家事や育児の小さな困りごとをAIに相談。『AI×家事』の著者、宮崎真理さん流、家庭でのAI活用【体験談インタビュー】
今回は、『AI×家事 毎日バタバタな3児ママがAIを使ってみたら、一人で悩む時間が消えた』著者の宮崎 真理さんに、日々の暮らしで実践しているAI活用についてお話を伺いました。
家事や子育てでの具体的な使い方から、お子さんの学習への活用、AIと付き合ううえで大切にしていることまで。宮崎さんならではの工夫や考え方をご紹介します。
ワンオペ育児の小さな困りごとをAIに相談。宮崎さん流のAI活用
――宮崎さんがAIを使い始めたきっかけを教えてください
私が初めてAI(生成AI)を使ったのは、2023年頃です。当時は専業主婦として、3人の子育てをしていました。
3人の子育てをする中でずっと感じていたのが、家庭の中でのめんどくささ…というと少し乱暴ですが、毎日の献立を考えたり、お出かけ先を決めたり、子どもの学習や習い事の選択など、日々の生活の中にある「選ぶこと、決めること」の多さです。常に判断に迫られている感覚で、それに疲れてしまう場面がたくさんありました。
また、当時は夫が単身赴任中で、私一人で3人の子どもを見るワンオペ状態でした。
「誰かに愚痴を吐き出したい」と思っても、なかなかできない。人に相談するほどでもない日常の小さな悩みや困りごとが積み重なり、時間だけが過ぎていく。今思うと、頭の中がいっぱいいっぱいで、本当に余裕のない毎日を過ごしていました。
そんな小さな悩みや困りごとをAIに話しかけてみたのが、最初のきっかけです。
当時のAIは、日本語が少し変だったり、回答もトンチンカンだったりしました。それでも、何を話しかけてもすぐに応えてくれる。そのスピード感が楽しくて、夢中になりました。
――比較的早い段階からAIに注目されていたのですね。悩みの相談先として使い始め、そこからどのように家庭での活用へと広がっていったのでしょうか
最初は本当に、新しいもの好きとして、半分おもちゃ感覚で遊んでいました。それが言葉のやり取りを重ねていくうちに、自分の考えを整理する相手になり、一緒に解決方法を考えてくれる相棒になっていった、という感じです。
私には理系のバックグラウンドがあったので、新しいテクノロジーへの抵抗感は比較的少なかったと思います。何より、「仕組みで解決する」のが好きという自分の性格も、AIとの相性がよかったのだと感じています。
また、家庭内という環境も良い影響を与えてくれました。ビジネスで使うとなると、「成果を出す」「改善する」といった誰かに評価されるプレッシャーがありますが、家庭では間違っても、失敗しても大丈夫です。気軽に試行錯誤できたことで、いろいろなアイデアを膨らませることができたように思います。
そのうち、世間でもビジネスシーンでのAI活用を耳にすることが多くなりました。それなら、当時の自分にとっての「仕事」だった家事や子育てにも、同じように使えるのではないか。そう考えて、AIを家庭の中に落とし込む方法を模索し始めました。
―― 理系のバックグラウンドがあるというお話でしたが、プログラミングの経験もあったのでしょうか
プログラミングには興味があり、独学でひそかに勉強はしていたものの、実際にシステムを作るようなプログラミングは経験したことがありませんでした。
SNSで最初に反響をいただいた「子どもの習い事メールを、夫のLINEに自動転送する仕組み」も、「夫へのメールの転送を自動化したい」という希望をAIに投げかけたところから始まりました。
AIとのやり取りの中で、出力されたコードをコピーして指定された場所に貼り付けたり、エラーが出たらその画面をAIに見せて直し方を聞いたりしながら、少しずつ仕組みを作っていきました。
もちろん、AIが出したコードが必ず正しいわけではありませんし、環境によってうまく動かないことも多々あります。そうしたエラーが出たときに、原因を調べて少しずつ修正していく。その過程では、過去のデータ分析の業務で培った「論理的に考える力」や「根気」が役立っているのかもしれません。
決してボタン一つで魔法のようにできるわけではなく、AIとやり取りしながら、手探りで自分なりの使い方を見つけていったという形ですね。
お出かけの計画から「なんで?」まで。親子の日常をサポートするAI活用
――子育ての中では、具体的にどのようにAIを活用されていますか
3人の子どもとのお出かけは、それぞれの興味や関心に合わせようとすると本当に大変で、検索だけでは限界を感じていました。
