3回の流産と不育症の診断…次の妊活が怖い。原因不明と言われた時に知っておきたい大切なこと【お悩み相談室】
今回は、3度の流産を経験し、不育症検査でも「原因不明」と診断された30代女性からのご相談です。
繰り返す悲しみの中で、次の移植への不安や仕事との両立によるストレスを抱え、自分を責めてしまっているようです。
流産の捉え方や、妊娠を支えるための心身の整え方について、体外受精コーデイネーターがアドバイスします。
今まで3回、胎嚢確認のみでの流産や心拍確認後の流産を経験し、不育症の検査をしましたが「原因不明」と診断されました。
原因不明の場合は、母体ではなく赤ちゃんに異常があったということでしょうか。
何度も流産を繰り返していて、再び移植するのにもまた流産してしまうのではないかと不安でいっぱいです。
仕事と不妊治療の両立ですごくストレスを感じているので、そう言ったことも不育症の原因になるのでしょうか。体質改善で直す方法などはあるのでしょうか。
(30代、女性、ハンドルネーム:リルル、職種:営業)
最初に
これまでに3回、胎嚢確認だけで終わってしまった妊娠や、心拍が見えた後の流産を経験されたとのこと。
その一つひとつに、期待と不安を抱きながら向き合ってこられたと思います。
妊娠が分かるたびに喜びが生まれ、そしてその分だけ喪失の苦しみも大きかったでしょう。
そんな道のりをここまで続けてこられたこと、本当に大変でしたね。
不育症の検査を受けても「原因不明」と言われると、何を信じていいのか分からなくなりますよね。
「自分の体に問題があるの?」「赤ちゃんに何か原因があったの?」と考えが巡り、答えが見つからないまま怖さだけが残ってしまう……その感覚はとても自然です。
仕事との両立も、本当に心が休まらない日々だったと思います。
治療の予定に合わせて働き方を調整したり、気を張り続けたり、その中で流産を繰り返す経験は、心にも身体にも大きな負担だったはずです。
まずは、その揺れる心をご自身でも「ここまでよく頑張ってきた」と優しく受け止めてあげてほしいのです。
「原因不明」でも妊娠への希望が隠されている理由
「原因不明」と告げられた時、胸の奥がスッと冷えるような感覚になったのではないでしょうか。
“何がいけなかったのか分からないまま、また同じ結果になってしまうのでは…”
そんな不安が膨らんでしまうのは、とても自然なことです。
でも、ほんの少し視点を変えてみると、この“原因不明”には別の意味もあります。
流産の多くは、赤ちゃん側で偶然起こる染色体の異常が背景にあると言われています(※1)。
これは誰が悪いわけでもなく、「自然に起こることがある」という性質のものです。
さらに、反復流産の検査を行っても、半数ほどは原因を特定できないままになることも分かっています(※2)。
これは、「異常が見つからない=妊娠を維持できる力が残っている可能性が高い」という捉え方もできるのです。
そしてもうひとつ大切なのは、
原因不明と診断された方でも、その後の妊娠が無事に継続するケースは珍しくない
ということです(※1※2)。
この事実は、リルルさんのこれからの道をそっと支えてくれるはずです。
「原因が分からない」からこそ不安になりますが、
「原因が分からない=次の妊娠が続かない」という意味では決してありません。
むしろ、希望はしっかり残されているのです。
赤ちゃんを迎える「土台」を育む身体づくり
妊娠の維持には、ホルモン・血流・自律神経など、身体のいろいろな力が関わっています。
妊娠を継続していくためには、赤ちゃんの発育だけでなく、母体となる身体の状態が安定していることもとても大切です。
身体が温かく、血流が整い、自律神経が落ち着いていることで、妊娠を支える土台がしっかりと働いてくれるからです。
妊娠を支える“身体の準備”として広く取り入れられているのは、次のようなシンプルな習慣です。
・やさしい運動(散歩・ストレッチ・ヨガなど)
・睡眠のリズムを整える
・バランスのよい食事を心がける
・冷えを防ぎ、体を温める生活を意識する
これらは特別なものではありませんが、身体の状態を整え、妊娠を続けるための“土台”を育ててくれる大切な習慣です。
「これならできそう」と思えることから一つずつで大丈夫です。
次の妊娠に向けて心を守るセルフケアとは
身体を整えることと同じくらい大切なのが、気持ちの面を守ることです。
強い不安や緊張が続くと、眠れなくなったり、呼吸が浅くなったり、自律神経が乱れやすくなります。
その状態が続くと、身体のリズムも整いにくくなってしまいます。
だからこそ、次の妊娠に向けては、以下のことを参考に
“心が壊れてしまわないように守ること”を大切にしてほしいのです。
・誰かに気持ちを話す
・一人で抱え込まない
・不安な日は休む勇気を持つ
・気持ちが整う時間や場所を大切にする
最後に
妊娠は決して“気合い”や“我慢”で乗り越えるものではありません。
リルルさんが少しでも軽い心で次の一歩に進めるように、支えてくれる人の存在も必要です。
原因不明の流産を経験されてきた方だからこそ、身体と心の両方を整えながら、ゆっくりと準備を進めていけると安心です。
そしてその歩みは、決して一人で頑張らなければいけないものではありません。
<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています
一般社団法人 日本生殖医学会
▶生殖医療Q&A「不育症の原因にはどういうものがありますか?」:http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa19.html※1
名古屋市立大学 産科婦人科学教室
▶原因不明習慣流産―胎児染色体異常流産:https://www.nagoyacumedobgyn.com/rpl/abortion_habit.php※2
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