかわいそう」というお義母さん。
うーん、お義母さんの気持ちもわかるけれど、あなたとしては「気にしないで」と言われても気になりますよね。では、どう伝えればいいのでしょう?
・「お医者さんがこう言ってました作戦」
「最近、小児科の先生に『砂糖を取りすぎると夜寝付きにくくなる子もいるんですよ』と言われたんです。」
・「子どもたちの変化を伝える作戦」
「夜更かしすると翌朝ぐずることが増えて…だからできるだけリズムを守りたいんです。」
・「お願いポーズ作戦」
「お義母さんのごはんが大好きで、お菓子の前にお腹いっぱいになってほしいんです!」
大事なのは、「育児方針を押し付ける」のではなく、「一緒に子どもたちのために協力してもらえませんか?」と伝えること。義両親も「そんなに気にしてるなら、少し気をつけようかな」と思うかもしれません。
4. 子どもとの関係も大切に
「パパとママはダメなことが多い」——これは、ちょっとショックですよね。でも、ここで焦って「ダメじゃない!」と反論するよりも、こんなふうに返してみるのはどうでしょう?
「パパとママはね、大好きだからこそ守りたいことがあるんだよ」
「おじいちゃんおばあちゃんの家では特別。でも、お家ではこうしようね!」
「みんなで元気に過ごすために、夜は早く寝るのが大事なんだよ」
子どもたちが「おじいちゃんおばあちゃん=楽しい、パパとママ=厳しい」とならないように、「お家のルールは、家族みんなが元気でいるためにあるんだよ」と伝えてみてください。
考えることが多くて大変…大切なのは気持ちよく過ごせること
義両親との関係、子どもとのバランス、家族4人の時間…考えることがたくさんで、本当に大変ですよね。でも、あなたが今悩んでいるのは、それだけ家族のことを大切に思っているからこそ。義両親も子どもたちも、みんなが心地よく過ごせる形を探しながら、少しずつ調整していけるといいですね。
どうか「断るのは悪いこと」「義両親に合わせるべき」と思い込まず、あなたが気持ちよく過ごせる選択を大切にしてくださいね!
回答者:公認心理士・臨床心理士
自治体の子育て相談窓口でお仕事をさせていただいています。キンダーカウンセラーやスクールカウンセラーとしての経験も長いです。子育て中は悩みが尽きないですよね。年齢や個性に応じた親子のコミュニケーションでお困りなら、ご相談ください。不登校、ひきこもり、家庭内暴力や虐待などのカウンセリングも得意としております。
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