軽い気持ちで受けていいの?20代婚約中、ブライダルチェックを受けるメリットを知りたいです【お悩み相談室】

妊活・不妊
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今回は、婚約中の20代女性からのご相談です。職場の先輩がブライダルチェックを受けると聞き、気になりつつも、保険がきかないことや受けた後のことを考えると踏み切れずにいるそうです。

検査の意味や向き合い方について、看護師がお答えします。

婚約中で、1年後くらいに結婚予定です。
最近、職場の先輩が「結婚前にブライダルチェック受けるんだよね〜」と言っていて、正直そんな選択肢あるんだ!とびっくりしました。
先輩は30代で、親族に不妊症の方がいるみたいです。

私は20代だし、特に身内にそういう話もないので、今まで全然考えたことがありませんでした。でも話を聞いてから、ちょっと気になっています。

20代で特に心配がなくても、ブライダルチェックを受けるメリットってあるのでしょうか?
保険もきかないですし、もし何か見つかったら…と考えると、軽い気持ちで受けていいものなのか正直迷っています

(20代、女性、ハンドルネーム:ハネムーン、職種:理・美容)


最初に

ハネムーンさん、ご相談ありがとうございます。
現在ご婚約中で、1年後ぐらいに結婚のご予定なのですね。

最近職場の先輩がブライダルチェックを受けるというお話を聞いたとのこと。ご自身も受けるべきなのか、気になっているのですね。

ブライダルチェックについて

ブライダルチェックとは

結婚や妊娠を控えた方が、将来の妊娠や健康に影響する項目をまとめて確認する婦人科検診の総称

といった位置づけのものです。

明確な公的基準があるわけではなく、各医療機関が自費診療として提供している検査パッケージ、と考えるとイメージしやすいかと思います。

受けるタイミング

結婚を控えたカップルで受けることが多いものの、健康診断と同様に「この時期でなければいけない」という決まりはありません
そのため、パートナーの有無に関わらず、「将来の妊娠に向けて今の自分の体の状態を知りたい」という理由で受けられる方もいらっしゃいます。

検査内容

医療機関によって異なりますが、一般的には以下のような項目が含まれます。

  • 女性側の検査
    経膣超音波検査/子宮頸部細胞診(子宮頸がん検診)/血液検査(女性ホルモンやAMHなど)
  • 男性側の検査
    精液検査
  • 男女共通の検査
    性感染症の検査(クラミジア、淋菌、梅毒、HIVなど)/風疹抗体検査

どれも、将来の妊娠やパートナーとの健康に関わる基本的な項目です。

ブライダルチェックを受けるメリット・デメリット

メリット

ハネムーンさんご自身には、現時点で将来の妊娠に向けて特に気がかりな点はないとのことですね。
婦人科的なお悩みがないことはとても良い状態なのですが、気になることがない方でもブライダルチェックには受けるメリットが十分にあります

その理由として、婦人科疾患や性感染症の中には、早めに気付いて治療を進めておくことで、将来的な妊娠への影響を最小限にできるものがあるからです。

症状が出にくい疾患もありますので、「念のために現状を確認しておく」という意味で受けられる方も少なくありません。

たとえば妊娠前に知っておくと安心なものとして、こんな項目があります。

  • 性感染症
    将来的に不妊の原因になるものがあるほか、カップル間でうつし合うことがあるため、見つかった場合はお二人で同時に治療を進める必要があります。(※1,2,3)
  • 子宮内膜症
    生理の出血がうまく体外に排出されずに子宮の内側以外の場所に入り込んでしまい、周りの臓器や組織と癒着を起こしてしまう疾患で、これらの癒着や炎症が原因となって不妊につながることがあるとされています。(※4)
    また、生理が起こるたびに炎症を繰り返して徐々に悪化していくという特徴もある(※4)ので、妊娠を考える前の段階で子宮内膜症の有無を把握しておくことは、今後の治療方針や妊娠に向けた見通しを立てるうえで役立つ場合があります。
  • 子宮筋腫や子宮頸がんが見つかった場合
    状況によっては手術や治療の検討が必要になることもあります。(※5,6)
  • 風疹の抗体が不足している場合
    ワクチン接種後におよそ2か月の避妊期間を設けることが推奨されています。(※7)


