更年期の体の不調症状5選|原因と対策【看護師監修】

更年期
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この記事でわかること

40代・50代になると「なんとなく体がだるい」「急にほてりや発汗が気になる」「眠れない夜が増えた」と感じることはありませんか?
こうした不調の多くは、更年期に起こる変化が関係しているかもしれません 。

この記事では、更年期の定義、原因、よくある5つの症状、そして病院での治療法や日常生活でできる対策をわかりやすく解説します。

※本記事は一般的な医療・健康情報の提供を目的としており、医学的な診断や治療を代用するものではありません。症状が続く場合やご不安な点は、自己判断せずに必ず医療機関(婦人科など)を受診し、医師にご相談ください。


更年期とは

更年期とは閉経(卵巣の活動が次第に低下し、月経が永久に停止すること)の前後約5年間を指します。
日本人女性の閉経の平均年齢は約50.5歳とされているため、40歳前半で閉経を迎える女性がいる一方で、60歳近くまでは月経がみられる方もいます。

更年期症状が起こる原因

更年期症状の主な原因は、女性ホルモン(エストロゲン)の急激な減少にあります。

エストロゲンは、自律神経や血管、骨の健康を保つ重要な役割を担っています。
更年期に入りこのホルモンが急激に減ると、体温や心拍を調節する脳の司令塔(視床下部)が混乱し、自律神経のバランスが崩れてしまうため、心身に多様な不調が引き起こされるのです。

更年期障害の諸症状は大きく3つに分けると以下のように分られます。

  • 自律神経失調症状:のぼせ、発汗、息苦しさ、疲労感、頭痛、
  • 精神的症状: 情緒不安定、イライラ、抑うつ、意欲的か、不安感
  • その他の症状: 腰痛、手のこわばり、しびれ、むくみ、乾燥

厚生労働省の「更年期症状・障害に関する意識調査(2022年)」では、50代女性の約7割(72.2%)が何らかの更年期症状を自覚しているという結果が出ています。
更年期の不調は、多くの女性が経験する自然な変化と言えます。

つまり、更年期の不調は「ホルモンバランスの変化に、生活環境や心理的なストレスが加わって起きるもの」であり、決してご自身の我慢が足りないせいではありません

📌 出典:産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2026(2026年版)、更年期症状・障害に関する意識調査(2022年版)

よくある症状

更年期症状は多岐にわたりますが、その多くは「エストロゲンの低下による自律神経の乱れ」が共通の背景にあります。
ここでは、特に代表的な5つの症状について解説します。

①ホットフラッシュ(のぼせ・ほてり・多汗)

気温に関係なく、突然顔や上半身が熱くなったり、汗が止まらなくなったりする症状で、更年期の代表的なサインです。
日本を対象にした研究で46%の方がほてりを感じているというデータがあります。

血管の収縮や拡張をコントロールしている自律神経が乱れ、血管が広がりすぎて過剰に熱を放出しようとすることで起こります。

「電車の中で急に顔が真っ赤になる」「夜中に寝汗で目が覚める」といった経験をお持ちの方もいるかもしれません。
通常は数秒から数分で収まりますが、頻繁に繰り返すと睡眠不足や外出時のストレスにつながることがあります。

📌 出典:産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2026(2026年版)、日本産科婦人科学会「更年期障害」

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②肩の痛み・関節痛

肩こりや肩の痛み、関節のこわばりや痛みも、更年期に多く見られる症状のひとつです。

エストロゲンには関節や軟骨を保護し、炎症を抑える作用があります。
このホルモンが減少することで、関節周辺の柔軟性が低下したり、自律神経の乱れによる血行不良が悪化したりして痛みが生じやすくなります。

いわゆる「四十肩・五十肩」のような激痛だけでなく、朝の指の動かしにくさを感じる方もいます。
ただし、関節リウマチなどの病気が隠れている可能性もあるため、痛みが強い場合は自己判断せず専門医に相談しましょう。

📌 出典:産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2026(2026年版)、日本女性医学学会「よくある女性の病気 関節痛」

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③動悸(どうき)

