「知っている」と「育てる」は違った。イラストレーター・たっきーさんが語る、親になって気づいた「生活としての育児」の重み【体験談インタビュー】

子育て
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たっきー

保育士・イラストレーター。年中の娘さんの子育てに奮闘中のママ(2026年7月現在)。SNSやブログにて、自身の育児体験に基づく気づきや親子遊びのアイデアを漫画で発信。職業経験と親としての実体験の両面から綴られるエピソードが、幅広い世代の共感を呼んでいる。

今回は、保育士として勤務しながら、日々の育児の様子をイラストや漫画で発信しているたっきーさんにインタビュー。保育士としての経験を持ちながらも、我が子を育てる中で直面した葛藤や、親になって初めて気づいた生活としての育児の大変さ、そして現在の心境について詳しくお話を伺いました。

日常の「忘れたくない瞬間」を形に。SNS発信の原点

――たっきーさんがイラストを描き始めたきっかけを教えてください

きっかけは、「日々の大切な思い出を形に残しておきたい」と思ったことです。もともと絵を描くことが大好きで、保育園で子どもたちと接する中で、心が動かされる瞬間や「この光景を忘れたくない」と感じる場面にたくさん出会いました。

そうした日常のワンシーンをイラストや漫画として描き留めておきたいと思い、現在のアカウントを開設しました。現在は、自分自身の育児における気づきや、家族との何気ないやり取りを中心に発信しています。

たっきーさんインスタグラム<お母さんって>より引用

「自分の手で育てたい」という思いと、退職の決断

――ご自身の出産・育児を機に、一度退職を経験されたそうですね

はい。出産前は、仕事と育児を当たり前に両立していけると考えていました。しかし、いざ自分の子どもを保育園に預ける段階になると、離れ際に泣き続ける娘を前に、頭で理解していることと親としての切ない気持ちの間で、心が揺れ動いていました。

仕事柄、多くのお子さんが園に慣れていく過程を見てきましたし、知識としては「いつか慣れるもの」だと分かっていました。しかし「今はまだ、私はこの子と一緒に過ごす時間を優先したいのかもしれない」という思いが、少しずつ大きくなっていきました。

葛藤の末、当時の私は「今は育児に専念しよう」と退職を決めました。もちろん仕事自体は大好きだったので、「いつか落ち着いたら必ず復帰しよう」という思いを抱えながらの決断でした。

―― 現在は仕事に復帰されていますが、どのような生活リズムを過ごされていますか

夫の帰宅が遅いため、平日は基本的にワンオペ育児の状態です。平日の夜に家族で過ごす時間は限られていますが、その分、朝食は家族全員で揃って食べることを大切にしています。

現在は、育児への理解がある職場に恵まれ、娘の行事や急な体調不良にも柔軟に対応していただいています。職場の皆さんの支えがあって、今の自分らしい働き方ができていると感じ、日々感謝しています。

家庭でもできるあそびレシピをInstagramで発信
(たっきーさんインスタグラム(takkysensei)より引用)

保育士としての知識と、親としての感情の間で

――保育士の経験が、ご自身の子育てに役立ったと感じることはありますか

生活の基本的な流れ、オムツ替えや寝かしつけ、遊びのバリエーションなどの知識があったことは、心の余裕に繋がった部分はあるかもしれません。

ただ、いざ我が子を育てるとなると、知識だけでは解決できない「感情」の部分がとても大きかったです。保育園では冷静に対応できても、家で娘と向き合うと、つい感情的になってしまう。後から「あんなに強く言わなくてよかったのに」と自己嫌悪に陥ることもよくあります。

同じ保育士の友人に相談すると、「家ではみんな同じだよ」と言ってくれます。職業に関わらず、一人の親として悩み、葛藤するのは自然なことなのだと実感し、救われる思いでした。

――「仕事としての保育」と「生活としての育児」の違いをどう感じていますか

一番の違いは、「24時間、責任が途切れないこと」だと痛感しています。保育士の仕事には閉園時間があり、オンとオフを切り替えられますが、親にとっての育児は24時間体制です。子どもが寝ている間も、意識のどこかで常に気を張っていなければなりません。

私自身、親になって初めてその重みを実感しました。
以前なら、登園してきたお子さんの持ち物に名前がなかったりすると「なぜだろう」と不思議に思うこともありましたが、今は違います。

「朝はそれどころじゃないよね」
「うっかり忘れてしまうほど忙しいよね」と、
ご家庭の状況をリアルに想像し、寄り添えるようになりました。

「その子なりのペース」を大切に

―― 同じように子育てに励む皆さんへ、伝えたいことはありますか

「完璧を目指しすぎなくてもいいのではないでしょうか」とお伝えしたいです。

SNSなどで他の方の育児を見ると、つい自分や我が子と比べて焦ってしまうこともあるかもしれません。「なぜうちはできないのだろう」と一喜一憂してしまうこともあると思います。

私自身、娘のトイトレが思うように進まなかったときは、焦りから娘を急かしてしまった時期がありました。

でも、あるとき「この子自身のペースがあるんだ」と気づき、一度見守ることに決めたんです。すると、驚くほどスムーズにできるようになりました。完璧を目指そうとせず、その子なりの成長を待つことの大切さを、私自身が娘から教わった気がします。

―― たっきーさんのリフレッシュ方法についても教えてください

最近は「朝活」が楽しみの一つです。数年前に体調を崩したのを機に、夜型から朝型に生活を見直しました。娘と一緒に早く寝て、朝4時に起きて自分の時間を過ごしたり、明るくなり始めた街をウォーキングしたり。この静かな時間が、私にとって大切なリフレッシュの時間になっています。

取材を終えて

保育士としての経験を持ちながらも、一人の親として等身大の葛藤を抱え、お子さんと向き合ってこられたたっきーさん。そのお話からは、知識だけでは語れない、24時間続く育児のリアルな大変さが伝わってきました。

「仕事なら冷静になれるのに、我が子のこととなると難しい」というお話は、多くの親御さんにとっても共感できる部分が多いのではないでしょうか。

日々の育児の中で、つい自分を責めてしまったり、周囲と比べて不安になったりすることもあるかもしれません。そんなときは、たっきーさんのように「完璧でなくてもいい、その子のペースでいい」と、自分自身に少しだけ余白を作ってみるのも一つの方法かもしれません。

『知ってハレばれ』には、日々の育児のモヤモヤや、他の方のリアルな体験談がたくさん寄せられています。「悩んでいるのは自分だけじゃない」と感じることで、明日からの育児が少しでも穏やかなものになれば幸いです。

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#保育園・幼稚園の悩み

(取材:2026年7月)


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