共働き育児、分担はしているのに不公平感を生む“見えない責任”の正体【お悩み相談室】
今回は、夫婦共働きで家事・育児が回らず、常に「綱渡り」状態だと限界を感じている30代女性からのご相談です。
時短家電や家事育児の分担リスト作成など、できる限りの対策をしてもなお消えない不公平感と心のゆとり不足に悩んでいらっしゃいます。
「私ばっかり」と感じる不公平なしんどさの正体を心理的な視点から紐解き、作業だけでなく「管理責任」まで夫婦で分かち合い、家族で持続可能なバランスを見つけるための考え方を公認心理師がアドバイスします。
共働きで子育てをしていると、毎日の生活がとにかく綱渡りみたいに感じます。
朝の保育園の送りから夜ご飯の準備まで、仕事と家事と育児が全部重なって、気づけば一日が終わっていることばかりです。
夫婦で協力しているつもりでも、「夫と私の負担のかかり方」でモヤモヤする瞬間があります。
例えば、残業でお迎えに行けない日が続くと、「また私だけか…」と不公平に感じたり、洗濯物ができてなくて「着る服がない」と夫に言われて「はぁ!?」って思います。。
これまでに家事分担のリストを作ったり、乾燥機付き洗濯機や自動掃除ロボットを買いましたが、少し家事が回るようになった?ぐらいで、根本的な忙しさや心の余裕までは解消されていません。
共働きで育児をしている家庭がどうバランスを取っているのか、実際の工夫や乗り越え方を知りたいです。
(30代、女性、ハンドルネーム:なつめぐ、職種:事務・オフィスワーク)
目次
最初に
なつめぐさんの毎日の生活を思い浮かべるだけで、その忙しさと緊張感が伝わってきます。
朝は時間との勝負で保育園に送り出し、仕事をこなし、帰宅後は夕飯づくりと子どものケア。
ようやく一息ついたと思ったら、もう一日が終わっている。
共働きで子育てをしていると、「今日も無事に回した」という感覚だけが残る日も多いですよね。
夫婦で協力しているつもりでも、負担のかかり方に偏りを感じる瞬間がある。
「また私だけお迎えか…」と心の中でつぶやいたり、「着る服がない」と言われて思わず心が荒ぶったり。
こうしたモヤモヤは、なつめぐさんが家庭をきちんと回そうとしているからこそ生まれる感情だと思います。
家事分担リストを作り、家電にも投資した。
それでも余裕が戻らないとしたら、「やり方が足りない」のではなく、「前提が厳しすぎる」可能性があります。
共働き育児は、なつめぐさんがおっしゃる通り、綱渡りのようなもの。
バランスを崩さず渡り続けるには、気合よりも支点の置き方が大事なのです。
ここまで本当によくやってこられましたね。
家事育児の分担をしても不公平さが出るのはなぜ?
多くの共働き家庭がつまずきやすいのは、「家事をどう分けるか」だけに意識が向いてしまうことです。
でも、実際のしんどさは、作業量よりも「同時進行の多さ」や「調整役が固定されること」から生まれます。
たとえば、残業でお迎えに行けない日が続くと、迎えに行く側は時間の制約を一身に背負います。
これは単なる役割分担ではなく、自由度の差です。
だからこそ、「迎えは交代制」「どうしても無理な日は翌日に負担を調整する」など、時間の自由をどう分け合うかを話題にしてみると、話が進みやすくなることがあります。
また、「着る服がない」と言われたときのモヤモヤは、洗濯という作業そのものより、「管理責任」が一方に寄っていることへの違和感かもしれません。
「洗濯はやる」ではなく、「服が回る状態を一緒に管理する」意識に変えられると、負担感は変わってきます。
共働き育児の家事は諦め力も大切
共働き家庭の多くは、完璧に回すことを早めに諦めています。
平日は40~60点でOK、休日に立て直す。
家事が回っていない日があっても、「今は綱渡り中だから仕方ない」と割り切る。
この割り切りが、心の余裕を支えています。
終わらない感覚が心を削る。何を減らすかが鍵
慢性的な忙しさの中では「達成感」より「未完了感」が溜まりやすいものです。
やってもやっても終わらない感覚が、心を疲れさせるのです。
だからこそ、共働き育児では「何を減らすか」がとても重要になります。
共働き家庭の工夫例と大切な共通認識とは
実際に多くの家庭がやっている工夫としては、
・平日の夕食は固定メニューを増やす
・家事の締め切りを緩める(洗濯は翌日でもOK)
・夫婦それぞれが「今日は無理」と言っていい合図を決める
といった、小さな調整の仕方があります。
そして大切なのは、「今は大変な時期だ」と夫婦で共通認識を持つこと。
今の忙しさが永遠に続くわけではありません。
子どもが成長し、生活リズムが安定すれば、綱渡りの綱の幅は少しずつ広がっていきます。
最後に
なつめぐさんが感じているしんどさは、共働き育児を真剣にやっている証拠。
バランスを取れていないのではなく、そもそもバランスを取り続ける難易度が高い状況にいるだけ。
どうか「うまくやれていない」と自分を責めず、「今日も落ちなかった」と自分をねぎらってくださいね。
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