妊娠中のかゆみ、塗り薬は使っていい?ステロイドは我慢すべき?【お悩み相談室】

妊娠・出産
記事をシェア


今回は、妊娠をきっかけに肌のかゆみや湿疹が悪化し、ステロイドの塗り薬を使ってよいのか悩んでいる30代の女性からのご相談です。

妊娠中の皮膚トラブルの特徴や、ステロイド外用薬の安全性、我慢しすぎないための考え方について、薬剤師がわかりやすくアドバイスします。

妊娠してから肌のかゆみや湿疹が出るようになり、ステロイドの塗り薬を使っていいのか迷っています。もともとアトピー体質で、以前から皮膚科で弱めのステロイドを処方されていました。

妊娠が分かってからは薬を使うのが怖くなり、かゆみを我慢していたらかえって悪化してしまって、眠れない夜もあります。
市販薬も使っていいのか分からず、病院で相談するにも「使わない方がいい」と言われるのでは…と不安で足が遠のいてしまいました。

妊娠中でも安全に使える塗り薬があるのか、ステロイドを使うときの注意点などを知りたいです。

(30代、女性、ハンドルネーム:蒼月こはる、職種:事務・オフィスワーク)


最初に

妊娠してから肌のかゆみや湿疹が強く出るようになり、眠れない日が続いているのですね。
もともとアトピーがあって弱めのステロイドを長く使ってきたはずなのに、妊娠が分かった途端に「本当に塗って大丈夫なのかな」と不安が大きくなる気持ち、本当によくわかります。

赤ちゃんのことを考えるほど慎重になってしまうし、病院で相談したら「使わないほうがいい」と言われてしまうかもしれない…
そんな心配があると受診に踏み出すのも難しくなってしまいますよね。

我慢しているうちに余計にかゆみが強まり、夜も落ち着かなくなるのは本当にしんどかったと思います。
同じように悩む妊婦さんは実は珍しくなく、きちんと対処すれば良くなることが多いので、どうかひとりで抱え込まないでほしいと思います。

妊娠中の皮膚トラブルを正しく理解する第一歩

まずは、「妊娠中でも安全に使える薬はちゃんとある」ということを知って、必要以上に薬を怖がらなくていい状態になれると安心かもしれません。
今の肌に合った治療を選べるようにしておくことが、かゆみのコントロールにもつながります。
また、妊娠中に起こりやすい皮膚トラブルにはいくつか種類があること、その特徴を知っておくと「これは自分に近いかも」と気づけたり、受診のときにも状況を伝えやすくなります。


日常の工夫としては、保湿の仕方や使いやすい保湿剤や衣類の素材なども知っておくと、症状の波に振り回されにくくなると思います。
市販薬については、成分によっては妊娠中に向かないものもあるので、
自己判断で購入するのではなく「今の状態に合う薬を専門家に選んでもらえるようにする」ことが安心につながるのかなと思います。

このように、まずは“怖さや不安を減らしたうえで必要なケアを選べる状態を目指せると、気持ちが少しラクになるのではないでしょうか。

妊娠中に起こりやすいかゆみの種類

妊娠中のかゆみには、いくつか代表的なタイプがあります。

皮疹がほとんど出ずひっかき傷だけが残りやすい妊娠性搔痒症」。
発疹を伴い夜間にかゆみが強くなりやすい妊娠性痒疹」。
妊娠後期に多くみられ蕁麻疹のようなぶつぶつが広がる「掻痒性蕁麻疹様丘疹(PUPPP)」。
そして最もまれですが、水疱(水ぶくれ)が出る妊娠性疱疹」。

どのタイプかを判断してもらうだけでも、その後の対処がしやすくなります。

妊娠中のステロイド外用薬はどう使われる?

治療の基本はステロイド外用薬です。
外用薬は局所で作用するため比較的赤ちゃんに影響しにくいため、妊娠中でも強さや期間を調整すれば安全に使用できます

我慢して症状を悪化させてしまうより、適切に塗ったほうが早く楽になることが多いです。
それでも症状が強い場合は、妊娠中でも使える抗ヒスタミン薬が追加されることがあります。

市販薬は自己判断せず、まずは専門家に相談を

市販薬については、成分が妊娠中に適さない場合や肌の状態によって刺激になることもあるので、まず受診して薬を選んでもらうのが安心です。
かゆみで眠れない状態が続くのはママにとっても赤ちゃんにとっても負担が大きくなってしまうので、早めに相談するとよいですね。

ステロイド外用薬の正しい塗り方とケアのコツ

ステロイドの塗り方は、入浴後の清潔な肌に、すり込まずそっと乗せるように塗るのがポイントです。
量は「人差し指の第一関節までの量」で、大人の手のひら約2枚分の広さに使える目安になります。

保湿剤を併用すると肌のバリアが整いやすく、かゆみも落ち着きやすくなります。

衣類は綿素材を選んだり、汗をかいたら早めに拭き取るなど、刺激を避ける工夫も役に立ちます。

最後に

かゆみが続いて生活に支障があるとき、発疹が急に広がるとき、水疱が出たときなどは、遠慮せず相談して大丈夫です。
病院は「怒られる場所」ではなく、今のつらさを軽くするための手段なので、どうか安心して頼ってくださいね


<参考文献・出典>
公益社団法人日本産婦人科医会
▶「妊産婦メンタルヘルスケアマニュアル」:https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/report_pdf/mentalhealth2021_L_s.pdf


<本記事の回答者>

北里大学薬学部卒業後、総合病院産科病棟で勤務した経験をもとに、主に妊活~授乳期にかけての薬の飲み合わせやお子さんの予防接種についてのご相談を専門にしています。私たちの日常のそばにある薬だからこそ、正しく使っていただきたい、そんな思いで回答しております。薬について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。


専門家がこたえます!お悩み募集中です

「知ってハレばれ お悩み相談室」にお悩みをお寄せください。

毎月ピックアップさせていただいたお悩みとその回答を、「知ってハレばれ お悩み相談室」の記事で公開いたします。下記のフォームからお悩みをお寄せください(匿名でお寄せいただけます)。

記事をシェア
あなたのお悩みを募集中。

あわせて読みたい

トップ > 妊娠・出産 > 妊娠中のかゆみ、塗り薬は使っていい?ステロイドは我慢すべき?【お悩み相談室】