更年期におりものの量やにおいが変わるのはなぜ?知っておきたい腟内環境の変化とケア【お悩み相談室】
今回は、更年期に入り、おりものの量やにおいの変化に戸惑いを感じている50代の女性からのご相談です。
はっきりとした痛みやかゆみはないものの、以前とは違う「なんとなくの違和感」が続き、清潔にしても拭えない不安を抱えておられます。
女性ホルモンの減少が腟内環境に与える影響や、正しいケア方法、受診のタイミングについて助産師がアドバイスします。
ここ最近、おりものの量やにおいが前と違う気がして気になっています。
更年期に入ってから体の変化はいろいろ感じていたけれど、おりものまで変わるものなのかと少し不安です。
色は透明〜少し黄みがかる程度で、40代の時よりは量が多くなったように思います。
かゆみや痛みはありません。ただ、日によってむわっと臭う日もあり、清潔にしていても気持ちが落ち着きません。
年齢のせいと言われればそれまでですが、放っておいていいものか迷っています。
(50代、女性、ハンドルネーム:しぐれ時、職種:事務・オフィスワーク)
目次
最初に
おりものの量やにおいが、以前と違う気がして気になっておられるのですね。
更年期に入ってから、体のあちこちに変化を感じてきた中で、「まさかおりものまで変わるの?」と感じてしまうのは、これまでのご自身の体を知っているからこそだと思います。
色は透明から少し黄みがかる程度で、強いかゆみや痛みはない。
でも、40代の頃より量が増えたように感じたり、日によってはむわっとしたにおいが気になったりして、清潔にしていても落ち着かない気持ちになる。
その違和感が続くと、「年齢のせいで片づけていいのかな」「このまま様子を見ていて大丈夫なのかな」と迷ってしまいますよね。
大きな症状はないけれど、なんとなく前と違う。
その「なんとなく」が続くこと自体が、実は一番つらい部分かもしれません。
不安をゼロにしなくていい。「ここまでは大丈夫」という判断基準を持とう
更年期以降の体の変化は、はっきり「異常」と言えるものばかりではなく、「今までと違う」という形で現れることが多い時期です。
おりものについても、「病気かどうか」だけで考えるより、
「この年代の体では、どういう変化が起こりやすいのか」を知っておけると、気持ちが少し落ち着くかもしれませんね。
また、「どんな変化なら様子を見てよくて、どんなときに医師に相談すると安心なのか」という目安を持っておくことも大切です。
そうすることで、不安を抱えたまま我慢し続けるのではなく、「ここまでは大丈夫」「ここからは相談しよう」と判断しやすくなります。
不安をゼロにしようとしなくても、「不安と上手につきあえる状態」を目指せると良いかもしれません。
更年期は腟内環境の変化時期。エストロゲン減少がおりものに与える影響
更年期以降は、卵巣の働きがゆるやかに低下し、エストロゲンという女性ホルモンが少なくなっていきます。
その影響で、腟や外陰部の粘膜は薄くなり、腟内の環境を守っている乳酸菌も減りやすくなります。
この変化によって、おりものの量や性状、においが「以前と違う」と感じる方は少なくありません。
ご相談内容のように、透明〜やや黄みがかった色で、強いかゆみや痛みがない場合、ホルモン変化による体質の変化の範囲であることも多いです。
ただ、腟内環境が変わることで、日によってにおいが出やすくなることもあり、「清潔にしているのに気になる」と感じやすい時期でもあります。
常在菌を守るデリケートゾーンの正しい洗い方
この時期に気をつけたいのは、洗いすぎです。
においが気になると、つい強く洗ったり、腟内まで洗浄したくなりますが、これはかえって常在菌のバランスを崩し、症状を助長することがあります。
外陰部をやさしく洗う程度で十分です。
こんな時は婦人科へ!治療が必要な「色の変化」や「痛み」の見分け方
一方で、
黄色や緑色がはっきりしてくる
強い悪臭が続く
かゆみ・痛み・出血を伴う
上記の場合には、細菌性腟症など治療が必要な状態が隠れていることもあります。
その場合は、「年齢のせい」と我慢せず、婦人科で医師に相談することが大切です。
今の段階でも、「大きな症状はないけれど、変化が続いて気になる」「自分では判断がつかず不安」という理由で受診して構いません。
異常がないと確認できるだけでも、気持ちが軽くなる方はとても多いです。
最後に
年齢とともに体が変わっていくのは自然なことですが、不快感や不安を抱え続ける必要はありません。
気になるサインを無視せず、安心できる選択をしていってくださいね。
<参考文献・出典>
公益社団法人 日本産婦人科学会
▶更年期障害について:https://www.jsog.or.jp/citizen/5717/
MSDマニュアル家庭版
▶腟炎(腟の感染症または炎症)の概要:腟炎(腟の感染症または炎症)の概要
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