生理不順と基礎体温の乱れ…様子見か検査か判断できず悩んでいます【お悩み相談室】
今回は、生理不順に加えて基礎体温が安定せず、妊活を始めたばかりなのに「このまま様子を見ていいのか」と不安を抱える30代女性からのご相談です。
毎朝のグラフを見るたびに揺れる気持ちと、検査への迷いについて、生殖看護認定看護師がお答えします。
妊娠を考え始めたのをきっかけに、基礎体温をつけるようになりました。
まだ始めたばかりなので仕方ないのかもしれませんが、グラフが少しガタガタで、低温期と高温期が分かりにくいのが気になっています。
もともと生理不順のため、「このままで大丈夫かな?」と考えてしまうこともあります。
妊活はスタートしたばかりですし、もう少し気楽に続けながら様子を見ていけばいいのか、それとも一度ちゃんと検査を受けた方がよいのでしょうか。
(30代、女性、ハンドルネーム:妊活初心者、職種:販売・サービス)
目次
最初に
お話を伺って、いま妊活初心者さんが感じているのは、「自分の体はどうなっているんだろう?」という、切実な戸惑いと不安なのだと受け止めました。
妊活をスタートさせて、まずは基礎体温を測り始めたものの、実際のグラフはガタガタ。低温期と高温期の境目もよく分からず、一般的に言われる二相性という理想の形とは程遠い……。そんな状況を目の当たりにして、「私の体、ちゃんと機能しているのかな?」と不安になってしまうのは、ごく自然なことです。
特に、もともと生理不順があるからこそ、
「このまま様子を見ているだけで、貴重な時間を無駄にしてしまわないかな?」
「一度しっかり診てもらったほうがいいのかな?」
と、ご自身の今のリズムに対して疑問が湧いてくるのも当然です。測るたびに悩みが増えてしまうのは、精神的にも負担がかかりますよね。
まずは、よく分からないことへのモヤモヤを、ここで一つずつ整理していきましょう。
全体のリズムを把握する
今の妊活初心者さんにとって必要なのは、基礎体温を排卵日を特定するためのメインツールではなく、あくまで全体のリズムを把握するための補助的ツールと位置づけることかもしれません。
納得感を持って進むために、まずは以下のような状態を目指してみるのはいかがでしょうか。
- グラフの不明瞭さを冷静に受け止める
基礎体温は基本的には二相性になるとされていますが、きちんと排卵している周期であっても、二相性がはっきりしない周期があることもわかっています。
グラフが綺麗でないからといって、異常と決めつける必要はありません。
「そういうこともあるんだな」と、フラットな視点で観察を続けられる状態を目指しましょう。 - 数周期単位で自分の傾向を把握する
特に生理不順がある場合、しっかりと排卵が起きている周期と、無排卵の周期が混在していることもあります。
一周期の結果だけで判断せず、2〜3周期ほど継続して観察することで、自分の体のおおまかなリズムをデータとして持てるようになると、受診時の相談も非常にスムーズになります。 - 「いつまで様子を見るか」の期限をあらかじめ知っておく
生理不順という背景がある場合、排卵日の特定自体が難しい可能性があります。
あらかじめ受診の目安を知識として持っておくことで、今の時間を迷いの時間ではなく納得のいく準備期間として過ごせるようになります。
変動しやすい基礎体温
看護師の立場から、基礎体温と生理不順がある方の妊娠への近道について具体的にお伝えします。
明瞭な二相性は当たり前ではない
低温期と高温期がくっきり分かれるいう知識があると思いますが、現場では排卵していても二相性が分かりにくいグラフをよく目にします。
基礎体温は以下のような外部要因で簡単に変動するため、特に生活リズムが不規則な場合は、ガタガタになること自体は不思議ではありません。
測定条件: 4時間以上のまとまった睡眠後、覚醒後すぐに、婦人科体温計で舌下測定しているか。
環境要因: 外気温、寝室の温度、ストレスなどで体温が変化することが考えられる。
受診の目安と「納得感」の作り方
医学的には、1年間の妊活で授からない場合に不妊症と定義されますが、スカッシュさんのように強い焦りを感じている場合は、半年を一つの目安に不妊検査だけ受けてみるのは非常に賢明な選択です。
自然にという気持ちとの折り合いについては、検査で問題なしとわかれば安心してタイミングを待てますし、もし小さな原因が見つかれば、早めに対処することで結果的に最短距離(Time to Pregnancy)で妊娠を目指せます。
効率的な排卵日特定のステップ
とくに生理不順があり排卵日の予測が難しい場合は、基礎体温を補助としつつ、以下のステップを検討してみてください。
超音波検査(卵胞計測)
病院で医師が卵巣内の卵胞(卵子が入った袋)のサイズを計測する方法です。 実際にどのくらい育っているかが画面上に見えるため、排卵が近いのか、まだ先なのかが明確にわかります。
排卵検査薬
自宅で尿中のホルモンを検知する方法です。基礎体温よりも高い精度で排卵のタイミングを予測でき、生理不順の方でも「そろそろかな?」という目安を自分で確認しやすいのがメリットです。
受診タイミングの目安
避妊のない性交渉をもつカップルの約80%が1年以内に妊娠するとされており、一般的な受診の目安は以下の通りです。
- 34歳まで: 1年妊娠しなかったら受診を。
- 35歳以上: 半年妊娠しなかったら受診を。
- 40歳以上: 妊娠を考えたらすぐに受診を。
これは妊娠に関して女性の年齢の影響が大きいためですが、妊活初心者さんのように生理不順がある場合は、この目安を待たずに早めに受診するメリットが非常に大きいです。
理由としては、排卵までの日数が長かったり、無排卵周期があったりする場合、医師の管理下で排卵誘発剤を使用することで排卵をスムーズに促すことができ、結果的に妊娠への大きな近道になるケースが多いからです。
「このままで大丈夫かな?」という不安が消えないときは、答え合わせのために専門家の門を叩いてみるのも一つの手です。
最後に
基礎体温が綺麗な二相性にならない周期があっても、それが即座に異常を意味するわけではありません。
どうぞ安心して、これからも自分自身のペースを大切にしてくださいね。
応援しています。
<参考文献・出典>
日本生殖医学会
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