激しい運動をしていないのに、突然心臓がドキドキしたり、脈が飛ぶように感じたりする症状です。

自律神経は心拍数もコントロールしているため、そのバランスが崩れると、安静時であっても脳が「心臓を早く動かせ」という誤った指令を出してしまうことがあります。

「仕事中や就寝前に、突然胸がバクバクして不安になる」といった場面があります。

ただし、甲状腺疾患や心不全など、更年期以外の原因で動悸が起こることもあるため、息苦しさや胸の痛みを伴う場合は早めの受診が必要です。

📌 出典:産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2026(2026年版)、日本女性心身医学会「更年期障害」

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④めまい

立ち上がったときにふらついたり、体がフワフワと浮いているように感じたりする症状です。

自律神経が乱れると、血圧の調整や脳への血流コントロールがスムーズにいかなくなり、平衡感覚に影響を及ぼすためです。

買い物中に足元がふらつき、座り込んでしまうような経験をされる方もいます。
メニエール病などの耳の疾患や貧血が原因のケースもあるため、強い回転性のめまいや、ろれつ障害がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。

📌 出典:産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2026(2026年版)、日本女性医学学会「よくある女性の病気」

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⑤疲れやすい

しっかり休んでも疲れが取れず、体が鉛のように重く感じる「慢性的な疲労感」も更年期特有の症状です。

エストロゲンの低下により体の代謝機能が変化し、エネルギーを効率よく作れなくなることが影響しています。
また、ホットフラッシュによる睡眠不足や気分の落ち込みが重なることも、疲労感を強める要因となります。

「朝から体がだるく、家事に取り掛かるまで時間がかかる」といった声が多く聞かれます。
ただし、重い倦怠感の背景には、貧血や精神科疾患、甲状腺機能低下症などが隠れていることもあるため、注意が必要です。

📌 出典:産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2026(2026年版)、女性の健康推進室 ヘルスケアラボ(2024年版)

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治療(病院でできること)

更年期の症状がつらいと感じたら、一人で我慢せずに医療機関(婦人科や女性外来など)に相談しましょう
医師の診断により「更年期障害」と認められた場合は、多くの場合で健康保険が適用される「保険診療」を受けることができます。

主に以下の3つの治療法が提供されています。

1. ホルモン補充療法(HRT)

減少した女性ホルモン(エストロゲン)を薬で補うことで、原因に直接アプローチする治療法です。

更年期障害の主な原因である「ホルモン不足」を直接補うため、特にホットフラッシュ(ほてり・発汗)などの血管運動神経症状に対して高い効果が期待できます。

飲み薬、貼り薬、塗り薬などがあり、ご自身のライフスタイルに合わせて医師と相談できます。
骨粗しょう症の予防や、悪玉コレステロールの抑制にも有効とされています。

【注意点】

 不正出血や乳房の張りなどの副作用が出ることがあります。
また、既往歴(乳がんや血栓症など)によっては受けられない場合があるため、必ず医師と相談が必要です。

2. 漢方療法

個人の体質や全身の状態に合わせて、心身のバランスを整える治療法です。

漢方では、気・血・水(き・けつ・すい)の巡りが悪くなることで不調が起きると考えます。
複数の症状が重なっている場合や、HRTが体質に合わない方に適しています。

更年期の不調には、以下の漢方薬が処方されることがあります。

  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):手足が冷えやすい方、貧血ぎみの方、疲れやすい方に適しています
  • 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):のぼせやすい方、顔はほてるけれど足は冷える方に適しています。
  • 加味逍遙散(かみしょうようさん):イライラや不眠症、冷え症など、原因のはっきりしない「不定愁訴」によく用いられます。

【注意点】 

副作用として胃腸の不調や発疹、一部の成分(甘草など)による血圧上昇やむくみ(偽アルドステロン症)が起こる可能性があります。
体質に合わず症状が改善しない場合や、異変を感じた際は速やかに医師・薬剤師にご相談ください。

3. そのほかの薬物療法・カウンセリング

全てがホルモン補充療法や漢方治療で解決するということではありません。
患者様の症状の強さにによってはそれぞれの症状に対しての処方がある場合があります。
精神科で処方のある薬もありますし、貧血症状がみられる場合には鉄剤や栄養療法もあります。
また心理面でのカウンセリングも有効であると言われています。

