生理中も続く不調…それってPMS?原因と対策とは【お悩み相談室】

生理・PMS
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今回は、最近、生理中もPMSのような不調が続いていると不安を感じている20代の女性からご相談をいただきました。生理中に動悸や息苦しさを感じることもあるそうです。

PMSの症状が生理中に出ることはあるのか、ホルモンバランスとの関係性や、日々の過ごし方について助産師が詳しくお答えします。

ここ最近、生理中の体調不良が気になっています。先月は気分が落ち込みやすく、体もだるくて一日中寝込んでしまうことがありましたが、数日経つと不思議と症状は消えました。PMSの症状だと思うんです。普段は生理が来たらPMSの症状は一切なくなるんです。ただ、最近は生理中もPMSの症状が続いていて…今月は精神的には安定しているものの、突然胸がドキドキしたり息苦しく感じたりすることがあります。これらの不調は時間帯によって現れたり収まったりします。こうした症状はホルモンバランスが関係しているのでしょうか?生理中もPMSの症状が出るのは普通なのでしょうか

(20代、女性、ハンドルネーム:ぷん、職種:営業)


最初に

ぷんさん ご相談ありがとうございます。

今までは月経前の時期の気分の落ち込みや身体のだるさなどのPMSの症状は月経がくれば落ち着いていたのに、最近はそれらの症状が月経中も続いているのですね。そして、それらの不調がホルモンバランスによるものなのか気になっておられるのですね。ご自分の体調の変化に気づいておられること、とても素晴らしいです。

PMSの症状や程度、期間などは人それぞれ違う

一般的にPMSは月経がくると症状がなくなる、と言われますが、実は月経3~10日前から起こる様々な不調で、月経開始4日以内に軽快ないし消失するのが特徴といわれており、月経中も続いているのは、PMSの範囲内となります

しかし、今まではなかったものが急に症状としてあらわれると、不安になりますよね。ですので、今回は、PMSの原因と考えられるものをお伝えさせていただき、症状がある時の過ごし方について、ぷんさんが考えるきっかけになればと思います。 

ご存じかもしれませんが、PMSの症状やその程度、そして月経周期の中でいつからいつまでそれらの症状がでるのかも人それぞれ違います。実は日本人女性の70~80%の人が月経前に何らかの不調を自覚しており、その内5%は重い月経前症候群で日常生活に困難を感じているそうです。(※1)

PMSのはっきりとした原因はわかっていませんが、女性ホルモンの変動が影響していると考えられています。女性の月経周期では、月経がきて、卵巣の中で卵子が成長し、十分に成長した卵子が卵巣から排卵した後、排卵から次の月経がくるまでの間(黄体期と呼びます)には、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という2種類の女性ホルモンが多量に分泌されます。


この黄体期の後半では、血液中のエストロゲンとプロゲステロンが急激に低下すると、脳でホルモンや神経伝達物質のバランスが乱れ、心身の不調があらわれると言われています。

しかし、脳内のホルモンや神経伝達物質は、女性ホルモン以外にもストレスなど様々な要因の影響を受けており、PMSはいくつもの要因が重なって発症すると考えられています。(※1)

ですので、最近の不調がホルモンバランスによるものだけなのかどうかは、判断が難しいのが実際です。

そこで、PMSの症状が月経がくれば和らいでいた時期と、ここ最近の月経中もPMSの症状が続いている時期とでの生活やぷんさんの体調を思い出して、比較してみてください。

営業というご職業柄、相手の方がおられることなので、当然ストレスもあり、忙しさの波もあるかと思います。もちろん、仕事以外にもストレスや身体に負担がかかることもあるかと思います。

もし、以前と最近のご自身の生活を振り返った時に、何らかの負担が増すようなことがあったのであれば、そのことがPMSの症状が月経中も続く要因となっている可能性があります

しんどいときは頑張りすぎない

不調が起こらないことが1番望ましいですが、それでもご自分ではどうしようもできないこともあると思います。そういう時は、不調の原因を探すことはもちろんですが、今回のぷんさんのように『しんどい』という状況に気づき、ご自分を労わることが大切だと私は思います。

しんどい時は頑張り過ぎず、いつもよりも時間にゆとりをもったスケジュールを立て、ご自身がゆったりと過ごせる時間を積極的にとって休むようにしてください

胸がドキドキしたり、息苦しく感じるときは、軽く目を閉じて鼻から息をゆっくりと吸って、口からゆっくりとはく、という深呼吸を数回してみましょう。また、可能ならその時に手を組んで吸気の時にぐ~っと身体を上に伸ばし、呼気の時に組んでいた手を放し脱力する、という動作もやってみてください。緊張している心身が少しほぐれやすくなるかと思います。 

最後に

日本人女性の多くが未だにPMSを含めた月経に伴う不快症状を我慢する傾向がありますが(※2)、ご自身にとって生活に支障をきたし、日常の過ごし方の見直し(セルフケア)で改善されないのであれば、人と比べたり、我慢し続けることなく産婦人科の受診を検討いただければと思います。 

今回ぷんさんがご自身の体調の変化に気づき、このようにご相談いただいたことが、今後の月経前後の不調時の過ごし方の変化や症状の緩和につながれば嬉しいです。

<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています

公益社団法人 日本産科婦人科学会
▶月経前症候群(PMS):https://www.jsog.or.jp/citizen/5716/

NHKシチズンラボ
▶生理でつらくても産婦人科に行かないのはどうして?:https://www.nhk.or.jp/citizenlab/seiri/seiri2_result.html

<本記事の回答者>

谷村弥生

助産師/保健師/公認心理師

所属:株式会社ファミワン

産婦人科での様々な年齢層の方と関わっている勤務経験から、月経やホルモンバランスの乱れにより起こる症状や、病院受診を迷う症状、人に相談しにくいお悩みについて、あなたと一緒に考えていきます。もちろん心理的なお悩みも遠慮なくご相談ください。皆さんのフェムケアを応援したいと思っています。


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