「ひとりで頑張らない」が育児を楽しくする。漫画家kikiさんに聞く、プロと歩む心地よい子育てのバランス 【体験談インタビュー】
今回は、Instagramなどでご自身の不妊治療や妊娠・出産、そして育児のリアルな日常を漫画で発信されているkikiさん。
当初「3歳まで」と決めていた自宅保育をなぜ途中で切り替えたのか、そして保育園への入園を決めて見つけた心の余裕について語っていただいています。
「毎日子どもと2人きりで余裕がなくなってしまう」と悩むママたちの背中を押してくれる、温かいメッセージをお届けします。
目次
「もったいない」から始まった再出発。不妊治療のリアルを、誰かのための勇気に変えて発信
――kikiさんが漫画やイラストを描き始めたきっかけを教えてください
妊娠中に自宅にいる時間が増えたことを機に絵を描くことを再開し、自身の不妊治療の経験を発信しようと決意したのがきっかけです。
もともと幼稚園の頃から絵を描くのが好きでしたが、しばらく離れていた時期もありました。妊娠して時間にゆとりができた際、せっかくなら何か始めようと、タブレットを購入して再び筆を取り、まずは自分自身の不妊治療の体験から描き始めました。
私自身、治療中はネットでたくさん検索して、他の方の経験にとても救われました。だからこそ、「自分が表現することで誰かのためになるなら、やらないのはもったいない」と感じて発信を始めたという経緯があります。
約4年前、当時はまだ不妊治療をオープンにする方は少なく、話題にすること自体に気を遣う空気もありました。私が勇気を出して取り上げたことに多くの応援の声をいただき、活動が軌道に乗るきっかけとなりました。
密室育児と雪国の閉塞感。「3歳までは自宅保育」フリーランスママの理想と現実
――お子さんが生まれてから、当初はどのような育児計画を立てていたのでしょうか
私はフリーランスとして在宅で仕事をしているため、「外に出ていないのに、保育園を利用するのは申し訳ない」という罪悪感がありました。
もちろん育児の形は家庭それぞれで正解はないと思いますが、当時の私個人の価値観として「3歳で幼稚園に入るまでは自宅で見よう、お金も浮くし……」と考えていたのです。
家で好きなイラスト制作に取り組めているのだから、自宅保育の間も「3歳までは頑張らなきゃ」と自分自身に強く言い聞かせていました。
――実際に「3歳まで」と決めてスタートした自宅保育ですが、いざやってみて、理想と現実のギャップに戸惑うことはありませんでしたか
毎日が想像以上に目まぐるしくて、とにかく自分のエネルギーを使い果たしていました。
一番堪えたのは、大人と会話する機会が極端に少なかったことです。一日中子どもと向き合っていると、「あれ、今日誰かと喋ったっけ?」とふと寂しくなることがあって。
たまに買い物に行って店員さんと一言交わすだけで、「大人と言葉が通じる!」とホッとするくらい、当時は孤独を感じていました。
また、北海道ならではの環境の面でも工夫が必要でした。
冬は雪で公園が使えなくなる時期が続くので、親子の遊び場が大型商業施設に限られてしまいます。どうしてもたくさんの人が集まるため、風邪をもらって帰ってくることも多くて。かといって、自宅はマンションなので、思い切り走り回らせるのにも周囲への配慮が必要でした。
「外で思い切り遊ばせてあげたいけれど、冬場はそれが難しい」という環境のなかで、私自身の体力も少しずつ消費されていたように思います。





kikiさんインスタグラム<自宅保育そろそろ限界です【1】>より引用
「私が折れたら家がダメになる」。糸が切れた瞬間の決断が、親子を笑顔に変えるまで
――そこから、最終的に保育園への入園を決断を下した「最後の一押し」は何だったのでしょうか
家庭内の状況の変化と、それによる私自身のメンタルの限界でした。
経営者である夫の仕事が一時的に不安定になり、彼のメンタルも落ち込んでしまったんです。夫婦喧嘩も増え、「私が折れたら家がダメになる」と、無理に元気を出して家事・育児・夫のケアのすべてを1人でこなそうとしました。ですが、ついには糸が切れたように「もう家でじっとしているのは無理だ」となり、勢いで保育園に電話をしました。
頼れる親族も遠方だったり、雪道での運転が難しかったりと、私自身が物理的に孤立していたことも決断を後押ししました。






