妊活中のお酒の断り方は?職場の忘年会、不妊治療中であることを話さず、お酒をかわす方法を教えてほしい【公認心理師監修:お悩み相談室】
今回は、妊活中で体調管理のため断酒している30代営業職女性からのご相談です。
職場の忘年会での飲酒の勧めに対し、「不妊治療のことを話さず、飲み会の雰囲気も壊さずにお酒を断る方法」に悩まれています。
飲めない理由を詮索されないために「軽く・明るく・短く」断る具体的フレーズ、お酒を進められないための工夫や、執拗に勧められた時の対応について、公認心理師・臨床心理士がお答えします。
去年の秋から本格的に不妊治療のクリニックへ通い始めました。
体調管理のためにもアルコールは一滴も飲んでいない状況ですが、今月忘年会があります。
これまでは「ちょっと最近、胃腸の調子が悪くてクスリを飲んでいるから」と伝えて、ノンアルコールでやり過ごしてきました。ただ、今回の忘年会は部全体が集まる賑やかな席なので、職種柄どうしても周囲から「一杯どうぞ!」と勧められる機会が多くなりそうです。
職場の人間関係は良いのですが、だからこそ「どうしたの?体調悪いの?」と深く突っ込まれたときに、うまく言い訳できる自信がありません。
デリケートな治療のことはまだ周囲に秘密にしているため、余計な詮索をされずにスマートに切り抜けたいと考えています。
その場が冷めずにお酒を断る方法をぜひ教えてほしいです。
(30代、女性、ハンドルネーム:キトリ、職種:営業)
最初に
キトリさん、不妊治療のクリニックに通いながら、体調管理のためにアルコールを控えておられるのですね。
治療のことは職場に話していない。
でも忘年会では「一杯どうぞ」とすすめられそう。
しかも職場の人間関係が良いからこそ、変に心配されたり、深掘りされたりするのが怖い。
妊活をがんばっているキトリさんにとっては、切実なお悩みだと思います。
お酒の席って、不思議ですよね。
本人は「飲まない」と言っているのに、なぜかその理由を言わなければいけない雰囲気がある。
「オレンジジュースではなくウーロン茶を飲みたい」ときには理由を聞かれないのに、アルコールを飲みたくないことには理由が必要だなんて、変わった文化ですよね。
キトリさんが身構えるのも無理はありません。
妊活中であること、不妊治療中であることは、とても個人的な情報です。
誰に、いつ、どこまで話すかはキトリさんが決めてよいことです。
秘密にしているから後ろめたい、という話ではありません。
自分の心と身体を守るための、ごく自然な境界線です。
お酒の断り文句は「軽く・明るく・短く」
今回の忘年会で目指したいのは、「完璧な言い訳をすること」ではなく、「場を冷まさず、でも自分の領域には入らせないこと」です。
ポイントは、理由を詳しく説明しすぎないこと。
「薬を飲んでいて」と言うと、「何の薬?大丈夫?」と心配の形をした質問が増えることがあります。
人の善意はありがたいのですが、心配する形で深掘りされるのは勘弁してほしいですよね。
そこでおすすめなのは、軽く、明るく、短く断ることです。
「今日はノンアルの日なんです」
「明日朝早いので、今日は乾杯だけ気持ちで参加します」
「最近お酒を控えるチャレンジ中で。自分でもいつまで続くか見ものです」
こんな感じではいかがでしょう。
深刻な理由にしない方が、相手も引き下がりやすくなります。
もし「一杯だけ」と押されたら、
「ほんとに今日はやめておきます。でも乾杯は全力でやります」と返してみてください。
それでも「ちょっとだけでも」と押してくる人がいたら、その人はコンプラ的にまずい人で、他の場面でもハラスメントをしてくる可能性があります。
全力で距離を取りましょう。
お酒を勧められないための工夫
妊娠中の飲酒は胎児への影響があることが知られており、妊娠中や妊娠しようとしている女性は飲酒を避けることが推奨されています(※)。
妊活中にアルコールを控える選択は、体調管理のひとつです。
ただし、その選択を守るために、不妊治療のことまで説明する必要はありません。
使える工夫としては、
- 最初からノンアルコール飲料を手に持つ
- 幹事や近い同僚に「今日は飲まない日なので」とだけ事前に伝える
- 席の移動や料理を取りに行く動きで勧められる場面を減らす
などがあります。
しつこいお誘いにはどう対応する?
それでも詮索されたら、「体調管理の一環です。元気なので大丈夫です」と繰り返せばOKです。
説明は一回で足ります。
二回目以降は壊れたCDのように同じ言葉で大丈夫。
人間関係を壊さず境界線を引くには、笑顔で同じ返事をするのが意外と強いのです。
最後に
キトリさんが守りたいのは、お酒の場の空気だけではなく、ご自身の身体と大切な治療ですよね。
場に合わせる力のある方だからこそ、今回は自分に合わせる力も使ってみてくださいね。
<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています
厚生労働省「健康日本21アクション支援システム」
▶胎児性アルコール・スペクトラム障害:https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/alcohol/a-01-015
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