PMSにピルor漢方?副作用と効果の違いとは【お悩み相談室】

生理・PMS
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今回はPMS対策でピルを飲んでおられましたが、副作用に悩み、内服をやめたもののPMSが再燃し再開するか検討されている20代女性からのご相談です。漢方にしようか考えられているようです。

PMSの薬や対策について薬剤師がお答えします。

PMSがひどく、ピルを内服していました。PMSの症状は良くなったものの副作用の吐き気や嘔吐がありましたが、3カ月くらいで慣れてくるからとかかりつけの医師に言われましたが、慣れないし3カ月間吐き気や嘔吐に悩まされ…ピルを飲むことを諦めました。でもピルを辞めたらPMSが再燃…ピルを再開するか悩んでいますが、またあのひどい副作用が待っていると思うと怖くて…色々自分でも調べてみたのですが、PMSに効く漢方があることを知りました。漢方はピルと違ってすぐに効果が出るわけではなく、長く内服して効果を待つそうですね。どのくらいで効果が出てくるのか、ピルとの違いを教えていただけますか?

(20代、女性、ハンドルネーム:納豆巻き、職種:営業)


自分に合っている治療法を見極める

PMSの症状を抑えるためにピルを服用していたものの、吐き気などの副作用がつらく、服用が継続できなかったのですね。体調を安定させるために服用した薬でかえって体調が悪化してしまうと、再び服用することに不安を感じるのは当然のことだと思います。

PMSの症状がつらく、日常生活に支障をきたすほどであれば何らかの対策を講じる必要がありますが、同時に「どの治療法が自分に合っているのか?」を見極めることも大切です。

ピルはホルモンを直接補うことでPMSの症状を抑える薬ですが、副作用として吐き気や不正出血が生じることがあります。医師の説明のとおり、多くの場合は服用を続けるうちに薬の成分に体が慣れ副作用症状が落ち着くことが一般的ですが、すべての人に当てはまるわけではなく、なかには長期間副作用が続いてしまう人もいます。

ピルを再開するか迷われているとのことですが、ピルには種類がありそれぞれホルモンの配合バランスが異なります。そのため、別の種類を試すことで副作用が軽減される可能性もあります。吐き気が強い場合には低用量のものや違う配合のピルを選択することで改善が期待できるため、再開を検討する場合は医師と相談しながらご自身に合った薬を選ぶことが重要です。

漢方薬による体質改善を試みる選択肢も考えて

一方で、ピルの再開に不安がある場合、漢方薬による体質改善を試みるという選択肢もあります。漢方薬はホルモンを補うのではなく体全体のバランスを整えることで症状を和らげるアプローチをとるため、即効性は期待しにくいですが、長期的な体質改善につながる可能性があります

一般的に、漢方の効果を実感するまでの期間には個人差がありますが、体質に合えば比較的早く変化を感じることもあります

PMSに対してよく使われる漢方には、加味逍遙散(かみしょうようさん)や桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などがあります。加味逍遙散は、PMSによるイライラや気分の浮き沈み、不眠などが強い場合に適しており、ストレスが影響しているタイプのPMSに効果が期待できます。桂枝茯苓丸は、血流が滞りやすく、冷えやむくみ、生理前の頭痛がある場合に向いています。このほか、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は冷えや貧血傾向がある方に、抑肝散(よくかんさん)はイライラや不安感が強い方に適しているとされています。

ご自身の体質に合った漢方薬を服用することが症状改善につながるため、まずは専門家に体質を診てもらったうえで服用を開始することが望ましいですね。

漢方薬のメリットは、ピルのようにホルモンを直接補うわけではないため、吐き気や嘔吐といった副作用が比較的少ないことです。しかしながら漢方薬も体質に合わないとアレルギー反応や胃腸の不調といった副作用を引き起こすことがあるため、服用を開始したら体の変化をよく観察し、違和感があれば医師や薬剤師に相談することが大切です。

無理なく続けられる方法を見つけることが大切

ピルと漢方薬にはそれぞれメリットとデメリットがあり、どちらが適しているかは個々の体質やライフスタイルによって異なります。PMSの症状をすぐにでも抑えたい場合はピルの種類を変えて再開するのも一つの方法ですし、長期的に体質を整えて根本的に改善したい場合は漢方を試すのもよいでしょう。

どちらを選ぶにしても、無理なく続けられる方法を見つけることが大切です。ピルを再開する場合でも、一度違う薬を試してみる、あるいは吐き気止めを併用するなどの工夫によって、副作用を軽減できる可能性もあります。また、漢方薬を選ぶ場合も、自分の体質に合ったものを専門家に相談しながら選ぶことでより高い効果が期待できるでしょう。

PMSの症状が強いと、仕事や日常生活にも大きな影響が出てしまい、とてもつらいですよね。体調をコントロールするためには、ご自身の体と向き合いながら無理なく続けられる方法を見つけることが大切です。ご自身に合った解決策を見つけられることを願っています。

回答者:薬剤師

病院の産科病棟で勤務した経験をもとに、主に妊活~授乳期にかけての薬の飲み合わせやお子さんの予防接種についてのご相談を専門にしています。私たちの日常のそばにある薬だからこそ、正しく使っていただきたい、そんな思いで回答しております。薬について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。


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