転勤で不妊治療は振り出しに戻る?努力を無駄にしない転院の考え方と病院選びのポイント【お悩み相談室】
今回は、夫の急な転勤により、信頼していたクリニックを離れてゼロから病院探しをすることに焦りを感じている30代女性からのご相談です。
積み上げてきた治療のサイクルが途切れる喪失感と、見知らぬ土地での再スタートに対する無力感に、妊活も仕事も投げ出したいほど追い詰められていらっしゃいます。
「転院」を前向きなステップにするための考え方や、具体的な引き継ぎのコツについて不妊カウンセラーがアドバイスします。
主人の急な辞令が決まり、せっかく通い慣れた病院を離れて、転勤先でゼロから妊活を再開することに不安が募っています。
今のクリニックは先生との相性も良く、ようやく自分の体のサイクルや治療方針が固まってきたところでした。 これからステップアップも考えていた矢先の転勤で、「また新しい病院探しからスタートなの?」と思うと、これまでの努力が途切れて、振り出しに戻されるような気がして、どうしても焦りを感じてしまいます。
引っ越し準備のかたわら、転勤先の病院の口コミをSNSや掲示板で必死にリサーチしています。
でも、土地勘のない場所で自分に合う先生が見つかるのか、また検査を一からやり直すことになるのかと考えると、、妊活も仕事も夫との話し合いも、もう全部投げ出してしまいたい気持ちになります。
(30代、女性、ハンドルネーム:なな、職種:事務・オフィスワーク)
目次
最初に
ご主人の突然の転勤。慣れ親しんだ街や人間関係だけでなく、ようやく信頼関係を築けたクリニックまで離れなければならないなんて、本当に大きな出来事ですよね。
先生との相性も良く、ご自身の体のリズムや治療方針も見えてきて、これからステップアップを…というタイミングだったからこそ、「どうして今なの?」という気持ちが湧いてくるのは自然なことです。
積み重ねてきた時間や努力が、急に途切れてしまうように感じてしまいますよね。
引っ越し準備に追われながら、見知らぬ土地の病院を必死に調べている姿が目に浮かびます。
「またイチから?」「振り出しに戻るの?」
そんな焦りや無力感が重なれば、妊活も仕事も、夫婦の話し合いも、全部投げ出したくなる瞬間があっても不思議ではありません。
周りからは「新しいスタートだね」と言われても、心はそんなに簡単に前を向けないですよね。
ここまで本当によく頑張ってこられましたね。
振り出しではなく「次のステージ」へ
もしかすると今は、「失うこと」に目が向いている時期なのかもしれませんね。
でも少しだけ視点を変えてみると、「これまでの積み重ねは、どこへ行っても消えない」という状態になれたら、少し安心できるかもしれません。
治療の経験、検査結果、体の反応、そして何より、ご自身が自分の体を理解してきた時間。
それは“ゼロ”にはなりません。
むしろ、どんな質問をすればいいか、どんな説明が自分に合うかを知っている今のあなたは、以前よりも確実に前に進んでいます。
新しい場所でのスタートが、「振り出し」ではなく、「次のステージ」だと感じられたらどうでしょうか。
もしかすると、別の医師の視点が加わることで、新しい選択肢が見えてくることもあります。
「完璧な病院を探さなきゃ」と思うと苦しくなりますが、
「今までの経過をきちんと引き継いでくれる場所を見つける」くらいの気持ちになれたら、少し肩の力が抜けるかもしれませんね。
紹介状でこれまでのデータを最大限に活かす
実際のところ、転院=すべてやり直し、というわけではありません。
これまでの検査結果や治療歴は、紹介状やデータがあれば引き継ぐことができます。
ホルモン値、卵巣の反応、精液検査の結果、採卵歴、胚のグレードなどは大切な情報です。
多くの不妊治療専門施設では、前医のデータをもとに治療方針を組み立てます。
施設によっては安全確認のために血液検査や感染症検査を再度行うこともありますが、それは「最初からやり直し」という意味ではありません。
今の体の状態を確認するためのものです。
不妊治療専門施設を見極める4つのチェックリスト
病院選びでは、
・体外受精まで対応しているか
・通院回数の目安
・予約の取りやすさ
・仕事との両立が可能か
といった現実的な視点も大切です。
引っ越し疲れを癒やすことも立派な妊活
そして何より、今は「全部同時に完璧にしよう」としなくて大丈夫です。
引っ越しは心身に大きな負担がかかります。
強いストレスは排卵やホルモン分泌に影響することもあります。
まずは生活リズムを整え、睡眠を確保することも立派な妊活の一部です。
最後に
焦りが出てきたら、「私は今、大きな変化の中にいる」と気づいてあげてください。
決して振り出しに戻っていません。
これまで積み重ねた経験は、しっかりとあなたの力になっています。
今は“整えながら進む時期”。
どうか、ご自身を一番に守ってあげてくださいね。
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