中学生の息子が登校拒否。何を言ってもプレッシャーを与えそうで怖い…母にできることは何でしょう?【お悩み相談室】
今回は、5月頃から朝の体調不良を訴え始め、6月に入って「学校を休みたい」と言うようになった中学生の息子さんを持つお母さまからのご相談です。
「無理に行かせてはいけない」と思いつつも、学校へ行ってほしいという本音との間で葛藤し、息子さんへの接し方に迷っていらっしゃいます。
無理に理由を聞き出すのではなく、まずは「体のつらさ」を労わる具体的な声かけや、医療機関・学校との連携など、一人で抱え込まずに息子さんの味方であり続けるための方法について、公認心理師がお答えします。
中学生の息子のことで相談させてください。
5月ぐらいから、「頭が痛い」「体がだるい」と朝になると体の不調を訴えることが増えてきました。以前は「大丈夫、行ける」と言ってくれていたのに、6月に入ってからは「休みたい」と言うようになりました。
もしかして登校拒否の始まりなのかな…と思い、学校で何かあったのかと理由を聞いても、話してくれません。
無理に登校させてはいけないときくし「休んでいいよ」とは伝えています。
でも、本音では学校に行ってほしいという気持ちがあるのも正直なところで、そんな私の思いが言葉の端々ににじみ出て、よかれと思って伝えた言葉が息子へのプレッシャーになってしまいそうで怖いです。何を言ってあげればいいのか、わからなくなっています。
おおらかに構えてあげられれば一番いいとわかっているのですが、心配性の私にはなかなかできません。
毎朝、息子の顔色をうかがいながら、どう声をかければいいのか悩んでいます。
このまま見守るだけでいいのでしょうか。傷つきやすくなっている息子に対して、母として私ができることは何なのでしょうか。
(40代、女性、ハンドルネーム:さくらママ、職種:主婦)
目次
最初に
毎朝息子さんの顔色を見ながら、「今日は行けるのかな」「何と声をかけたらいいのかな」と緊張し続けているのですね。
頭痛やだるさを訴え、「休みたい」と言うようになった息子さんを前に、登校拒否の始まりなのではと不安になるのは当然です。
理由を聞いても話してくれないと、親としては心配がどんどん膨らみますよね。
「無理に登校させてはいけない」と思って「休んでいいよ」と伝えている。
でも本音では学校に行ってほしい。その気持ちがにじみ出てプレッシャーにならないか怖い。
さくらママさんの中にあるこの葛藤は、とても自然なものです。
子どもの心を守りたい気持ちと、将来や学習、人間関係が心配になる気持ちは、どちらも息子さんを大切に思うからこそ。
おおらかに構えられない自分を責めなくて大丈夫です。
毎朝の不安の中で、ここまでよく踏ん張ってこられましたね。
「行くか行かないか」をテーマにしすぎない
まず大切なのは、「学校に行くか行かないか」だけをその朝のテーマにしすぎないことです。
朝は、親も子も緊張が高まりやすい時間です。
そこで理由を聞き出そうとすると、息子さんにとっては取り調べのように感じられることがあります。
息子さん自身も、どうして体調不良になるのかわからないのかもしれません。
本当は学校に行きたいのに、どうしようもなく頭が痛い、身体がだるい。
それは、息子さんが正直に出してくれている「ちょっと休ませて」のサインかもしれません。
「つらさ」を肯定する声かけを
声かけは、息子さんの体調不良のつらさを大切に扱ってあげていただければと思います。
「頭痛いの、しんどいよね」「痛み止めのむ?」など、労わってあげてください。
まずはそれが、息子さんの安心になるかもしれません。
また、「1時間目だけ休む」「保健室に行く」「給食前に帰る」など、白か黒ではない選択肢もあります。
そうしたことを、一緒に探せるとよいかもしれませんね。
本人のつらさをちゃんと扱うためにも、受診の検討を
中学生の登校しぶりでは、心の問題だけでなく、睡眠不足、起立性調節障害、頭痛、胃腸症状など身体の要因が関係していることもあります。
朝に体調不良が強い場合は、小児科や思春期外来などで一度体の状態を確認しておくと安心です。
身体面の確認は、「学校に行かせるため」ではなく、「本人のつらさをちゃんと扱うため」のものです。
学校との早めの情報共有も大切
学校とも、早めに情報共有しておくことをおすすめします。
担任の先生、養護教諭、スクールカウンセラーに、「理由は本人もわからないようだが、朝の不調が続いている」と共有しておくと、家庭だけで抱えずに済みます。
息子さんには、「あなたを責めるためじゃなく、安心して過ごす方法を考えるために先生に相談するね」と伝えられるとよいでしょう。
行ける日も、行けない日も、あなたの味方だよ
さくらママさんができることは、無理に理由を聞き出すことでも、完璧におおらかな母になることでもありません。
「行ける日も、行けない日も、あなたの味方でいる」と伝え続けることだと思います。
そして同時に、「このままでいい」と放置せず、体と学校環境の両方から支えを増やしていくことです。
お子さんの「元気な時間」があるかも観察する
そして、一番大切なこと。それは、息子さんが毎朝のように体調不良を訴えても、比較的元気な時間があるかどうかを観察することです。
息子さんの立場からすると、朝、「体調が悪い」と言ってしまった手前、何かを楽しんではいけないと感じて部屋に閉じこもりたくなるかもしれません。
逆に、夕方になって楽しそうな様子が見られると、さくらママさんからすれば「朝はあんなにつらそうだったのに。仮病なのでは?」と感じられるかもしれません。
でも、体調や心は1日の中でも変動するもの。
ずーっと沈んでつらい時間を過ごすより、1日の中でちょっとでも楽しい時間がある方が、お子さんにとって安心できます。
朝の様子だけで息子さんの1日を判断するのではなく、夕方や夜に元気な姿が見られるなら、「OK、回復できたんだな」と捉えていただければと思います。
元気な時間が見られなければ、一緒にゲームをしたり買い物したり、楽しい時間をセッティングしてみてください。
最後に
見守るとは、何もしないことではありません。
急かさず、責めず、でも一人にしないこと。
さくらママさんの心配は、息子さんを追い詰めるものではなく、支え方を探すための大切なサインです。
どうか一人で抱え込まず、親子の朝に少しでも息ができる余白を作っていってくださいね。
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