2歳半の吃音。親ができる対応、相談する先や目安を教えて欲しいです【お悩み相談室】
今回は、2歳半のお子さんが突然言葉を繰り返したり、言葉が出にくくなったりする吃音の症状に悩み、ご自身の叱り方が原因ではないかと不安を感じている30代女性からのご相談です。
「まだ小さいから様子を見るべきか、早めに相談すべきか」の判断基準を知りたいと願っていらっしゃいます。
言葉の発達期に起こりやすい「発達性吃音」のメカニズムを解説し、親の関わり方だけが原因ではないという事実や、言い直させずに最後まで聴く具体的なコミュニケーション、さらに専門家に相談する目安などについて、公認心理師がお答えします。
2歳半になる子どもが、最近になってどもるようになりました。「お、お、お、おかあさん」という感じで繰り返したり、言いたい言葉がなかなか出てこなかったり…。
これまではスムーズに話せていたので、急に吃音のような症状が出てきて心配になっています。
短い単語の時にも症状が出ます。
いう事を聞かないことも増え、きつく叱ってしまっているせいなのでしょうか…。
まだ小さいから成長の過程でよくあることなのか、それとも早めに相談した方がいいのか教えていただけますでしょうか。
(30代、女性、ハンドルネーム:karimero、職種:主婦)
目次
最初に
お子さんが急に「お、お、おかあさん」と繰り返したり、言葉が出にくそうになったりしたら、とても心配になりますよね。
これまでスムーズに話していたからこそ、「何かあったのかな」「私がきつく叱ったせいかな」と、ご自身を責める気持ちも出てきたのだと思います。
まずお伝えしたいのは、吃音のような話し方が出たからといって、すぐに「親の関わり方が悪かった」と考える必要はない、ということです。
2〜4歳に多い「発達性吃音」のメカニズム
国立障害者リハビリテーションセンターの聴覚言語機能障害研究室が、お子さんの吃音についてわかりやすくまとめています(※)ので、その内容を簡単にお伝えしますね。
吃音の多くは2〜4歳ごろ、言葉が発達する時期に始まりやすく、発達性吃音が吃音の大部分を占めます。
また、発症には体質的要因、発達的要因、環境要因などが関わり、特に体質的要因の割合が大きいとされています。
言葉を話したいという意欲や、脳での言語理解に対して、口を動かしてスムーズに発音する運動機能の発達が追いつかず、タイミングがズレてしまうことが原因の一つと考えられています。
叱ったことが原因で吃音になる、という単純な話ではなく、複数の要因が複雑に組み合わさって起きるものだと考えてください。
ここまで不安を抱えながらも、お子さんの変化に気づき、相談しようとしているkarimeroさんは、お子さんをとてもよく見ておられるのですね。
話す安心感を守るために、「言い終わり」まで待つ
今できることは、「どもらせないように直す」ことより、「安心して話せる雰囲気を守る」ことです。
お子さんが言葉を繰り返したとき、「ゆっくり言ってごらん」「落ち着いて」と言いたくなるかもしれません。
でも、本人が自分の話し方を強く意識しすぎると、話すこと自体が緊張につながる場合があります。
参考資料(※)でも、吃音が出たときに笑われたり、アドバイスされたりすることで、話すことへの不快感や不安が結びつくことがあると説明されています。
今、お子さんは自分のペースで育とうとしています。
大切なのは、言い直させたりせず、最後まで待つこと。
「うんうん」と内容に反応すること。
「お、お、おかあさん」と言われたら、話し方ではなく「なあに?」と自然に受け止めることが大切です。
これは、話すことへの安心感を守る対応です。
強く叱ってしまった後は「ごめんね」と伝えて
お子さんが言うことを聞かず、つい強く叱ってしまう日もあるでしょう。
2歳半はイヤイヤ期の豪華フルコースみたいな時期ですから、ずっと仏の顔ではいられませんよね。
それでも強く叱ってしまったな、と気付いた時は、あとで「さっきは大きい声で言ってごめんね」と伝えてみてくださいね。
一人で抱え込まず「専門家に相談する目安」
吃音には波があり、うまく話せる時期と出やすい時期があることも知られています。
また、幼児期の吃音は7〜8割くらいが自然に治ると言われています。
ただし、どんな場合も心配しなくてよいという意味ではありません。
・短い単語でも繰り返しがある
・言葉が出ずに苦しそう
・本人が話すことを嫌がる
・数か月続く
・集団生活で困り始めている
といった場合は、早めに専門家に相談してよいと思います。
相談先としては、まず小児科、自治体の発達相談、保健センター、言語聴覚士のいる機関などが考えられます。
「まだ小さいから様子見で」と一人で抱え込むより、専門家と一緒に経過を見るほうが安心です。
最後に
karimeroさんにできる一番の支援は、話し方をチェックする監視員になることではなく、「あなたの話を聞きたいよ」という姿勢でそばにいることです。
お子さんの言葉がつっかえても、親子の関係までつっかえる必要はありません。
どうか、ご自身を責めすぎず、安心して話せる時間を少しずつ増やしていってくださいね。
<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています
国立障害者リハビリテーションセンター
▶吃音について:https://www.rehab.go.jp/ri/departj/kankaku/466/2-1/
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