主治医に必ず相談をして、どのような治療が適切なのかを決めていきましょう。

日常生活の中でできるセルフケア

病院での治療と組み合わせて、生活習慣(食・運動・睡眠)を見直すことも、更年期症状を和らげる基本となります。

1. 食事

女性ホルモンと似た働きを持つ「大豆イソフラボン」を中心に、以下の栄養素を意識して取り入れるのがおすすめです。

エストロゲンが減少すると、骨密度の低下や心臓・血管の病気のリスクが高まりやすくなります。
これらを食事でサポートすることで、将来的な健康リスク(骨粗しょう症や生活習慣病)の軽減にもつながります。

「毎日完璧に自炊しなきゃ」と無理をする必要はありません。
惣菜の作り置きや、コンビニで手軽な大豆製品を選ぶなど、ご自身のペースで続けましょう。

  • 大豆イソフラボン(豆腐、納豆、豆乳など):女性ホルモンに似た働きで不調をサポート
  • カルシウム・ビタミンD(小魚、きのこ類など):骨の健康サポートに
  • ビタミンE(ナッツ類、植物油など):抗酸化作用に
  • 鉄分・ビタミンC(赤身肉、ほうれん草など):疲労感対策に

2. 運動

無理のない範囲で、じんわりと汗をかく程度の軽い運動を習慣にしましょう。
適度な運動は、自律神経の切り替えをスムーズにし、血行を促進します。
また、朝の光を浴びながらのウォーキングなどで分泌される「セロトニン(幸せホルモン)」には、精神的な不安を和らげ、夜の睡眠の質を高める効果があります。

  • ウォーキングや水泳などの有酸素運動を週3〜4回程度取り入れる
  • ストレッチや軽い筋トレも、肩こりや関節の不調の緩和に効果的
  • 運動は気分の改善にもつながり、精神症状のケアとしても有効

3. 睡眠

良質な睡眠をとることは、乱れがちな自律神経を整えるために非常に重要です。

睡眠は、日中に活発だった交感神経を鎮め、心身を「休息モード(副交感神経が優位な状態)」に切り替える役割を担っています。
更年期は夜中に目が覚めるなどのことが起きやすいため、入眠前の環境作りが重要になります。 

  • 朝日を浴びる
    朝起きたら5〜10分程度直接朝日を浴びることで、体内時計がリセットされ、夜の睡眠の質を高めるホルモンの生成につながります。
  • 入浴の工夫
    就寝前に38〜40度程度のぬるめのお湯にゆっくり浸かると、リラックスモード(副交感神経)に切り替わりやすくなります。
  • 寝る前のルーティン
    就寝・起床時間を一定に保ち、寝る前はスマートフォンの強い光を避けましょう。
    「温かいハーブティーを飲む」「好きな音楽を聴く」など、脳が眠る準備に入るためのリラックスする儀式を作るのがおすすめです。

4. その他

  • 体温変化(ほてり・冷え)の調整
    ホットフラッシュが気になる場合は、通気性の良いインナーや重ね着でこまめに体温調整を行いましょう。
    汗が出た際は首元を冷やしつつ、飲み物は常温以上のものを選び、体を内側から冷やしすぎないようにします。
  • 体の仕組みを正しく知る
    「自分の体に今、何が起きているのか」を正しく知ることはとても大切です。
    女性ホルモンの変化など正しい知識を持つことで正しく備えることができます。
  • ストレスケアとリフレッシュ
    更年期の不調には心理的なストレスも大きく影響します。
    趣味の時間を持って心身をリラックスさせ、自分をいたわる時間を意図的に作りましょう。
  • 職場や周りの人にサポートしてもらう
    働きながら更年期を迎える方は、絶対に一人で無理をしないでください。
    体調が悪い時は一人で抱え込まずに周りに相談し、家族に家事を頼んだり、職場の制度(休憩をとる、お休みをもらうなど)を上手に使ったりして、体への負担を減らしましょう。

【注意点】 

これらの生活習慣の改善は穏やかな効果が期待できる一方で、誤った方法で行うと逆効果になるリスクがあります。

  • 大豆イソフラボンやビタミンEなどのサプリメントを自己判断で過剰に摂取することは、体調不良などの副作用リスクを伴います。
  • 急に激しい運動を始めると、関節痛の悪化や疲労感を強めるおそれがあるため、無理のない範囲で行うことが重要です。
  • 熱すぎるお湯での入浴は交感神経を刺激し、かえって動悸や不眠を招くおそれがあります。