これらの項目はいずれも、妊娠を希望してから見つかると、一時的に治療や経過観察が必要になり、妊活のスタート時期が後ろにずれてしまう可能性があります

結果的にご自身のキャリアプランやライフイベントの調整にも影響が及ぶことがありますので、妊娠を希望する前に対処ができると安心ですね。

その他の考えられるメリット

また、人によっては多嚢胞性卵巣症候群など、排卵が自力ではうまく起こりにくい体質の方もいらっしゃいます。(※8)
このような場合、妊娠を意識した段階で不妊治療が必要になることもあるため(※8)、早めに把握しておくことで今後の見通しが立てやすくなります。

そして妊活や不妊治療という言葉が広まってきたとはいえ、ご自身の身体のことを性別の違うパートナーに説明するのは、少し恥ずかしさを感じる方もいらっしゃると思います。
その点、医師から専門的にお話を聞けると、お二人で同じ知識を共有しやすくなり、妊娠に向けた考え方や準備の方向性をそろえるきっかけにもなります。
お二人でライフプランを考えるいいタイミングになると思うので、ぜひそのような理由でも活用していただきたいです。

デメリット

ブライダルチェックのデメリットとしては、健康診断の一種という扱いになるため、基本的に自費での受診になる点です。
費用は医療機関によって幅がありますが、風疹の抗体検査や子宮頸がん検診については、お住まいの自治体が助成を行っている場合もあります。

助成には条件がある場合もございますので、こちらも合わせて確認しておくと、よりハネムーンさんに合った施設や項目で検査が受けられるのではないかなと思いました。

すべての検査を受けられればもちろん安心ではありますが、費用とのバランスを見ながら、まずは気になる項目だけ受けてみるという選び方も十分に良いと思います。
「全部やらないと意味がない」というものではありませんので、無理のない範囲で取り入れてみてくださいね。

最後に 

ここまでブライダルチェックについてお伝えしてきましたが、「もし何か見つかったら…」と不安なお気持ちが出てくるのは、とても自然なことだと思います。

ただ、妊娠に影響する疾患が“妊娠を意識してから”見つかった場合、「もう少し早く知っておけばよかった」と感じる方がいらっしゃるのも事実です。

お二人が思い描く未来を安心して迎えるためにも、そして後悔の少ない選択をしていくためにも、ぜひ前向きな気持ちで考えてみていただけたらと思います




<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています

公益社団法人 日本産科婦人科医会 
▶女性の健康Q&A :性感染症について教えて下さい。 ※1
▶女性の健康Q&A クラミジア・淋病に感染している場合:https://www.jaog.or.jp/qa/mature/seijyukuqa04/  ※3
▶子宮頸がん:https://www.jsog.or.jp/citizen/5713/ ※6
▶多のう胞性卵巣:https://www.jaog.or.jp/qa/mature/jyosei191211/ ※8

公益社団法人 日本産科婦人科学会
▶不妊症はどのような病気ですか?:https://www.jsog.or.jp/citizen/5718/  ※2
▶子宮内膜症:https://www.jsog.or.jp/citizen/5712/ ※4
▶子宮筋腫:https://www.jsog.or.jp/citizen/5711/ ※5

厚生労働省
▶予防接種・ワクチン情報:MRワクチン ※7

この記事の回答者

小澤彩加

看護師/不妊カウンセラー

所属:株式会社ファミワン

神奈川県の不妊治療専門クリニックに勤務。妊活や不妊治療、女性特有の身体のお悩みなど、分かりやすく伝えることを大切にしています。現在不妊治療に励んでいる人だけでなく、子供を持たない選択をした人も迷っている人も、これから向き合っていく人も応援していきたいと思っています。ぜひお気軽にご相談くださいね。


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