男性更年期でバイクも楽しめない…薬に頼らず整えるには?【お悩み相談室】

更年期
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趣味だったツーリングにも気力が湧かず、更年期を疑っている50代男性からのご相談です。妻のアドバイスで病院に行ったけれど、薬には頼らず自分で整えたいと悩んでおられます。

そんな気持ちに寄り添いながら、生活習慣や食事、心の整え方など“自分らしさ”を取り戻すヒントについて、管理栄養士がアドバイスします。

仕事は昔からストレスが多くて、正直やる気はそんなになかったんですが、ここ最近は趣味だったツーリングすら億劫になってきました。バイク仲間に誘われて久々に走ってみたものの、前みたいな爽快感がなくて…ちょっとショックでした。

妻に「更年期じゃない?」と言われて病院に行ったら、男性ホルモンの筋肉注射をすすめられました。毎回筋肉注射をするのも正直こわいし、…なんというか認めたくない感じがあって踏み切れない。薬や病院が解決の近道なんだろうが、もう少し抗いたいと思ってます。まだ薬に頼らずにできることがあるなら、試してみたいんですが何をすればいいですか?

(50代、男性、ハンドルネーム:タツ、職種:金融・不動産)


最初に

ありがとうございます。とても率直で、大切なお悩みを共有してくださり、心から感謝いたします。

「まだ薬に頼らずにできることがあるなら」

そのお気持ちは、ご自身の力を信じたいという強さでもあり、「これまでの自分らしさ」を大事にしている証拠だと思います。

ツーリングが趣味だったあなたが、「最近はバイクに乗るのすらおっくう」「久々に走ってみたけど、前のように楽しめなかった」と感じたとき、きっと胸のどこかで「自分らしくないな」とショックだったのではないでしょうか

本当はバイクが好きで、仲間と風を感じる時間が自分のリズムだったはずなのに、なぜか心も体もついてこない。
仕事にも張り合いがなく、以前は「まあやるか」と流せていたことが、今はただ重く感じる…。

そんな日々が続くと、「なんでこうなっちゃったんだろう」「これって年のせい?」と、自分に対してモヤモヤや寂しさが湧いてくることもあると思います。

病院で「男性ホルモンの注射」をすすめられたというのも、「もうそんな年なのか…」と現実を突きつけられたような、複雑な気持ちになったのかもしれませんね

でも、そんな風に立ち止まって「このままじゃ嫌だ」「まだやれることがあるなら、やってみたい」と思えること自体が、心の奥にある”まだ動けるエネルギー”の証だと思います。

男性更年期の整え方とは

男性ホルモン(テストステロン)は、実は30代後半から少しずつ減少しはじめ、40代〜50代で「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)」と呼ばれる状態になることもあります。
これはいわば「男性版の更年期」。

ただし、誰もが注射や薬に頼らなければいけないわけではありません。

「ちょっと最近おかしいな」と感じた段階で、生活習慣や食事、運動、心の持ち方を見直すことで、自然にホルモンバランスを整えられる可能性は十分にあるのです。

そのために、次のような「整え方」を意識してみるのはどうでしょうか?

  • テストステロンの材料になる栄養をしっかり摂る
  • 体をゆるやかに動かし、筋肉を刺激する
  • 睡眠の質を上げて、自然なホルモン分泌を助ける
  • 「自分が主導権を持っている」と感じられる時間をつくる
  • 孤独感を減らす、仲間とつながる時間を意識的に持つ

これらはすべて、薬に頼る前にできる“心と体の回復策”。

ポイントは、「無理に変える」ではなく、「すでにある自分の土台を“整え直す”」という感覚です。

男性ホルモン向上のための生活習慣とは

ではここから、より具体的に「薬に頼らずできるテストステロン向上サポート法」を、管理栄養士の立場からお伝えします。

 1. 食事からホルモンの“材料”を補う

男性ホルモンの生成には、以下の栄養素が重要です。

✅ たんぱく質(毎食しっかり)

→ 肉・魚・卵・豆腐・納豆・ギリシャヨーグルトなど。筋肉・ホルモンの材料になります。

✅ 亜鉛(テストステロン生成に不可欠

→ 牡蠣、牛肉、かぼちゃの種、レバー、大豆製品

✅ ビタミンD(テストステロン活性に関与

→ 鮭、いわし、卵黄、きのこ類+日光浴

✅ 良質な脂質(ホルモン合成に必要

→ オリーブオイル、アボカド、ナッツ、青魚

 2. テストステロンを高める生活習慣

✅ 週2〜3回、筋トレ or ウォーキングを習慣化

→ 特にスクワットや腕立てなど、大筋群を動かすと効果的です。10分からOK。

✅ 7時間前後の深い睡眠

寝る2時間前までに入浴スマホを控えるなどで「質」を高める

✅ 「自分で決めたことをやる」感覚を持つ

たとえば「月曜朝は必ずコーヒーを淹れる」など、シンプルでも◎

✅ 他者とつながる時間をつくる

仲間とバイクの話をするだけでも、テストステロンは自然と上がります

 3. メンタルとホルモンはつながっている

やる気や活力が出ない背景には、「やらされ感」や「孤立感」が潜んでいることも。

「何のためにやっているのか」「誰と一緒にいるとホッとするか」

を意識してみると、心の方向性が見えてきます。

最後に

「まだ、薬には頼りたくない」

そう思うあなたの気持ちは、とても健全です。

今はちょっと不調でも、人生の調子が悪い時期は「調整のタイミング」かもしれません。

かつてツーリングで感じた爽快感が、また少しずつ戻ってくるように。

そのための準備期間と思って、向き合っていくのはいかがでしょうか。

<本記事の回答者>

山本瑠美

管理栄養士

所属:株式会社ファミワン

保育園、老人ホーム、病院での勤務経験を活かし、0歳~高齢者の食を支援しています。食事は「生きる土台」、大切さはわかっていても、乱れたり習慣を変えることが難しい場合も。まずは完璧を目指すのではなく、個人の嗜好やライフスタイルに合わせた提案を心がけています。食べることや栄養の大切さを、わかりやすく楽しくお伝えします。


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