📌 出典:更年期障害とライフスタイル(2021年版)、日本女性心身医学会「更年期障害」、女性の健康推進室 ヘルスケアラボ(2024年版)、MSDマニュアル家庭版「自律神経系の概要 」

「ただの更年期」と自己判断しない!早めに受診すべきサイン

次のような場合は、更年期障害以外の別の病気(甲状腺疾患、心臓の病気、脳血管疾患、婦人科系の病気など)が隠れている可能性があるため、「更年期だから仕方ない」と自己判断せず、早めに医療機関(婦人科や内科など)に相談しましょう

  • 気分の落ち込みや強い不安、不眠が2週間以上続いている
  • 症状が重く、仕事や家事など日常生活に明らかな支障が出ている
  • 強い倦怠感やだるさ、体重の急激な減少、発熱がある
  • 月経とは異なる出血(不正出血)がある、または閉経後に出血した
  • 胸の強い痛み、息苦しさ、失神を伴う動悸がある
  • 強い回転性のめまい、ろれつが回らない、手足のしびれがある
  • 今までなかったような強い不調が急に現れた、または急激に悪化した

📌 出典:日本産科婦人科学会「更年期障害」

よくある質問(Q&A)

※ご注意:以下は一般的な目安としての回答です。症状が重く、日常生活やお仕事に支障をきたしている場合や、他の病気ではないかと不安を感じる場合は、一人で我慢せずに婦人科を受診して医師にご相談ください。

Q1. 更年期障害はいつまで続きますか?

個人差がありますが、閉経前後の約10年間(45〜55歳頃)に症状が出やすく、多くの場合、閉経後数年で徐々に落ち着いてくることが多いです。ただし症状の種類や強さは人によって大きく異なります。

Q2. 病院を受診する目安はありますか?

日常生活や仕事に支障が出ている場合や、ご自身がつらいと感じる時が受診のタイミングです。他の病気が隠れている可能性もあるため、自己判断せず受診しましょう 。

Q3. まだ40代前半なのに更年期の症状が出ることはありますか?

あります。早発閉経の場合、30〜40代前半でも同様の症状が出ることがあります。「まだ若いから」と放置せず、気になる場合は婦人科で確認してみてください。

Q4. 家族や職場につらさをどう伝えたらいいですか?

「ホルモンの変化で体調が揺らぎやすい時期」と客観的な事実として伝えるのがおすすめです。厚労省等のパンフレットを活用するのも有効です 。


まとめ

更年期は多くの女性に訪れる自然な体の変化であり、一人で我慢せず、自分をいたわりながら過ごすことが大切です。

ホットフラッシュや関節痛、めまいなどの不調は、主に女性ホルモンの低下と自律神経の乱れによって起こるもので、決してご自身の努力不足ではありません。
また、症状の背景に別の病気が隠れている可能性もあるため、専門家による客観的な判断が安心につながります。

症状の現れ方や重さには大きな個人差がありますが、つらいときは婦人科などの医療機関を受診し、HRT(ホルモン補充療法)や漢方など、ご自身の症状に合った治療を検討しましょう。
あわせて食事・運動・睡眠などのセルフケアを少しずつ取り入れることで、不調の緩和が期待できます。

「これまでと違う」と感じる急な不調に戸惑うこともあるかと思いますが、無理をして頑張りすぎず、医師の診察を受けながらご自身らしいペースで更年期を過ごしていきましょう。

📌 出典:産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2026(2026年版)

参考文献・出典一覧

本記事は以下の一次資料・公的ガイドラインをもとに作成しています。

<本記事の監修者>

西岡 有可

不妊症看護認定看護師

所属:株式会社ファミワン

不妊症看護認定看護師として都内の不妊治療専門クリニックで10数年勤務。不妊に悩むカップルへのケアやチームマネジメント、研究発表を経験。医療機関の枠組みを超えて、もっと身近な存在として悩める人へサービスを届けたい思いから株式会社ファミワンへジョイン。現在はファミワンにて、代表看護師としてセミナーやユーザー対応とともにサービス設計を担当。

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