そこで我が家では、AIを「専属のおでかけコーディネーター」のように活用することもあります。家族全員の年齢、移動と時間の制限、行きたい方面などの条件を伝えると、それに合わせてプランを考えてくれます。
――お子さんとのコミュニケーションツールとして活用されているのも新鮮でした
もともと我が家では、子どもたちからの「これってどういうこと?」「なんで?」といった疑問から会話が生まれることが多いのですが、私にもわからないことはたくさんあります。そうしたときに、図鑑やネット検索と並ぶ「調べる手段の選択肢の一つ」として、必要な場面でAIを使うことがあります。
例えば、難しいニュースを子どもにも分かりやすい言葉に噛み砕いてもらったり、AIが出した答えに対して「これって本当に合っているかな?」と親子で一緒に確かめたり。
AIの答えをそのまま鵜呑みにするのではなく、それをきっかけにしてさらに会話や好奇心が広がっていく感覚ですね。親がすべてを知って教える必要はなくて、一緒に考えたり調べたりするための選択肢が一つ増えた、というくらいの距離感で付き合っています。
また、学習面でも同様に、勉強そのものをAIに任せるのではなく、子どもに合わせた学習環境を整えるサポート役として必要なときだけ使っています。漢字ドリルで間違えた問題の類題を作ったり、計算スペースが狭い問題集の余白を広くレイアウトし直したりと、子どもが取り組みやすくなるための裏方として活用する形です。
「育児をAIに任せる」わけではない。宮崎さんが大切にするAIとの距離感
―― 以前、テレビ番組で「家庭で生成AIを活用している家族」として取り上げられた際、さまざまな反響があったそうですね
はい。番組放送後には、
「それって、育児の丸投げにならないか」
「親がラクをしようとしているだけではないか」
といったご意見や疑問の声を多くいただきました。
家事や子育てに生成AIを取り入れることについては、当然、賛否両論がありますし、抵抗感や懸念を抱く方がいらっしゃるのももっともだと思います。
私自身、AIに子育てや教育を代行させたり、丸投げしたりするつもりはありません。
あくまで、
「子どもが勉強しやすいように環境を整えるためのツール」や、
「自分の頭の中を整理するためのメモ帳」のような位置づけで使っています。
また、生成AIの回答が常に正しいとは限らないので、鵜呑みにせず、自分で内容を確認することは不可欠です。予期せぬ動作をすることもありますが、「そういう誤りもあり得るものだ」と割り切って、冷静に付き合うようにしています。
―― さまざまな意見がある中で、宮崎さんにとってAIはどのような存在なのでしょうか
誰にでもAIの利用をおすすめしたいわけではありませんし、家庭によって向き不向きや考え方の違いがあることも理解しています。
そんな中私にとってAIは、「自分でできることを増やしてくれる道具」という感覚です。
家事や子育てをしていると、
「ちょっと面倒だけど、わざわざ誰かに頼むほどでもない」
「こうできたら便利なのに、自分には作れない」
といった小さな困りごとがたくさんあります。
以前ならそのままにしていたことでも、AIに相談したり、一緒に方法を考えたりすることで、自分で解決できることが増えました。
一方で、AIの答えが必ず正しいわけではありませんし、何でも任せられる存在だとも思っていません。便利な道具の一つとして、得意なことや苦手なことを知ったうえで、自分で判断しながら使っていくことを大切にしています。
「ちょっとラクになった」と思えるきっかけに。AIを暮らしの身近な選択肢として
――今まさに、一人でモヤモヤを抱えているようなママさんやパパさんに向けて、伝えたい思いやメッセージを教えてください
家庭内の不便や面倒なことを、すべてテクノロジーが解決できるわけではありません。ただ、AIなどを活用することで、少し気持ちや負担を軽くできる部分もあるのかなと感じています。
家庭ごとの悩みは、なかなか他人には相談しづらいものです。私自身もそうだったのですが、一人で頑張りすぎて、孤立してしまいがちです。
そんなときに、利害関係のない第三者のようにフラットに返事をしてくれるAIを、「壁打ち相手」の一つとして活用することで、頭の中が整理されることがありました。
小さな決断や判断がたくさん必要になる家庭の日常にこそ、AIは活用できるツールの一つになり得ると思っています。この記事を読んでAIに話しかけてみようかなと思ってもらえたらうれしいですね。
―― 万能な解決策ではなく、あくまで考える負担を分担できるツールの一つとして捉えているのですね
はい。AIと付き合ううえでは、その仕組みや限界を知っておくことも大切だと感じています。
