20代妊活中です。今が旬の栄養豊富な牡蠣、生で食べたらダメですか?【管理栄養士監修:お悩み相談室】
今回は、夫婦で妊活を始めたばかりで、今が旬の牡蠣の食べ方に迷っている20代女性からのご相談です。体づくりのため亜鉛を積極的にとりたい反面、食中毒への不安から生食か加熱かで葛藤されているようです。
妊活中の安全な牡蠣の取り入れ方や、栄養を逃さない美味しい食べ方について管理栄養士がお答えします。
そろそろ子どもが欲しいなと夫婦で妊活を始めたところです。
牡蠣は、亜鉛などの栄養が豊富だと聞いて旬の時期に積極的に取り入れたいと思ったんですが、妊活中の期間でも生で食べて大丈夫なのか、それとも火を通すべきか迷っています。
妊活中の体づくりで牡蠣を食べるなら、「生」と「加熱」のどちらが良いのか、安全で栄養がとれる食べ方を知りたいです!
(20代、女性、ハンドルネーム:坂の上のパン屋、職種:営業)
最初に
妊活の体づくりのためにとお食事のことを、真剣に向き合っていらっしゃるのですね。牡蠣に豊富な「亜鉛」が身体づくりに良いと聞き、積極的に摂りたいと思われるお気持ちがひしひしと伝わってきます。
その一方で、「生で食べて食中毒になったらどうしよう…」と不安になってしまう気持ちもよくわかります。どのようにすれば安全に食べることができるのかが知れると安心して食べることができますよね。
そこで今回は、妊活中に牡蠣を安全に食べる方法やそもそも妊活中になぜ亜鉛がおすすめな栄養素であるかについて解説していきたいと思います。
妊娠前と妊娠中での違い
厚生労働省等の指針では「妊娠期間中は食中毒にならないよう特に注意すること」とされていますが、妊娠前の妊活中に関して明確に禁止する提示はありません。
妊娠中は、万が一食中毒にかかった際に薬を安全に飲むことが難しく、赤ちゃんへの影響を考慮して生ものを控える必要があります。 そのため、「妊娠が判明したら生牡蠣は控え、妊活中の段階ではリスクをご理解された上で楽しむ分には問題ない」とお考えいただければよいか思います。
ただし、生牡蠣にはノロウイルスなどの食中毒リスクが一定確率で伴うため、より安心・安全を考慮されるのであれば中心部までしっかり加熱していただくことをおすすめ致します。
ノロウイルスは「85〜90℃で90秒以上」加熱することで不活化できます。
中心温度計をご使用いただくと、より正確な温度が把握できるため安心です。
妊活中に摂りたい栄養素「亜鉛」
亜鉛は、妊活において男女共に意識して食品からとっていただきたい栄養素のひとつです。
細胞の生成・代謝をサポート
亜鉛は細胞分裂に深く関わっています。
また、男性にとっては精子の材料ともなる重要な栄養素です。
そのため不足すると生殖機能低下にもつながってしまいます。
抗酸化作用でからだの老化を防ぐ
体内で過剰に発生した活性酸素(細胞の老化を早める物質)を除去する酵素の構成成分でもあります。
年齢とともに妊娠力は低下してしまうため、亜鉛などの抗酸化酵素をしっかり補うことで妊娠力向上に役立ちます。
毎日の食事に取り入れる工夫
牡蠣は亜鉛の含有量がトップクラスですが、亜鉛は牡蠣だけにしか含まれていないわけではありません。
牛肉や豚肉、魚介類、卵など、タンパク質を多く含む身近な食品全般に含まれています。
特定の食材にこだわりすぎず、日々の献立で様々な食品を組み合わせていただくことが、結果として全体の栄養バランスを高めることにつながります。
また、亜鉛を効率的に摂取するポイントを2つご紹介します。
加工食品は控えめに
インスタント食品や加工食品に使われる食品添加物の中には、亜鉛の吸収を阻害するものがあります。
過度な利用は亜鉛不足を招くおそれがあるため、できるだけ控えるようにしましょう。
極端なダイエットは避ける
食事の偏りや極端なカロリー制限は、亜鉛をはじめとする必要な栄養素の不足につながります。
まとめ
妊活において最も大切なのは、お二人がストレスなく、おいしく健康的な食事を楽しむことです。リスクと対策を知った上で、ぜひご夫婦で無理のない範囲で日々の食卓に取り入れてみてくださいね。妊活中もこころとからだの両方がおだやかに過ごせますことを心より願っています。
<参考文献・出典>
食品安全委員会
▶お母さんになるあなたと周りの人たちへー妊娠の前から気を付けたい食べ物のことコラム1:https://www.fsc.go.jp/okaasan.html#jump01
厚生労働省
▶ノロウイルスに関するQ&A:
Q15「食品中のウイルスの活性を失わせるには、加熱処理が有効とききましたがどのようにすればよいですか?」
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