管理職への昇進と体外受精が重なり迷う…30代後半のキャリアと不妊治療のタイムリミット、どちらも諦められない【不妊ピア・カウンセラー監修:お悩み相談室】

妊活・不妊
公開日:
記事をシェア

今回は、管理職への昇進打診と体外受精のタイミングが重なり、人生の優先順位に深く葛藤している30代営業職の女性からのご相談です。
「キャリア」と「治療のリミット」の狭間で、どちらを選んでも後悔しそうで答えが出ないと悩んでいらっしゃいます。 

努力が成果に結びつきやすい仕事と、不確定要素の多い不妊治療の性質の違いに寄り添い、「管理職の方が時間の融通をつけやすくなった」という意見の提示や、答えを選べない自分を許す心の持ち方を、キャリアコンサルタントでもある不妊ピア・カウンセラーがお答えします。

念願だった管理職への昇進打診と、本格的な不妊治療のタイミングが重なり、どう決断すべきか葛藤しています

30代後半に差し掛かり、年齢的にも早く体外受精に進みたいと考えていた矢先、来期からのマネージャー昇進の打診を受けました。
夫とは何度も話し合い、キャリアの棚卸しも兼ねて自分の優先順位を書き出してみましたが、どちらも諦めたくなくて答えが出ません

営業職ということもあり、管理職になれば今以上に時間の融通が利かなくなるのは目に見えており、通院の確保ができるか不安です。
治療のタイムリミットとキャリアのチャンス、どちらを優先しても後悔しそうで、どう自分の人生を描けばいいのでしょうか。

(30代、女性、ハンドルネーム:パン屋巡り、職種:営業)


最初に

パン屋巡りさん、初めまして。
念願だった管理職への昇進打診と、本格的な不妊治療へのステップアップという大きな人生の転機が同時に重なり、どうしたらよいのかと悩まれ、苦しい時間を過ごしていらっしゃるのですね。

営業職として日々奮闘され、今以上に時間の融通が利かなくなる不安を抱えながらも、来期からのマネージャー昇進の打診を受けられたとのこと。
それはパン屋巡りさんがこれまでお仕事に対して誰よりも一生懸命に、そして誠実に向き合って実績を積み重ねてこられたからこその評価ですね。
長年頑張ってこられたからこそ、そのキャリアのチャンスを大切にしたいと思うのは当然のことです。
一方で、30代後半に差し掛かり、年齢的な焦りも抱えながら、不妊治療にも真剣に向き合っていらっしゃいますよね。
少しでも早く体外受精に進みたいと考えていた矢先に、この二つの大きなお話が重なってしまったことで、どちらを優先しても後悔してしまうのではないかという気持ちが伝わってきました。

「決断疲れ」が起こってしまうのは無理もないこと 

パートナーさんとも何度も話し合いを重ねられ、キャリアの棚卸しも兼ねてご自身の優先順位を書き出してみたのですね。
そうやってご自身の人生と未来について逃げずにしっかりと向き合おうとされているパン屋巡りさんは、本当に一生懸命で、芯の強い方なのだと思います。

不妊治療を続けていると、本当に小さいことから大きなことまで、毎日たくさんのことを「決めて」いかなければなりません。
その一つ一つの決断に真摯に向き合っていると、どんどん心も体も疲労がたまっていきますよね。
ただでさえ決断の連続でほとほと疲れてしまう不妊治療の中で、さらに人生を左右するような大きな選択を迫られているのですから、答えが出ず、どうしていいか分からなくなってしまうのは無理もないことのように思います。

「どちらも選べない」自分を許してあげてほしい

治療のタイムリミットとキャリアのチャンス、どちらも諦めたくないと思うのは決して欲張りなことではありません

ご自身の人生を大切に生きようとしているからこその、とても自然な感情です。
今はその「どちらも選べない」「どうしたらいいか分からない」と揺れ動くご自身を、どうか「それでいいのだ」と認めて、許してあげてほしいです。
「早く決めなきゃ」とご自身を追い込まずに、わからないときは「今はまだ決められない時期なんだな」と、その答えをいったん『横の棚に並べておく』のも仕方がないことのように思います。

これまで、いろいろなご相談を受けてきましたが、管理職になったほうが会議の時間などの融通がつけやすくなった、とおっしゃる方もいました
まずは目の前で起きていること、一つ一つに向き合って進んでいくのもよいのかなと思います。いろいろな選択肢を持ったまま、進んでいくイメージです。

不妊治療が持つ特有の心理的負担とキャリア

私も長く不妊を経験してきました。
不妊治療は「努力は必ず報われる」というものではないところが、本当につらいところだなと思っています

仕事であれば、努力や工夫が成果につながりやすいかもしれませんが、不妊治療はどれだけ頑張っても、どれだけスケジュールを管理しても、結果が伴わないことがあり、その不確定さにめまいがしてしまうこともありますよね。
だからこそ、自分の努力次第で未来を切り開けるかもしれないキャリアの道を手放すことにも、大きな恐怖を感じるのだと思います

どのような選択をしたとしても

どのような選択をしたとしても、パン屋巡りさんがこれまでご自身の人生や未来の家族を想って重ねてきた頑張りがなくなることは絶対にありません

どちらの道を選んでも、あるいは選びきれずにしばらく揺れ動いていたとしても、その葛藤自体がパン屋巡りさんの人生にとって意味のある大切な時間なのだと思います

ここまでお読みいただいて、いまパン屋巡りさんの心に浮かんでいるのはどんな言葉ですか?

まとまっていなくても全く構いませんので、よかったらまたいつでも、ご質問くださいね。

この記事の回答者

松本彩乃

不妊ピア・カウンセラー/キャリアコンサルタント

所属:株式会社ファミワン

ピア、とは「仲間」という意味です。私自身不妊を経験し、そのつらかった思いをどうにか活かしたくカウンセラーの資格を取得しました。不妊治療と仕事の両立のご相談を専門とするキャリアコンサルタントとしても、皆様のお悩みを伺っています。


専門家がこたえます!お悩み募集中です

「知ってハレばれ お悩み相談室」にお悩みをお寄せください。

毎月ピックアップさせていただいたお悩みとその回答を、「知ってハレばれ お悩み相談室」の記事で公開いたします。下記のフォームからお悩みをお寄せください(匿名でお寄せいただけます)。

記事をシェア
あなたのお悩みを募集中。

あわせて読みたい

トップ > 妊活・不妊 > 管理職への昇進と体外受精が重なり迷う…30代後半のキャリアと不妊治療のタイムリミット、どちらも諦められない【不妊ピア・カウンセラー監修:お悩み相談室】