PMSに効く?エクオールのサプリについて知りたい!【お悩み相談室】
今回は、PMS対策にエクオールのサプリを試したい30代女性からのご相談です。エクオールが本当に効くのか、また、エクオールを自分の体内で作り出すことができたとしたら、過剰摂取になってしまうのではないかと気になっているようです。
エクオールの効果や過剰摂取について看護師がお答えします。
PMSの症状を少しでも軽くしたくて、エクオールのサプリを試すべきか迷ってます。本当に効果ありますか?
生理前になると、気分の浮き沈みやイライラがやばくて、同僚や家族に負担かけてるなぁと感じるのでなんとかしたいです。
もともと大豆製品は好きでよく食べてるけど、自分の体がエクオールを作れるタイプなのかは知らない。検査キットもあるみたいだけど、調べてから決めた方がいいんでしょうか?
もし作れるタイプでそこにサプリまで採ったら…過剰摂取で問題がないのかとか心配です。
(30代、女性、ハンドルネーム:紬、職種:事務・オフィスワーク)
最初に
生理前になると、気分の浮き沈みやイライラが強くなり、自分でもどうにもならなくてつらいと感じることがありますよね。
周りに当たってしまったり、落ち込みが続いたりすると、「また迷惑をかけてしまった」と自己嫌悪になることもあると思います。
そんな中でも「少しでも楽になる方法はないかな」と探しているのは、自分の体を大事にしたい気持ちと、周囲への思いやりがあるからこそなのだと思います。
大豆製品を普段から取り入れていて、さらにエクオールのサプリを摂取しようとお考えなのですね。
それ自体が、しっかりとご自身のお身体のことを考えた上での行動だと思います。
エクオールが体内で作れるかを知ろう
エクオールを試すときに一つの目安になるのが「自分の体がエクオールをつくれる体質かどうか」です。
日本人女性は約2人に1人しか産生できないとされ、体質によってサプリの効果が変わる可能性があります(※1)。
もしも心配なら、エクオール検査キットを使って調べてみるのも安心につながります。
自宅でできる簡単な方法なので、「体質を知った上で取り入れたい」と思う方にはよい手段です(※2)。
もちろん、検査をせずに少量から始め、1〜2周期ほど気分や睡眠などの変化を記録する方法も現実的です。
大切なのは「無理なく安心して続けられる方法」を自分で選ぶことです。
サプリは万能薬ではなく“足りない部分を支えるもの”と捉えると、過剰摂取への不安も和らぎます。
大豆製品とエクオールの関係を知る
エクオールは大豆イソフラボンが腸内細菌によって変換される成分で、女性ホルモン(エストロゲン)に似た働きを持ちます。
生理前に気持ちが不安定になったり、体が重く感じたりするのは、ホルモンの変動に心も体も揺さぶられているからです。
エクオールはその揺れをやわらげ、バランスを少し整えてくれる役割が期待されています。
研究でも、エクオールを産生できない女性はPMSやPMDD(生理前不快気分障害)になるリスクが2.4倍高いと報告されています(※3)。
また、産生者は月経前の精神的症状が生活に影響しにくい傾向も示されています(※1)。
サプリは生活習慣との組み合わせが鍵
ただし、サプリだけに頼る必要はありません。
むしろ生活習慣との組み合わせがとても大切です。
毎日同じ時間に寝て起きるようにして、睡眠のリズムを整えること。
夜はスマホを早めに手放し、眠りやすい環境をつくること。
軽いストレッチや散歩で血のめぐりを良くすると、体の緊張がやわらぎ、気分も落ち着きやすくなります。
また、体を冷やさないように温かい飲み物やお風呂で体を温めることも、ホルモンの変化に対応する力をサポートしてくれます。
気をつけたいのは、エクオールを含むサプリや大豆食品を知らないうちにたくさん摂りすぎてしまわないようにすることです。
大豆イソフラボンには一日の目安量があり、普段から納豆や豆乳をよく食べている方が高容量のサプリを加えると、必要以上になってしまう場合があります。
現時点で大きな健康被害は報告されていないという点は安心材料ですが、ホルモンに関わる成分なので、婦人科系の持病がある方や妊娠を考えている方は、安心のために一度医師に相談してから取り入れるとより安心です。
食事面では、玄米や豚肉などビタミンB群を含む食品、ナッツや海藻などマグネシウムを多く含む食品、カルシウムが豊富な乳製品や小魚などを意識してみましょう。
すでに大豆製品をよく食べているのであれば、それに加えてこうした食品を取り入れると、より体を支えてくれます。
自分の体を観察しながら、無理なく続けよう
実際にエクオールを取り入れるときには、「少しずつ」「様子を見ながら」がポイントです。
1〜2周期ほど、体や気持ちがどう変わるかをノートに書き留めると、客観的に効果を感じやすくなります。
「そういえばこの前より落ち込みが軽いかも」と気づけると、自信にもつながりますし、逆に合わないと思えばやめる選択もできます。
定期的に婦人科で相談しながら使っていくのも安心です。
PMSのつらさをゼロにするのは簡単ではありませんが、「少し楽に過ごせる日を増やす」ことはきっとできます。
サプリを取り入れることも、生活を見直すことも、すべてがあなたの体をやさしく支える方法です。
自分に合う工夫を積み重ねることで、毎月の憂うつな時期も少しずつ過ごしやすくなっていくと思います。
最後に
あなたが「なんとかしたい」と感じた気持ちを行動に移していること自体、とても大切な一歩です。
サプリも生活習慣の工夫も、すべては自分を助けるための選択肢。
無理なくできることから取り入れて、安心できる毎日に近づけるよう応援しています。
<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています
大塚製薬「エクエル公式サイト」
▶エクオールとは:https://www.otsuka.co.jp/eql/tab/equol/about.html ※1
株式会社ヘルスケアシステムズ
▶エクオール検査:https://hc-sys.com/service/equol/ ※2
近畿大学
▶大豆イソフラボン活性代謝物エクオール産生能とPMS/PMDDの関係について:https://www.kindai.ac.jp/news-pr/news-release/2016/11/008043.html ※3
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