梅雨のふわふわめまいと耳鳴りがつらい。更年期か気象病か見分ける方法は?低気圧で悪化する不調を楽にする方法はある?【お悩み相談室】
今回は、更年期のホルモン補充療法を受けながらも、梅雨の時期になると低気圧の影響で激しいめまいや耳鳴りに悩まされている52歳女性からのご相談です。
「更年期のせいなのか、気象病なのか」という不安を抱え、仕事への影響にも限界を感じていらっしゃいます。
更年期と気象病がどちらも「自律神経」を介して影響し合う仕組みを解説し、天候との連動性から見る症状の見分け方や、めまい外来・自律神経外来など複数の不調を総合的に診てもらうための受診先のヒントについて、保健師がお答えします。
52歳、会社員です。毎年梅雨の季節になると、朝起きた瞬間からふわふわとしためまいと耳鳴りが続き、仕事中も集中できません。
婦人科では「更年期による自律神経の乱れ」と診断されてホルモン補充療法を受けていますが、治療中にもかかわらず、低気圧が近づくたびに症状が一気に悪化します。
「これは更年期のせいなのか、それとも気象病も重なっているのか」と毎年この季節になると不安になります。同じような症状を抱えている方はいるのでしょうか。
更年期のめまいと気象病のめまいの見分け方、そして両方を診てもらえる受診先があれば教えていただきたいです。
(50代、女性、ハンドルネーム:ゆきかぜ、職種:販売・サービス)
目次
最初に
ゆきかぜさん ご相談ありがとうございます。
毎年梅雨の季節になると、起きた瞬間からふわふわとしためまいと耳鳴りが続き、仕事にも支障をきたしているのですね。
産婦人科では更年期による自律神経の乱れによるもの、とホルモン補充療法を受けておられるものの、低気圧が近づくたびに症状が悪化し、気象病も重なっているのではないかと考え、梅雨を控えたこの時期になると不安が増すのですね。
今回は、更年期症状として、そして気象病としてのめまいの違いをお伝えし、今後の受診先を検討するお手伝いができればと思います。
梅雨時期に耳鳴りやめまいの症状が強くなる方は多い
更年期頃から「なんとなくふわふわする」「天気が悪くなる前に頭や耳が重い」「耳鳴りやめまいで集中できない」と感じる女性は少なくありません。
ゆきかぜさんのように更年期の治療を受けていても、梅雨や台風の時期になると症状が強くなる方は実際に多くいらっしゃいます。
更年期による自律神経の乱れと気象病はお互いに影響し合うため、両方が重なって症状が強くでている可能性は十分考えられます。
「更年期×気象病」のダブルパンチ。自律神経が関係
更年期では、女性ホルモンであるエストロゲンの急激な変動によって、自律神経のバランスが崩れやすくなります。
この自律神経は、血圧・体温・内耳の血流・睡眠・気分などを調整しているため、乱れると「めまい」「動悸」「耳鳴り」「倦怠感」「不眠」など様々な不調が現れます。
一方、気象病は低気圧や気温差、湿度変化などによって、自律神経が刺激されて起こる体調不良です。
特に内耳は気圧変化を感知するセンサーの役割を果たしているため、敏感な方では低気圧が近づく前からめまいや耳鳴り、頭重感がでることがあります。
つまり、更年期も気象病も、どちらも「自律神経」と深く関係しているのです。
そのため、更年期で自律神経が不安定になっている時期に、梅雨や台風による気圧変化が重なると、症状が増幅されやすくなります。
更年期のめまいと気象病の見分け方
では、どう見分けたら良いのか、ということですが、
更年期症状としてのめまいは、
ほてりや発汗、動悸、不眠、気分の落ち込み、疲労感など、更年期症状全体と一緒に現れることが多く、時期や天候に関係なく波があるのが特徴です。
それに対して気象病の特徴としては
・雨の前日や当日に悪化する
・台風接近時に強くなる
・天気が回復すると軽くなる
・耳の詰まり感や頭重感を伴う
など、「天候との連動」が比較的はっきりしています。
ゆきかぜさんの体調は「低気圧が近づくたびに悪化する」ということなので、気象病の要素も重なっている可能性は高そうです。
受診先の選び方。疑うべき「耳の病気」
耳鳴りやめまいが続く場合には、更年期や気象病だけでなく、良性発作性頭位めまい症やメニエール病など耳の病気が隠れていることもありますので、
「耳鳴り+めまい」が繰り返される場合は、耳鼻咽喉科で一度しっかり検査を受けてみられることをお勧めします。
そのため、受診先としては、耳鼻咽喉科(めまい外来など)が良いかと思います。
耳・聴力・眼振検査などを行い、内耳の異常がないかを確認できると思います。
その上で、産婦人科や自律神経外来などと連携してもらえると、安心かと思います。
最近では「めまい外来」「頭痛・気象病外来」「自律神経外来」などを設けている医療機関もあり、更年期と気象病を総合的に診てくれる施設もあります。
自律神経を整える基本の生活習慣
日常生活では、「自律神経を整える」生活がポイントになります。
・起床・就寝のタイミング、睡眠時間を一定にする
・朝起きたらカーテンを開けて日光を浴びる
・バランスのとれた食生活
・ぬるめのお湯でゆったりと湯船につかる
・軽いウォーキングやストレッチなど適度な運動
・カフェインやアルコール、香辛料などの刺激物を摂りすぎない
・首や肩、足元などを冷やさない
などの基本的な生活習慣やセルフケアは、自律神経の安定につながります。
気圧アプリで「先回り」する心の準備
また、ご自分がいつ不調になるのか…と不安になることもあると思います。
「気圧アプリ」などで天候変化を事前に把握しておくことで、
「明日は低気圧だから早めに休もう」「予定に余裕をもたせよう」などと準備でき、心身の負担が軽くなるのではないかと思います。
最後に
めまいは周囲から見えにくく、「ただの疲れ」と思われたり、我慢し続ける方も少なくありません。
しかし更年期と気象病の両面から整えていくことで、少しずつ過ごしやすくなる可能性があります。
耳鼻咽喉科と婦人科の両方を上手に活用しながら、ご自身の身体の変化を丁寧にケアしてくださいね。
また、梅雨の季節を少しでも穏やかに過ごせるよう、無理をなさらず、ご自身の労わっていただけたらと思います。
<参考文献・出典>
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頚部外科学会
▶めまい・平衡覚・顔面神経:https://www.jibika.or.jp/modules/disease/index.php?content_id=7
一般社団法人 日本女性医学学会
▶よくある女性の病気【更年期女性に認められる症状】:https://www.jmwh.jp/n-yokuaru.html
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