生理前の微熱とだるさ…社会人になって休めないPMS期をどう乗り切る?【お悩み相談室】

生理・PMS
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今回は、生理前になると微熱やだるさ、ふらつきがありながらも、来客対応や通勤で気を張り続けていることに疲れたという20代女性からご相談をいただきました。

生理前の不調とどう向き合い、無理なく働き続けるためのセルフケアの工夫について、看護師がアドバイスします。

生理前になると体調が悪くなりやすいです。毎回37.3度前後の微熱が出て、だるさとたまに貧血なのかふらつきがあります。総務部にいるんですが、職場では来客対応や郵便処理が多くて頻繁に立ち歩かなければならなくてしんどいです。体調が悪いのにお偉いさんの打ち合わせで笑顔でお茶出ししなきゃいけないのも、粗相のないように気を張るのも疲れました…。朝の通勤もぎゅうぎゅうの満員電車で40分立ちっぱなしが地味にこたえます。学生の頃は学校を休めたけど、社会人になってからは気軽に休めないしずっと気を張っている感じがします。しんどい中がんばるしかないんでしょうか。

(20代、女性、ハンドルネーム:きょん、職種:事務・オフィスワーク)


最初に

生理前になると、体が重くだるくなったり、微熱やふらつきが出てきたりするのですね。

そのような中で、会社の中を動き回ったり、人と接したりしながらいつも通りに仕事をこなすのは、思っている以上にエネルギーが必要なことですね。

周りにはいつも通りに見せようとして、しんどさを抱えながらも笑顔で接している毎日。
その背景には、「迷惑をかけたくない」「大人としてきちんとしていたい」という気持ちがあるのかもしれません

朝の満員電車で立ったままの通勤や、職場での細かな気配りも重なって、気がつけば心も体もぐったりしていることもあるのではないでしょうか。

学生のころなら少し休んでいたかもしれないけれど、社会人になるとそうもいかなくて、「またがんばらないと」と自分を奮い立たせてきた日々。
頑張ることはとても大切で素晴らしいことですが、これからはその頑張り方を少しだけ変えて、自分をもっと大切にする方向に向けてみませんか
そうすることで、生理前の辛い期間がもっと楽になっていくかもしれません。

日常の中で自分をいたわる工夫を取り入れて

毎月の生理前の辛さをただ我慢してやり過ごすのではなく、「どうしたら少しでも楽になれるかな」と、自分を思いやる視点をもってみることも大切です。

たとえば、出勤時間を少し調整できないか上司に相談してみることや、体調が優れない日はできるだけ座れる仕事を選ぶなど、ほんの少しでも自分にやさしい選択をすることが、日々の安心感につながります。

また、アプリや手帳で体調の記録をつけておくと、自分のサイクルが見えやすくなり、心の準備もしやすくなります
この時期はしんどくなりやすいから、無理はしない」「人と比べず、少しゆっくり過ごす」そんなふうに、自分への接し方を変えていくことが、じわじわと心と体の軽さにつながっていきます。

女性ホルモンと心と体のつながり

生理前に起こる心と体の不調には、女性ホルモンの変化が関係しています。
排卵後には黄体ホルモン(プロゲステロン)が分泌され、基礎体温が0.3〜0.5度ほど上がることがあります(※1)。
また、ホルモンの変動にともなってセロトニンという神経伝達物質の分泌が低下しやすくなるため、気分の落ち込みや睡眠の質の低下が起こりやすくなるのです(※2)。

毎日に取り入れたい簡単セルフケア

生理前の不調時期には、セルフケアで自分をゆるめる時間を少しでも持つことで、心と体が少し楽になるかも知れません。

アロマの香りに包まれる

ラベンダーやゼラニウム、クラリセージなどの精油には、自律神経を整える作用があると言われています。
ティッシュに1滴垂らしてデスクの引き出しに入れておくだけでも、ふわっと香って心がほどけます。

ハーブティーで内側から整える

カモミールやラズベリーリーフ、ジンジャーのハーブティーは、体をあたためながら心の落ち着きもサポートしてくれます。
忙しい日でも、3分だけお湯を注いで、ゆっくり深呼吸をしながら飲む時間は、自分を大切にするひとときになります。

温めて、ゆるめる

目元をホットアイマスクや蒸しタオルで温めると、頭がすーっと落ち着き、呼吸が深まります
また、カイロや湯たんぽでお腹や腰をじんわり温めることも、体のこわばりをやわらげ、安心感をもたらしてくれます

ストレッチとマッサージで流れを整える

ふくらはぎや首・肩をゆっくり伸ばしたり、手のひらや足の裏をやさしくマッサージすることで、血流が良くなり、体の重さが少し軽くなるのを感じられることがあります。


こうしたセルフケアに加えて、「今日は、ちょっとだけ自分を甘やかす日」と決めることも、大切なセルフマネジメントのひとつです。
何かをがんばったご褒美としてではなく、「しんどいから休む」「何もできなくても、それでいい」と思えることが、未来の自分を助ける土台になります。

つらさが強いときは婦人科に頼っていい

それでもつらさが強くてどうにもならないときは、婦人科に相談することも大切です。
ホルモンバランスや鉄分不足などを調べてもらえたり、体質に合った低用量ピルや漢方薬などで症状をやわらげる選択肢もあります。
「病気ではないから…」と我慢するのではなく、日常生活に影響を感じているなら、それは十分な受診理由です

最後に

できることから少しずつで構いません。これからは頑張りすぎずに、自分をいたわることも大切にしていけたらいいですね。

毎月を少しでも軽やかに過ごしていけるように応援しています。

<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています

厚生労働省「女性の健康推進室ヘルスケアラボ」
▶月経と基礎体温の関係:https://w-health.jp/fetation/temperature/※1

厚生労働省
▶働く女性の健康課題とその対策:https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/001233454.pdf※2

<本記事の回答者>

加藤早紀

看護師/体外受精コーデイネーター

所属:株式会社ファミワン

不妊治療専門のアドバイザーとして、妊娠を望む方に寄り添いサポートしています。看護師や体外受精コーディネーターとしての経験をもとに、治療の選択やライフスタイルの見直し、心と体のケアまで総合的にご提案。あなたの妊活が前向きなものになるよう、丁寧にお手伝いさせていただきます。


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