kikiさんインスタグラム<自宅保育そろそろ限界です【8】>より引用
――保育園に通園させるという決断を経て、どのような変化がありましたか
「もっと早く頼ればよかった」と心から思いました。
最初は
「私から離れても大丈夫だろうか」
「子どもの社会に馴染めるか」
と不安でしたが、息子は初日から楽しそうに帰ってきてくれました。
また、保育園は、子ども自身が集団生活を学び、同世代のお友達と関わりながら成長していくための大切な生活の場なのだと気づくことができました。
そして、家庭では全く進まなかったトイレトレーニングも、保育園の先生が上手に褒めてくださるおかげで、少しずつ前進しています。まだ絶賛トイトレ中でオムツは外れていませんが、日々のサポートにとても感謝しています。
物理的に子どもと距離を置く時間を持てたことで、私自身が子どもに優しく接することができるようになりました。親が元気で心の余裕を持つことが、結果として子どもにとっても一番幸せなことなのだと実感しています。
物理的な距離が、心のゆとりを連れてきてくれる
――自宅保育で悩んだり、保育園を利用するか迷ったりしているママたちへ、メッセージをお願いします
「自分ひとりでは限界だな」と思ったら、絶対に無理をせず、外部の機関やプロの力を借りてほしいです。子育てを自分ひとりで抱え込まないことが何より大切です。
私自身、自分に余裕がなくイライラした状態で子育てをしている時と、保育園に通園するようになってすっきりした気持ちで子どもに接している時とでは、自分自身の状態が全然違うと実感しています。
少し距離を取ることで心にゆとりが生まれ、結果的に子どもへの優しさにもつながっていると思います。
寝かしつけ後のスイーツは、明日への特効薬
――最後に、kikiさんが普段されているリフレッシュ方法を教えてください
自宅保育をしていた頃は、とにかく外に出て、店員さんなど「大人と会話すること」が私にとっての大切なリフレッシュでした。
今は、自分の好きなものを買って、一日の終わりに「ご褒美タイム」を作っています。美味しいケーキやドーナツなどを買っておき、寝かしつけが終わったあとに、ゆっくりお茶を淹れて食べるのが至福のときです。
「このタスクが終わったら楽しみが待っている!」と自分にご褒美を用意しておくことで、大変な日々も乗り切れています。
また、趣味である絵を描くこと自体も、自分の気持ちを表現する場となり、ストレス発散に繋がっていますね。
取材を終えて
kikiさんの、ご自身の悩みや試行錯誤をありのままにお話ししてくださる等身大の姿勢がとても印象的でした。
この記事を読んでいるママの中にも
「自宅保育か保育園かで迷っている」
「日中、子どもと二人きりの生活に、ふと孤独を感じてしまう」
という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
kikiさんも、同じような思いを抱えていました。
「家にいるのだから自分で見なきゃ」という責任感から、ひとりで抱え込み、懸命に頑張り続けていた時期があったといいます。
外出が難しい環境のなかで、大人と話す機会も少なく、気づけば孤独の中にいるように感じてしまうこともありました。
そんな日々の中で、「プロに頼る」という一歩を踏み出せたのは、ご自身やご家族にとって無理のない、心地よいバランスを見つけたいという思いがあったからこそでした。
「もっと優しくしたいのに」と、理想とのギャップに苦しさを感じたときは、その頑張りをひとりで抱え込まなくても大丈夫です。まずは誰かに頼って、心に少し余白をつくってみませんか。
知ってハレばれには、日々の生活で感じる子育てのモヤモヤを共有しながら、前を向いて一歩ずつ進んでいるママたちの体験談がたくさんあります。
毎日を一生懸命に駆け抜けているその手が、この記事や他の体験談を読むことで、ふっと軽くなるきっかけになれば嬉しいです。
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#孤独感
#育児ストレス
(取材:2026年3月)
※ 本記事は、取材時の情報に基づき作成しています。各種名称や経歴などは現在と異なる場合があります。時間の経過による変化があることをご了承ください。
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