更年期と高血圧の不調はどう違う?それぞれの症状と注意点を知りたい【お悩み相談室】
今回は、家族に高血圧が多く、ご自身も40代から治療を続けている50代女性からのご相談です。
最近は動悸やイライラが増え、更年期による血圧上昇との違いが分からず不安を抱えているそうです。
持病の高血圧と更年期の症状の特徴、日々気をつけたいポイントについて、助産師がお答えします。
私の家系はもともと高血圧が多く、私自身も40代から血圧を下げる薬をいただくために定期的に通院しています。おかげで大きな問題はありませんでしたが、最近は動悸がしたり、些細なことでイライラしやすくなるなど、不調が増えてきました。
年齢的にも更年期の影響が出てきたのだろうと感じています。
ただ「更年期は血圧も上がりやすい」と聞き、持病との違いが分からず不安です。
更年期による血圧上昇と元々の高血圧では、症状の出方に違いはあるのでしょうか。
また、それぞれで気を付けるポイントがあれば教えていただきたいです。
(50代、女性、ハンドルネーム:そよ風、職種:主婦)
最初に
ご家系に高血圧の方が多く、ご自身も40代から内服治療を続けながら、これまで大きなトラブルなく過ごしてこられたのですね。その積み重ねがあったからこそ、今の健康状態が保たれているのだと思います。
一方で、最近になって動悸やイライラといった、これまでとは少し質の違う不調を感じるようになり、「年齢的に更年期なのかもしれない」と思う反面、「更年期は血圧が上がりやすいと聞くと、持病との区別がつかず不安になる」というお気持ちとのこと、とても自然だと感じます。
高血圧という既往がある中で体調の変化が重なると、「これはいつもの血圧の問題なのか」「それとも更年期の影響なのか」と切り分けが難しくなり、余計に心配になりますよね。
どちらが原因と白黒つけなくて良い
まずは、「更年期による変化」と「もともとの高血圧」を、きれいに白黒つけようとしすぎなくてよい、という視点を持っていただけるといいかもしれません。
実際には、更年期のホルモン変動が、自律神経や血管の反応に影響し、既存の高血圧に「揺らぎ」を加えるような形で現れることも少なくありません。
そのため、「どちらが原因か」を単独で考えるよりも、「今の体は、年齢による変化と持病の両方の影響を受けやすい状態にある」と理解できると、少し見通しが持ちやすくなるのではないでしょうか。
また、症状の出方や血圧の変動の仕方を知っておくことで、「今は様子を見てよいのか」「早めに医療機関で相談したほうがよいのか」を判断しやすくなるかもしれませんね。
高血圧と更年期に伴う血圧の上昇の特徴
もともとの高血圧は、血圧そのものが慢性的に高い状態が続き、頭痛や肩こり、無症状のまま経過することも多いのが特徴です。
一方、更年期に伴う血圧の上昇は、女性ホルモン(エストロゲン)の低下により血管のしなやかさが失われ、自律神経の調整が不安定になることで起こります。
そのため、血圧の数値が日によって大きく揺れたり、動悸、ほてり、発汗、不安感、イライラといった症状を伴いやすい傾向があります(※)。
つまり、「血圧が高い」という結果は同じでも、背景にある体の反応や、付随する症状には違いが見られることが多いのです。
日常生活で意識することと受診の目安
日常生活では、家庭血圧を測る時間帯や体調、気分を簡単に記録しておくことで、変動のパターンが見えやすくなります。
また、睡眠不足や強いストレスは自律神経をさらに乱しやすいため、「完璧に頑張る」よりも「疲れすぎない生活」を意識してされるといいかもしれませんね。
受診の目安としては、
・血圧の急な上昇が続く場合
・動悸や息苦しさ、胸の違和感を伴う場合
・不安感が強く日常生活に支障が出ている場合
これらの場合には、早めに医師へ相談されることをおすすめします。
必要に応じて、内服内容の調整や、更年期症状としての評価を行うことで、体も気持ちも楽になることがあるかと思います。
最後に
更年期と高血圧が重なる時期は、どうしても「これ以上悪くならないように」と身構えてしまいがちですが、体は今の環境に適応しようとしている途中でもあります。
どうかご自身を追い込まず、気になることは一つずつ整理しながら、我慢しすぎず、暮らしを整えたり医療の力も借りながら、過ごしてみてくださいね。
<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています
公益社団法人 日本産婦人科学会
▶更年期障害について:https://www.jsog.or.jp/citizen/5717/※
特定非営利活動団体 日本高血圧学会
▶血圧を適切に保つための 10のヒント:https://www.jpnsh.jp/topics/844.html※
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