生成AIは感情や意思を持っているわけではなく、確率に基づいて言葉を出力しているシステムです。この前提を理解していれば、AIが的外れな回答をしたときにも、「こういう質問にはうまく答えられないんだな」と冷静に受け止めることができます。
また、健康や法律、安全に関わる判断については、専門家の情報や最新の公的情報を必ず確認するようにしています。
万能な存在として過度に期待するのではなく、あくまで便利なツールの一つとして割り切りながら、自分に合った距離感で上手に付き合っていくのがよいのではないでしょうか。
宮崎さん流のリフレッシュ方法は「夜のランニング」
――最後に、宮崎さんのリフレッシュ方法を教えてください
私のリフレッシュ方法は、ランニングです。 現在は、フルマラソンの自己ベスト更新を目指して練習に励んでいます。
走り始めたのは、次男が生まれて、ワンオペ育児が一番大変だった時期です。ある夜、ふと思い立って、近所を1キロほど走ってみました。当時は、常に子どもを抱っこしたり、手をつないだりしていて、「自分のペースで歩く」ことすらできない毎日でした。だからこそ、一人で走った瞬間に、「自分の足だけでこんなに進めるんだ!」と深く感動したのを覚えています。
そこから、夜に走ることが楽しくなりました。最初は1キロも走れなかった私が、今ではフルマラソンに出場するまでになりました。
もちろんレースの後半は毎回つらいのですが、ゴールしたときの達成感はやっぱり格別です!
※本記事は、インタビュー内容をもとに構成しています。紹介している体験や感想は個人のものです。
・生成AIが提示する内容は、必ずしも正確性や最新性が保証されたものではありません。健康、法律、安全に関わる判断については、専門家の情報や最新の公的情報を確認した上で判断してください。
・生成AIを利用する際は、著作権・商標権・肖像権など、各種権利を侵害しないようご注意ください。他者の文章や写真をアップロードする場合は、利用目的や範囲を確認の上、家庭内だけの私的利用など許容される範囲にとどめてご利用ください。
・各AIサービスには年齢制限や利用条件が設けられています。お子さまが利用する場合は、必ずサービス規約を確認し、保護者の管理下で利用するようにしてください。
【著書の紹介】
AI×家事 毎日バタバタな3児ママがAIを使ってみたら、一人で悩む時間が消えた
著者:宮崎 真理(扶桑社)

取材を終えて
今回、宮崎さんのお話を伺って印象的だったのは、AIを特別なものと捉えるのではなく、日々の暮らしの中にある小さな困りごとを少し軽くするための「選択肢の一つ」として、柔軟に取り入れていることでした。
お出かけの計画を考えてもらったり、頭の中にあるモヤモヤを言語化してみたり。どれも、AIに何かをすべて任せるのではなく、自分や家族がより心地よく過ごすためのサポートとして活用されています。
家事や子育てをしていると、
「わざわざ誰かに相談するほどではないけれど、ちょっと困っている」
「小さなことだけれど、毎日考えるのは大変」
と感じる場面もあります。
そんな日常の小さな負担に対して、AIに話しかけてみることで、新しい選択肢が見つかることもあるのだと感じました。
もちろん、AIは何でも解決してくれる万能な存在ではありません。できること、できないことを知り、回答を鵜呑みにせず、自分に合った距離感で付き合っていくことも大切です。
宮崎さんが試行錯誤を重ねながら、自分や家族に合う使い方を見つけてきた姿勢そのものが、これからAIを使ってみたい方にとって一つのヒントになるのではないでしょうか。
この記事をきっかけに、
「こんなこともAIに相談していいんだ」
「ちょっと試してみようかな」と、
暮らしを少し軽くする方法の一つとして感じてもらえたらうれしく思います。
『知ってハレばれ』では、家事や育児の負担を軽くするためのヒントや、ワンオペ育児をはじめとした日々のお悩みに専門家が答える記事もご紹介しています。
毎日の中で「ちょっとラクになった」「少し気持ちに余裕ができた」と思えるきっかけを、これからもお届けしていきます。
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#家事育児の分担
#ワンオペ育児
(取材:2026年7月)
※ 本記事は、取材時の情報に基づき作成しています。各種名称や経歴などは現在と異なる場合があります。時間の経過による変化があることをご了承ください。
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