子育てがしんどく、1人暮らしの自由さを思い出してしまう【お悩み相談室】
今回は、1歳児育児がしんどく、1人暮らしの自由さを思い出してしまうという30代女性からのご相談です。子どものことをかわいいという反面、育児を放り出したくなってしまい自信が持てないようです。
育児との向き合い方、心が軽くなるアドバイスについて保育士がお答えします。
1歳の男の子を育てています。最近、なんでも「ママ、ママ」で、私が見えなくなると泣くし、ずっと抱っこをせがまれます…。かわいいって思う気持ちはあるけど、正直、しんどいです。
ふと、ひとり暮らしをしていた頃のことを思い出すんです。誰にも呼ばれず、好きなときにごはんを食べて、好きなだけ寝られた時間。あの自由な時間を思い返しては、「あの時の私はどこにいったんだろう」って、胸がぎゅっとなります。
疲れてると、「ママやめたい」「育児をほうりだしたい」なんて思ってしまう自分がいて、「あぁまたダメなことを考えてしまっているな」と苦しいです。今まさに子どもがうんちをしたみたいだけど、オムツを替える元気すらなくて、ただ座っているだけです。かぶれたらかわいそうだし早くしなきゃって思うんですけど…母親って、こんなに大変だったんですね。
こんなふうに感じる私はダメなんでしょうか。ちゃんと子どもを育てていけるのか、自信が持てません。
(30代、女性、ハンドルネーム:ひとりになりたい、職種:主婦)
最初に
ご相談いただきありがとうございます!
1歳のお子さんの育児は赤ちゃんから幼児の間の時期で動くようになったかと思えばまだまだお世話も多く必要で、心身ともに保護者の方は疲れが出たり、余裕がなくなったりすることが多く見られます。
私自身、保育士で小さいお子さんとの関わりが非常に多かったですが、自分のその時期の子育てはいつも白目をむいていた記憶があります。
疲れるのもしんどいのも当たり前、いけないことではない
自分自身のこともしながら、言葉もうまく通じず感情も芽生え始めている赤ちゃんのお世話。
余裕をもってできている人って果たして本当にいらっしゃるのか私はいまだに疑問に思っております。
確かに、余裕をもっていつも穏やかに関われることはとてもすばらしいと思います。
でも、育児は大変であり、疲れることだってあります。
ひとりでゆっくりご飯が食べられない日も続くし、いつも子どもを基準に動いているので
ふと、独身時代だったころの自由な時間が恋しくなることだって当然のことです。
「悪いこと」「いけないこと」ではないのです。
罪悪感をもつこともないし、ここで大事にしていただきたいのは
そんな感情と上手に付き合いながら子育てができていることです。
母になった途端に、自分の正直な気持ちや、こっそり思ってしまう子育ての疲労が全ていけないことに感じてしまいますよね。
「ママやめたい」「育児をほうりだしたい」
こうやって思いながらも、その気持ちと向き合ってあなたはちゃんと育児を続けている。
それこそが本当に大事なことだと思います。
しんどくて大変だからこそ、普段ちょっとした子どもの成長に感動する日があったり、寝顔を見て今日は余裕がなかったなと反省したり、可愛い表情に心が動いたりすることができると感じております。
負の感情を持つことは決して悪いことではない
本当の育児は(私の考えです)そうした気持ちや、自分の感情と付き合いながら
ときどき自分を優先してあげて上手に息抜きもしていいと思います。
オムツだって数時間も放置したら大変かもしれませんが、
例えば
「お茶を3口飲んだらやろう」「目を瞑って10秒数えてからやろう」
と少しでも自分がほっとしてからやったっていいと思います。
疲れている時こそおむつ替えもしんどくなるので、自分を大事にしてあげてから行動するという流れで動いてみると少し気持ちが楽になるかもしれません。
子どもたちも保育で関わる中でも「やりたくない~」というシーンがあります。
ちょっと目先を変えて「お茶いっぱい飲んだらやってみようか!」と言うと気持ちが切り替わる様子もあり、大人も子どももそういった時はあるな~と感じます。
「こうあるべき」に縛られず、あなたらしい子育てを
メディアやSNSでは「子どもに常に寄り添うことが正解」のように感じてしまう情報が溢れています。
でも私はたくさんのお子さん、保護者の方と関わらせていただいて心から思うことがあります。
毎日完璧でなくていい。
しんどい日があったり、苦しい日があったりしても、
ちょっとめんどくさい日があっても大丈夫。
そんな中でもふと、お子さんの笑顔に癒される。
ぎゅっと抱きしめたくなる時間がある。
その一瞬一瞬こそが、本当の愛情であり、お母さんと子どもの絆になっていくのだと感じます。
子育ては「こうあるべき」「こうでなきゃ」に縛られなくていいのです。
あくまでも一つの考え方として受け止めながら、
ご自身とお子さん、そして今の環境に合ったやり方で、
無理せず程よく一歩ずつ歩んでいっていただけたらと思います。
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