男性でも育児のための残業免除、申請していい?「やる気がない」と思われないための伝え方【お悩み相談室】
今回は、共働きで保育園に通い始めたばかりのお子さんを育てる、20代男性からのご相談です。
制度上は可能でも、男性の利用実績がない職場で残業免除を申請することに強い不安を感じていらっしゃいます。
法的な権利としての理解を深めつつ、上司や周囲の理解を得るための「お願いではない共有」のコツについて公認心理師がアドバイスします。
職場での育児による残業免除が男性にも適用されるのか、気になる状況です。うちは妻と共働きで、子どもはまだ保育園に通い始めたばかり。発熱や呼び出しも多く、保育園の送迎や急な対応はどうしても必要になります。
現状では、制度上は男女関係なく育児による残業免除が可能とされていますが、実際に男性が申請すると「やる気がない」と思われないか不安です。社内でも実例が少なく、前例がないことで申請に踏み切れずにいます。
これまでに上司へ軽く相談はしましたが、「本当に免除しないといけないの?」とやんわり流され、正式申請まで進んでいません。周囲でも時短勤務や免除を取っている男性はほぼいません。
育児休業の利用は諦めていますが、妻のためにもせめて残業はないようにしたいです。
申請時の伝え方や職場での立ち回り方のアドバイスをいただけませんでしょうか。
どうかビビッてしまう僕の背中を押してください。
(20代、男性、ハンドルネーム:たかゆき、職種:営業)
最初に
たかゆきさん、共働きで保育園に通い始めたばかりのお子さんを育てながら働く日々、本当におつかれさまです。
発熱や急な呼び出し、送迎の調整。頭の片隅で常に「今日は大丈夫かな」と考え続ける生活は、想像以上に消耗しますよね。
制度としては男女関係なく育児による残業免除が可能だと知っていても、「男性が使ったらやる気がないと思われないか」「前例がないから浮いてしまわないか」と不安になるとのこと。
たかゆきさんの会社では、あなたほど一生懸命に子育て参加した男性ロールモデルが少なかったのですね。
今まで、家族との時間を持ちたくても持てなかった先輩たちがたくさんいると思うと、とても切ないですね…。
また、たかゆきさんが不安を感じて当然だと思います。
上司に軽く相談しても、「本当に免除しないといけないの?」と流されてしまうと、「自分の考えが甘いのかな」と感じてしまうかもしれません。
でも、たかゆきさんが考えているのは楽をすることではなく、家族を幸せにすることなのですね。
パートナーさんの負担を減らしたい、家族としての役割を果たしたい。
そのお気持ちを、私は応援したいと思いました。
仕事への意欲を疑わせないための切り出し方
申請に踏み切るときのポイントは、「お願い」ではなく「共有」として伝えることです。
たとえば、
「残業を免除してください」と切り出すよりも、「保育園に通い始めたことで急な対応が増えていて、家庭を安定させるために残業免除制度の利用を検討しています」と背景を先に共有します。
ここまでは、たかゆきさんも既にやられていることかもしれません。
次に、
「業務はこの時間内で確実に終わらせる工夫をします」
「繁忙期は事前に相談します」
と、仕事への姿勢を具体的に示すと、話は現実的になります。
前例があまりない職場であれば、「他の男性が取っていない」ことから、上司も男性の残業免除をどのように扱えば良いのかわからないのかもしれません。
裏を返せば、たかゆきさんが最初の一人になる可能性もあります。
最初は勇気が要りますが、「家庭の事情を制度で調整する」という姿勢を示すことは、決してわがままではありません。
知っておきたい育児介護休業法とは
日本の育児介護休業法では、原則として小学校就学前の子どもを養育する労働者は、男女を問わず残業免除を請求できます。
これは「特別な配慮」ではなく、働き続けるために用意された制度です。
対象となる労働者からの請求があれば、所定労働時間を超える労働は禁止されています。
制度を使うことで評価が下がるのでは、と不安になるのは当然ですが、本来、制度利用とやる気や能力は切り離して考えられるべきものです。
実務的には、いきなり長期で免除を取るより、「まずは一定期間」「状況が落ち着くまで」と期限を区切って提案するのも一つの方法です。
これなら上司も判断しやすく、たかゆきさん自身も心理的なハードルが下がるかもしれません。
最後に
ビビってしまうのは、責任感があるから。
悩みながらも家族と仕事の両立を考えているたかゆきさんは、とても誠実なお父さんであり、ビジネスパーソンだと思います。
制度を使うことは、誰かに迷惑をかける行為ではなく、長く働き続けるための調整です。
どうかその一歩を、「逃げ」ではなく「選択」として踏み出してくださいね。
応援しています。
専門家がこたえます!お悩み募集中です
「知ってハレばれ お悩み相談室」にお悩みをお寄せください。
毎月ピックアップさせていただいたお悩みとその回答を、「知ってハレばれ お悩み相談室」の記事で公開いたします。下記のフォームからお悩みをお寄せください(匿名でお寄せいただけます)。



