生理のたびに腰が痛い。毎月を少しでも楽に過ごすには【お悩み相談室】

生理・PMS
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生理のたびに強い腰痛があり、立ち仕事や家事・育児をこなすのがつらい30代女性からのご相談です。痛み止めや温めなど工夫しても改善せず、不安と疲れで気持ちも沈んでしまうとのこと。

腰痛の背景にある原因や、セルフケア・受診の目安について、看護師がアドバイスします。

生理が来るたびに腰が痛くて動くのもしんどいです。昔から生理痛はあるほうでしたが、ここ半年くらいは特に腰のだるさや重さがひどく、ひとりで家事や育児をこなすのが本当に大変です。
飲食店で勤務しているので、基本はずっと立ち仕事。個人店でスタッフが少ないので、生理中でも急に休むわけにはいかず、痛みをがまんして出勤しています。

痛み止めを飲んでみたり、骨盤ベルトを試してみたり、温めたりといろいろ工夫はしているのですが、なかなか楽にならず、だんだん気持ちも沈んできてしまいました。

誰かに相談するほどのことじゃないかなと思いつつ、つらい日は本当につらくて
どうしたらこの時期を少しでも楽に過ごせるのか、アドバイスがほしいです。

(30代、女性、ハンドルネーム:ナポリタン、職種:飲食)


最初に

生理が来るたびに、腰の奥がずーんと重たくなって、立っているのもしんどくなる。
そんななか、休むこともできずに仕事に立ち続け、帰ってからも家事や育児に追われる日々……本当に、おつかれさまです。

「これくらいのことで相談するのは大げさかな」と思いつつも、言葉にしてくださったこと、それ自体がとても大事なことだと思います。
もう十分にがんばってきた証拠です。

痛み止めを飲んだり、骨盤ベルトや温める工夫をしてみたり。
それでもなかなか楽にならないと、「自分の努力が足りないのかな」と思ってしまうこともあるかもしれません。
でも、それは決してあなたのせいではありません。
ちゃんと向き合って、工夫を重ねてきたからこその今。
よくここまでがんばってこられましたね。


生理痛は個人差が大きいので、まわりと比べて「私だけ弱いのかな」と感じてしまうこともあります。
でも、毎月のことだからこそ、つらさに向き合っていいんです
「もうちょっと楽になれたらいいな」と願うことも、遠慮しなくて大丈夫です。

腰痛を「楽に過ごす工夫」を見つけよう

今のつらさを少しでも和らげるには、「痛みを完全になくす」ことよりも、「少しでも楽に過ごせる工夫を重ねていく」ことが現実的かもしれません。


たとえば、
・生理が重い日は「今日はやらない家事」をあらかじめ決めておく
・今のケアを大切にしながら、調子に応じて試せそうなことを少しずつ増やしていく
・何ヶ月もつらい痛みが続いているようなら、いちど婦人科で相談してみる


自分の心と身体を守る選択肢を持っておくことは、安心材料になります。
毎月くるしんどさの波に、少しでも余白や逃げ道ができたら、それだけで過ごし方が変わってくることもあります。


また、体の痛みに引っ張られて気持ちが落ち込むのは、自然なことです。
身体と心はつながっているからこそ、痛みのある日は気持ちのエネルギーも減ってしまいます。
そんな日は、無理に元気になろうとせず、短い時間でも「ほっとできる瞬間」を作ってあげることが大切です。

生理時の腰痛原因とセルフケアの工夫

生理の時の腰痛は、子宮の収縮や骨盤まわりの血流の悪さ、筋肉のこわばりなどが関係していることがあります。
立ち仕事が多い方は、血の巡りが滞りやすく、腰への負担も大きくなりがち。
だからこそ、少しでも「めぐり」を良くする工夫が効果的です。


たとえば:
腰やお腹を温める(貼るカイロや湯たんぽなど。肌に直接貼らないように注意)
・1時間ごとに、かかとの上げ下げや足首を回すなど軽い運動を取り入れる
痛み止めは、痛みが強くなる前に早めに飲んだ方が効きやすいことが多いです(※1)


それでも痛みが強くて、日常生活に支障が出る場合や、半年以上つらさが続いている場合は、子宮内膜症や子宮筋腫といった病気が隠れている可能性も考えられます(※2,3)。

「検査しても何もなかったら…」とためらう気持ちも分かりますが、何もなければそれも安心の材料になりますし、何か原因があれば、その分対策が見えてきます。

治療には、低用量ピルやホルモン療法、漢方など、さまざまな方法があります。
あなたの生活や体質に合った方法を、医師と一緒に見つけていけると安心ですね。

最後に

「これくらいで弱音を吐いちゃダメ」と、自分を無理に強くしようとしなくて大丈夫です。
毎月のしんどさの中で、誰にも言わずに耐えてきたあなたは、もう十分すぎるほどがんばっています。

これからは少しずつ、「自分を楽にする選択」を増やしていけますように
あなたが安心して過ごせる日が、ひとつでも増えていきますように。

心から応援しています。


<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています

公益社団法人 日本産婦人科医会
▶月経困難症:https://www.jaog.or.jp/note/(1)月経困難症/※1

公益社団法人 日本産科婦人科学会
▶子宮内膜症:https://www.jsog.or.jp/citizen/5712/※2
▶子宮筋腫:https://www.jsog.or.jp/citizen/5711/※3

<本記事の回答者>

加藤早紀

看護師/体外受精コーデイネーター

所属:株式会社ファミワン

不妊治療専門のアドバイザーとして、妊娠を望む方に寄り添いサポートしています。看護師や体外受精コーディネーターとしての経験をもとに、治療の選択やライフスタイルの見直し、心と体のケアまで総合的にご提案。あなたの妊活が前向きなものになるよう、丁寧にお手伝いさせていただきます。


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