生理不順やPMSがつらい…ピルを試すべき?【お悩み相談室】

生理・PMS
記事をシェア

今回は、不規則勤務による生理不順やPMS、生理痛に悩む20代女性からのご相談です。生理トラブルを解決するためにピルを試すべきか迷っている一方で、副作用や妊娠への影響が心配で決断できないご様子です。

生理トラブルやピルとの向き合い方について、相談経験が豊富な臨床心理士がアドバイスします。

夜勤のある不規則勤務をしていて、生理不順でいつ生理がくるのか自分でもわかりません。PMSが始まったからそろそろ生理が来るかなと思っても、なかなか来なくて長い期間PMSで苦しんでいます。生理が始まったら今度は生理痛や頭痛、腰痛に困っていて、仕事を休んでしまうこともあります。友人に、ピルを飲んでからは生理のトラブルがなくなったと聞き、つらいPMSが少しでも軽くなればと、私もピルを飲もうか悩んでいます。その一方でいつかは私も妊娠したいと思っていますが、「妊娠できなかったらどうしよう」「副作用が強かったら怖い」と思い、ためらってしまいます。ピルを飲んでみるかこのまま頑張って耐えるか決めきれずに悩んでいます。

(20代 女性 ハンドルネーム:温泉大好き 医療・介護・福祉)


ホルモンバランスの影響でPMSや生理不順が悪化する

毎月の生理不順やPMS、生理痛とお付き合いしながら、お仕事をがんばっておられるのですね。夜勤もある不規則勤務とのことですが、生理前や生理中はとりわけ身体が辛いと感じませんか?そんなときにお仕事を休まれるのは、身体の声をちゃんと聴けているということ。適切な選択だと思いますよ

ですが、不規則な勤務形態は生活リズムの乱れから、ホルモンバランスも影響を受けやすくなります。そのため、生理不順やPMSを強く体感する方も少なくありません。このような状況の中で、「どうにか楽になりたい」「でも、将来の妊娠への影響が気になる」と葛藤するお気持ちが、ご質問の文章から伝わってきました。

生理不順やPMSとの向き合い方、ピルを検討する際のポイント、そしてストレスへの対処方法について一緒に考えていきましょう。

生理不順やPMSが悪化する主な原因とは?

まず、生理不順やPMSの原因とされるものには、いくつかあります。

ホルモンバランスの乱れ

夜勤や不規則勤務によって体内時計が狂うと、ホルモン分泌が不安定になりやすくなります。

ストレスの影響

慢性的なストレスは、ホルモンバランスを崩し、生理周期やPMS症状を悪化させることがあります。

生活習慣の乱れ

食事の不規則さ、睡眠不足、運動不足なども影響します。

これらの要因が重なることで、PMSが長引いたり、生理痛が重くなったりすることがあります。

ピルを検討する前に知っておきたいこと

ピルの服用を検討しているのですね。ピルにはいくつかの種類があり、ご自分に合ったものを選ぶことが大切です。

ピルのメリットには、次のようなものが挙げられます。

  • 生理周期が安定する
  • PMSや生理痛の軽減
  • 経血量の減少
  • ホルモンバランスの調整により、体調が整いやすくなる

お薬ですから、もちろん副作用が出ることもあります。特にピルを飲み始めてからの2~3か月間は、副作用(吐き気、頭痛、むくみなど)を感じることがあります。しかし、多くの場合は3か月程度で体が慣れるといわれています。

その期間を過ぎても体調がすぐれないときは、医師と相談してピルの種類を変更するなど検討しましょう。

「ピルを飲んでいたら妊娠しづらくなるのでは?」と不安に思う方も多いですが、ピルをやめた後の妊娠率は、飲んでいなかった人と変わらないとされています。むしろ、ピルを服用することでホルモンバランスが整い、普段の生活が楽になってお仕事に集中しやすくなり、仕事もプライベートも楽しめるようになる方も多くいらっしゃいます。

ピルは自己判断ではなく、婦人科の医師と相談しながら、自分に合うものを見つけることが重要です。ご自分のPMSや生理中の体調不良にピルが適応可能か、一度勇気を出してご相談に行ってみてください。

仕事と生理のストレスを軽くする「ストレスコーピング」

生理不順やPMSの悩みを抱えながら仕事をすることは、大きなストレスです。ここからは、ストレスと上手に付き合う方法、「ストレスコーピング」についてお伝えします。

ストレスコーピングとは、ストレス対処法のこと。ストレスそのものだけでなく、コーピングを意識することで、少しでも負担を軽減することができます。

<多くの方に効果的なストレスコーピングの代表例>

1.リラクゼーションを取り入れる

 深呼吸、瞑想、アロマセラピーを試してみる。

2.軽い運動を習慣化する

ヨガやストレッチを取り入れ、むくんだ身体をすっきりさせる。

3.気持ちを書き出す

日記やメモに感情を思いきり書き出し、気持ちの整理をする。

4.生活リズムをできる範囲で整える

夜勤があっても、なるべく決まった時間に食事を摂る。それができたら、自分を思いきり誉める

5.10分間無心で掃除する

水道やサッシの隙間など、細かなところを10分間無心で掃除する。

ストレスコーピングには、感情を吐き出すタイプのもの、現実逃避するタイプのもの、問題と解決に真っ向から向かっていくタイプのものなど、いくつかの種類があります。

どれか一つの種類に片寄らせることなく、できるだけ多くのバリエーションを持つようにしましょう。ほんのちょっとした行動で良いので、自分の気持ちが楽になる行動を見つけ、コーピングの引き出しを増やしていきましょうね

生理不順やPMSの悩み、ひとりで抱え込まないで

生理不順やPMSの悩みは、決してひとりで抱え込む必要はありません。夜勤や不規則な勤務があるからこそ、少しでも楽になれる方法を見つけていただきたいと思います。

ピルは、生理不順やPMSの改善に役立つ選択肢のひとつですが、最終的な判断は、自分の体調や価値観と向き合いながら慎重に決めていくと良いでしょう。
不安なことがあれば、一度婦人科で相談してみることをおすすめします。あなたの体と心が少しでも楽になる選択ができるよう、応援しています。

回答者:臨床心理士、がん・生殖医療専門心理士

生理・PMS・更年期・妊娠・出産・女性特有のがんなど、女性の健康課題やライフイベントに関するご相談を専門にしています。セックスレスや性交痛、パートナーとのコミュニケーションなど、性のお悩みについてもカウンセリングを担当しています。女性特有の心と身体の問題、なかなか人には話せないプライベートなお困りがあれば、是非お気軽にご質問ください。


専門家がこたえます!お悩み募集中です

「知ってハレばれ お悩み相談室」にお悩みをお寄せください。

毎月ピックアップさせていただいたお悩みとその回答を、「知ってハレばれ お悩み相談室」の記事で公開いたします。下記のフォームからお悩みをお寄せください(匿名でお寄せいただけます)。

記事をシェア
あなたのお悩みを募集中。

あわせて読みたい

トップ > 新着記事一覧 > 生理不順やPMSがつらい…ピルを試すべき?【お悩み相談室】