生理前の不調(PMS)とプレ更年期の症状の違いとは?見分け方と対策ヒント【お悩み相談室】

更年期
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PMSとプレ更年期の違いが分からず、対策に悩んでいる30代後半の方からのご相談です。イライラや頭痛、肩こり、火照りなどの症状が日によって現れ、PMS対策のサプリも効果が不安定とのこと。どのように症状を見分け、適切な対策をとるべきか迷っているようです。

PMSとプレ更年期の違い、そしてそれぞれの時期に必要な対策について助産師が解説します。

30代後半になり、プレ更年期という時期に入りました。しかし、まだ生理前にあるPMSと更年期の違いがよく分からず、対応の仕方に困っています
イライラしたり、頭痛や肩こりが辛かったり、火照る日もあれば、手足が冷たい日など身体や精神的な症状がまばらにでてきます。PMS対策として、ドラックストアで購入したサプリ等を服用しているのですが、効いたり、効かなかったりしてしまいます。更年期の質問に当てはまる症状も多くなってきており、PMSの服薬なのか、更年期の服薬のどちらが効くのか悩んでいます
自分なりに調べたりしていますが、自分の今の症状がPMSなのかプレ更年期の症状なのかわからず、何をどう対策すればいいか迷っています
PMSと更年期の狭間な時はどんな対策が必要なのか、また、PMSと更年期の違いを簡単に教えてください。

(30代、女性、ハンドルネーム:riyukom0315、職種:医療・介護・福祉)


最初に

ご相談いただきありがとうございます。年齢を重ねる中で、からだの変化に戸惑うこともでてきますよね。とくに30代後半から40代にかけての「プレ更年期」の時期は、PMS(※)と更年期の症状が重なり合うことも多く、ご自身でも「これはどっち?」と混乱してしまうのは無理もありませんね。

まず、PMSと更年期、それぞれの違いについて簡単にお話ししますね。

PMSは、排卵後から生理が始まるまでの黄体期に起こる不調のことで、月経周期と連動して症状が現れます。イライラ、不安感、乳房の張り、頭痛、眠気やむくみなどが典型的で、生理が始まるとすっと軽くなるのが特徴です。

一方、更年期とは、卵巣の働きが少しずつ衰え、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が不安定になる時期を指します。日本人ではおおむね45歳から55歳くらいが該当しますが、30代後半から40代前半に起きる「プレ更年期」では、ホルモンの揺らぎが少しずつ始まり、身体のリズムがこれまでと違ってくるのを感じやすくなります。

PMSと更年期の大きな違いは、「ホルモンの変化が周期的か、継続的か」という点です。PMSは生理の周期に伴って起こる一時的な不調ですが、更年期に入るとその周期自体が乱れ、ホルモンの波も予測しづらくなってきます。だからこそ「いつものPMSと同じような症状だけど、なんだか治まり方が違う…」と感じることが増えるのです。

ご質問にあったような「イライラ」「頭痛」「肩こり」「火照りや冷え」などの症状は、どちらにも共通するものです。ですので、プレ更年期の時期はPMSの対策だけではうまくいかないことも増えてきます。ドラックストアで購入されたサプリが「効くときと効かないときがある」と感じるのも、まさにホルモンの揺らぎのせいで、体がそのときどきで受け取り方を変えてしまうからではないかと考えます。

PMSと更年期の狭間の時期には、どちらの対策も取り入れる

このような「狭間」の時期には、PMSと更年期、どちらの対策も柔軟に取り入れることが大切です。「どちらの薬が効くのか」と二者択一で考えるよりも、「今の自分に合った対処を選ぶ」感覚で構えてみてください。

たとえば、症状が生理の前に決まって現れるようであればPMSへの対策を意識し、一方で、ホットフラッシュや不眠、気分の落ち込みなどが生理に関係なく出るようになった場合は、プレ更年期に対するケアを取り入れると良いかもしれませんね。

加えて、日々の生活リズムを整えることも、今の時期にはとても大切です。睡眠の質を高めること、無理のない運動(たとえばウォーキングや軽いストレッチ)を取り入れること、冷えやすい時期には足元を温めることなど、地道なセルフケアが心身の揺れを支えてくれます

もし症状が日常生活に支障をきたすほど辛いようであれば、婦人科などの女性の体に詳しい医療機関でホルモンの状態をチェックしてもらうのも良いと思います。プレ更年期の段階でも、体に合った漢方薬やホルモン補充療法(HRT)を用いることで、随分と楽になることがあります。医療機関だからといってすぐに強い薬を出すわけではありませんので、気負わず一度相談されてみてもいいかもしれません。

最後に

プレ更年期は、自分の体との新しい付き合い方を模索していくタイミングでもあります。「こんなときはこうすれば楽だったな」という小さな発見の積み重ねが、やがて自分の強い味方になります。どうか、ご自身の不調を「我慢すべきもの」とは捉えずに、「ちゃんと向き合う価値のあること」として、いたわりながら過ごしてみてくださいね。

<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています

公益社団法人 日本産婦人科学会
▶更年期障害について:https://www.jsog.or.jp/citizen/5717/

厚生労働省
▶更年期とは:https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/menopause.html

公益社団法人 日本産科婦人科学会
▶月経前症候群(PMS):https://www.jsog.or.jp/citizen/5716/


回答者:株式会社ファミワンに所属する【助産師】

更年期の症状や健康管理について、看護師の視点からサポートしています。ホットフラッシュや気分の浮き沈み、睡眠の質の低下など、更年期特有の悩みに寄り添いながら、生活習慣の改善や適切なケア方法をご提案します。お一人で抱え込まず、気になることがあればぜひご相談ください。


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