忙しくても「ママ見て!」に応えたい…3人育児の向き合い方【お悩み相談室】

子育て
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3人の子育てに奮闘するママからのご相談です。「ママ見て!」の声に応えたくても、料理や授乳中などで手が離せないことが多く、子ども達の不満につながっているとのこと。一対一の時間を作る努力をしても、子ども達はまだ物足りなさを感じているようです。

どうしたら余裕を持って接することができるのか。子どもとの向き合い方について臨床心理士がアドバイスします。

昨年の8月に第三子を出産し、現在3人の育児に追われる日々です。第三子も生後半年になり、ズリバイがどんどん上手になってますます目が離せなくなってきました。そんな毎日だからか、子ども達から「ママ見てよ!」「今来て欲しいの!」と言われる事が増えてきました。しかも、料理を作っていたり第三子の授乳中に言われる事が多く「これが終わったら行くよ」「今は手を離せないから行けないよ」と断る事が増えてしまいました断られると拗ねたり怒ったりする我が子達。そのモヤモヤが第一子(年中)と第二子(2歳児)の喧嘩の火種になり「もう!喧嘩するなら外でしてー!」と声を荒げてしまう事もあります
自分なりにひとりひとりとスキシップを取ったり、一対一の時間を作るようにしているのですが、それでも我が子達は物足りなさを感じているようです。もっとひとりひとりの子ども達と向き合って、「ママ見て!」の言葉に余裕を持って接したいです。どうしたら、なれるのでしょうか?

(30代、女性、ハンドルネーム:おかゆ、職種:主婦)


最初に

こんにちは。まずはこの言葉から届けさせてください。

よくぞここまで生き抜いていますね…!3人の育児、特に乳児がいる中での“ママ見て!大合唱”――これはもう、体力・気力・感情労働のすべてを問われる長編ドラマです。あなたは毎日、その主演女優兼監督兼舞台裏スタッフを一人でこなしているのです。本当にすごい。何よりえらい。

 子どもたちの気持ちと関わり方について

1. 「ママ見て!」は、「大好き!」の叫びとSOSのミックス

上の子たちからの「ママ見て!」――これは、子どもたちが「つながっていたい」「僕・私を特別に見ていてほしい」という強烈な愛のアピールです。そして同時に、弟妹が生まれたことで自分のポジションが揺らいでいる小さな不安の裏返しでもあります。

でも…あなたはすでに、スキンシップや一対一の時間も取ろうと心がけていて、本当に素晴らしい対応をしています。それでも子どもたちがまだ“足りない!”と言うのは、きっと、彼らが“ママのことが大好きすぎる”からこそそう思うと、少しだけ救われる気がしませんか?

2. できないときは“できない自分”を責めないで

授乳中に呼ばれて、料理中に駆けつけられなくて、「ちょっと待っててね」と言う――それは“ママ失格”ではなく、“人間として当然”の対応です。

子どもたちはまだ“待つ”という時間の概念があいまいな時期。でもだからこそ、「今はこれが終わったら行くよ」「終わったら、ママの目と手はあなたのためにあるよ」と、丁寧に伝えるだけでも心の土台が育っていきます

時に怒ってしまう日があっても、「外で喧嘩して〜!」と叫んでしまった日があっても大丈夫。それは人間らしさであり、ママが“感情のある存在”であることを子どもたちが学ぶ貴重な機会です。

3. 少しの工夫で「ママ見て!」に応えるゆとりを

忙しい日常の中で、「ちゃんと向き合ってあげたいけど余裕がない…」という方におすすめしたいヒントをいくつかご紹介します。

“3秒の全力視線”ルール

  「ママ見て!」と言われたら、手を止められなくても一度子どもの目を見て「ほんとだ、すごいね!」と全力で反応する。3秒でも、子どもの心は“ちゃんと見てもらえた”という満足感を得られます。

“タイマー作戦”

  「〇分後に行くね」「時計の長い針がここにきたらお話しようね」「ピピピが鳴ったら行くね」と伝えてキッチンタイマーなどをセットしてみてください。数字で“待てる時間”を目に見せると、子どもも気持ちを整理しやすくなります。

“ありがとう係”を作る

  上の子たちに「赤ちゃんのお兄ちゃん係」「お姉ちゃん係」をお願いして、“ありがとう!”と感謝する時間を意識的に増やすと、自信と満足感が育ちやすくなります。

最後に

“もっとちゃんと向き合いたいのにできない”――それは、あなたがどれだけ愛情深く、子どもたちの心を真剣に見つめているかの証です。

完璧なママにならなくても大丈夫子どもたちは“完璧じゃないけど、ちゃんと気にしてくれるママ”が大好きです。そして、今日も明日も頑張るあなたの背中を、きっと子どもたちはちゃんと見ています。

誰も見ていない台所の隅で泣きたくなる夜もあるかもしれません。でも、そんな夜を乗り越えたあなたは間違いなく強くて優しいママです。

“今の私、十分よくやってる”――と、今日はそっと自分に言ってあげてくださいね

あなたの毎日に、少しでも深呼吸の時間が生まれますように。心から応援しています。

<本記事の回答者>

戸田さやか

公認心理師/臨床心理士/生殖心理カウンセラー/がん・生殖医療専門心理士/ブリーフセラピストシニア

所属:株式会社ファミワン

「妊活や性の悩み、子育てや働き方のことまで、「誰に相談していいかわからない」テーマも歓迎しています。どんな内容でも大丈夫。安心してご相談ください。臨床心理学の確かな知識と技術を活かし、原因探しや悪者探しではなく、あなたにとってのゴールを発見するお手伝いをさせてください。」


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