初めて育児で感じる孤独。自分は育児に向いてないと涙が出ます【お悩み相談室】

初めての育児に不安や寝不足が重なり、外出もできず孤独を感じている——そんな20代の女性からご相談をいただきました。泣き止まない赤ちゃんに心が折れそうになり、「育児に向いていないのでは」と自分を責めてしまう日々のよう。
産後の心と体の休め方や、育児のつらさをやわらげるヒントについて、助産師がアドバイスします。
生後2ヶ月の娘を育てています。初めての育児に不安や寝不足が重なり、外出も思うようにできず、毎日がとてもつらいです。夕方になると泣き止まない時間もあり、心が休まりません。夫は協力的ですが仕事が忙しく、実家も遠く頼れず、孤独を感じています。育児放棄なんてしたくないのに、全てが重く感じてしまう日々です。あんなに子どもが欲しくて絶対いいお母さんになると決めて妊活、妊娠、出産を頑張ったのに、自分に育児は向いてなかったのでは…と涙が出ることもあります。この苦しさ、いつか癒えるのでしょうか。どんな小さなことでも、気持ちが軽くなるヒントがあれば教えてください。
(20代、女性、ハンドルネーム:みなみ、職種:主婦)
目次
最初に
みなみさん ご相談ありがとうございます。
初めての育児で不安や寝不足で、心身ともツラい状況なのですね。
また、夕方は娘ちゃんがなぜか泣き止まない時間があったり、気分転換や用事のための外出も思うようにできず、リフレッシュもできない様子がわかりました。
今は身体も心も休まらず、いつ楽になるのか…と先も見えず苦しい状況かと思いますが、身
体を休める工夫や、夕方にぐずる娘ちゃんへの対応をお伝えし、みなみさんご自身を労わり、今より少しでも心が軽くなるヒントをお伝えできれば幸いです。
赤ちゃんと一緒に昼寝でひとやすみ大切さ
現在、娘ちゃんは2ヶ月ということで、少しずつ日々の生活リズムができてくるかと思います。
お子さんによっては、午前・お昼・夕方の3回ほどお昼寝することもあると思います。
みなみさんは、頑張り屋さんのようなので、娘ちゃんが寝ているときに、「今だ」と家事を頑張っていたりしませんか?
もしお昼寝中に家事をされているなら、みなみさんも一緒に横になって休んでください。
携帯も通知をオフにして、眠れなくても横になって目を閉じておくだけでも、情報を遮断し、頭が休まる時間になります。
寝不足になると、頭がボーっとして、思考もまとまらず、疲れから気持ちも前向きにはなりにくいと思います。
なので、今はご自身を休ませてあげることを最優先にしましょう。
自治体のサポートで「休める場所」が見つかるかも
また、地域ごとに産後育児サポート事業など、子育て支援を行っています。
娘ちゃんと一緒に日帰りや宿泊型でお母さんとお子さんのお世話をしながら、お母さんの疲れをとるためのケアも提供する施設が多いのですが、自治体から費用の補助もあることが多いので、1度お住いの地域のホームページなどで検索してみてはいかがでしょうか?
周りに頼れる方がおられないご家族も多いので、お母さんが安心して休める環境を整備する事業も増えてきました。
自治体により差はありますが、活用できるものがわかれば、すぐに利用するかどうかは別として、いざとなれば頼れるところがある、と知ることは、今よりも心が和らぐのではないかと思います。
夕方の「黄昏泣き」ってなに?どう対応する?
そして、夕方ごろになると特別な理由もないのに機嫌が悪くなり、ぐずぐず泣きだす黄昏泣きについてですが、お母さんとしては何をしてあげたら良いのかわからず、でも泣いているわが子がかわいそうで、一緒に泣きたくなりますよね。
夕方は赤ちゃんにとっても1日の疲れがでて、不安定になる時間帯になります。
静かな環境で赤ちゃんが安心できると、黄昏泣きも和らぐと言われています。
お風呂に入れてあげて気分転換を図ったり、抱っこやスキンシップによって安心感を得られると落ち着く場合があります。
またリラックスできる穏やかな音楽をかけながら、ゆっくりと話しかけておしゃべりするのも良いと思います。
黄昏泣きは一般的に3~4ヶ月ほど経つと自然と改善することが多いのですが、娘ちゃんの泣き声が異常に強い、泣き止まない、食欲不振や発熱など他の症状を伴う場合は、小児科で相談されることをお勧めします。
もしかすると、他の問題を抱えている可能性があるかもしれないので。
あなたはすでに立派なお母さんです
みなみさんにとって『良いお母さん』とは、どんな人ですか?
逆に今は『良いお母さん』ではないのですか?
私から観ると、毎日がしんどい中でも、お子さんのことを考えているみなみさんは素晴らしいと思います。
周りと比較してしまうこともあるかもしれませんが、環境もお子さんも違うのだから、同じようにならなくて当然ですし、その方もみなみさんが見えていない部分で悩んでいるかもしれません。
初めから完璧にできるわけないのです。そして、育児に『向いていない』わけでもないんです。
育児は『育自』と言われますが、お子さんの成長と共に親も自分を育てています。
娘ちゃんの誕生から今を比べると、その時よりも娘ちゃんのことがわかっていませんか?日々、新たな発見や悩みが出てくることもあると思いますが、それこそ『お母さん』として、お子さんと向き合って奮闘しているからだと思います。
そういう人って『良いお母さん』だと思いませんか?
最後に
思い描いていたことと現実が違うことはあると思います。
また、子育ての中では、自分だけではコントロールできないこともあると思います。
理想があると、自分のできていない部分にフォーカスしがちで、落ち込むこともあると思います。
けれど、その中で周りからではなく、みなみさん自身が、ご自分の頑張りを認めてあげることができれば、きっと今よりも心は軽くなるのではないかと思います。
みなみさんは、よく頑張っておられると思います。
ご自分の腕でご自身をぎゅっと抱きしめて『いつも頑張ってくれて、ありがとう。』と声に出して労ってあげてください。
腕や手の平から伝わる温かさが、みなみさんを包んでくれると思いますよ。
専門家がこたえます!お悩み募集中です
「知ってハレばれ お悩み相談室」にお悩みをお寄せください。
毎月ピックアップさせていただいたお悩みとその回答を、「知ってハレばれ お悩み相談室」の記事で公開いたします。下記のフォームからお悩みをお寄せください(匿名でお寄せいただけます)。