PMSが急に悪化?体と心の不調の対処法とは【お悩み相談室】

ここ半年でPMSの症状が急激に悪化し、頭痛や吐き気、精神的な不調に悩まされているという20代女性からのご相談です。産婦人科を受診すべきか迷っているようです。
PMSへの向き合い方や、セルフケア、受診の目安について看護師がアドバイスします。
ここ半年ほど、月経前になると体調が大きく崩れるようになり困っています。
具体的には頭痛や吐き気、肩こり、めまい、胃の不調、強い眠気、そして精神的にもイライラや落ち込みが激しくなり、自分が自分じゃないみたいで心配で…中でも頭痛と吐き気がつらく、眠れない日もあります。これまでPMSの症状はほとんどなかったのですが、最近の不調が続くと、病院に行くべきか悩みます。PMSで受診しても大丈夫でしょうか。産婦人科は妊娠してから行くものというイメージがあり、PMSで受診して迷惑かなと思ってしまいます。
(20代、女性、ハンドルネーム:maa、職種:販売・サービス)
最初に
「また今月もあのつらさが来るのかと思うと、気が重い」そのような思いを抱えながら、日々の生活をなんとかこなしてこられたのではないでしょうか。
頭痛や吐き気、肩こりやめまい、胃の不快感に加えて、強い眠気。身体の不調だけでも十分つらいのに、気持ちの面でもイライラしたり、落ち込んだり、自分が自分じゃないような感覚になってしまう。それが毎月繰り返されるのは、本当に辛いことだと思います。
特にこれまでPMS(月経前症候群)の症状を感じたことがなかったという方にとっては、「どうして突然こんなふうになったんだろう」と不安や戸惑いも大きいですよね。
体の不調だけでなく、心もついていかなくて、気づいたら涙が出ていた…そのような経験をされているかもしれません。
そして、「PMSで産婦人科に行ってもいいのかな」「迷惑に思われないかな」といった遠慮や躊躇も、誰もが一度は感じるものです。
でも、今感じているつらさは、けっして小さなことではありません。“がまんすればそのうち治る”というものでもないからこそ、ちゃんと向き合ってほしいのです。こうして相談してくださったことが、まずはとても大きな一歩であなたが、自分自身を大切にしようとしている証です。
自分の体調の波を知っておく
今のように心身がつらい状態が続くときこそ、無理にがんばりすぎるのではなく、「どうすれば少しラクに過ごせるか」を探ってみることが大切です。
PMSやそれに似た症状は、ホルモンバランスの影響だけでなく、生活習慣の乱れやストレス、自律神経のゆらぎなど、いくつかの要因が重なって起こることがあります。
そんなときに役立つのが、自分の体調の“波”を知っておくこと。
たとえば、毎月の体や心の変化を簡単に記録しておくと、「この時期に不調が出やすいな」とわかるようになって、対策もしやすくなります。スマホのアプリや、手帳の片隅など、気軽に続けられる方法で大丈夫です。
また、自宅でできるセルフケアもぜひ取り入れてみてください。
たとえば、湯船にゆっくり浸かって体を温めること。
お気に入りの香りを使って深呼吸すること。
心地よいストレッチや軽い運動、ヨガのような動きで体をほぐすこともおすすめです。
このようなセルフケアは、自律神経を整えることに役立ち、心身がリラックスしやすくなるといわれています。
それに、少しでも「気持ちいい」「ホッとする」と思える時間があると、それだけで次の日の感じ方も変わってくるものです。大がかりなことをする必要はありません。小さな“自分への優しさ”を積み重ねていくことが、あなたのリズムを取り戻す一歩になります。
産婦人科はPMSのつらさに対してもしっかりと診てもらえる場所
「産婦人科って、妊娠や出産のときに行く場所でしょ?」と思ってしまう方は多いですが、実際には月経不順や生理痛、そして今回のようなPMSのつらさに対しても、しっかりと診てもらえる場所です。
むしろ、月経前の不調で受診される方はとても多く「こんなことで…」とためらう必要はまったくありません。
医師は、症状の内容やタイミング、生活への影響を丁寧に聞いてくれて、必要があればホルモンバランスのチェックなども行いながら、あなたに合った対処法を一緒に考えてくれます。
「薬はちょっと抵抗があるな」という場合は、その気持ちも素直に伝えて大丈夫です。生活習慣の改善やセルフケアを中心にした提案をしてもらえることもあります。
実際、PMSやそれに似た症状は、ホルモンバランスの変化に加えて、ストレス、生活習慣の乱れ、自律神経のゆらぎなど、いくつかの要因が重なって起こると考えられています(※)。
そのため、「規則正しい生活を送り、十分な睡眠をとり、軽い運動を取り入れるように心がける」ことが、症状の改善につながる可能性があるとされています(※)。
毎日の生活リズムを整えるだけでも、体と心のバランスが保たれ、PMSのつらさがやわらぐこともあるのです。
最後に
忙しさの中で難しい日もあるかもしれませんが、まずは「しっかり眠る」「決まった時間に食事をとる」「歩く・体を動かす」など、できるところから少しずつ整えていくことで、からだの声が聞き取りやすくなってくるかもしれません。
毎月の不調をただ“耐える”のではなく、「どうしたら少しでもラクになれるか」をに考えていくことが体を楽にして、過ごしやすくなるポイントだと思います。
今回のアドバイスがお役に立てれば幸いです。
<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています
公益社団法人 日本産科婦人科学会
▶月経前症候群(PMS):https://www.jsog.or.jp/citizen/5716/
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