自分が自分じゃなくなってしまったよう…更年期うつから元気になりたいです【公認心理師監修:お悩み相談室】

更年期
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今回は、更年期うつの治療を続けているものの心身の不調や痛みが改善せず、理解のある恵まれた環境なのに「消えてしまいたい」と感じることに悩む40代女性からのご相談です。

「自分が自分じゃなくなってしまったよう」という気持ちに寄り添います。
努力不足と自身を責めることではなく、症状に合わせて作戦を組み替える段階と考えてみることを提示。
「消えたい気持ち」や不調を主治医へ正直に伝えること、自分を見捨てないための小さな儀式の作り方、更年期の向き合い方ついて、公認心理師の視点からお答えします。

更年期うつで、心療内科と婦人科に通い薬も飲み、ホルモン補充療法もしていますがなかなか精神的にも身体的にも良くなりません

身体の痛み等もあり体調も悪く、意欲もわかず、食欲もなくよく眠れず、この状態がいつまで続くのかと絶望する毎日です。

とくに大きな悩みなどがあるわけではなく、家族も元気で職場の皆さんも更年期にも理解があり、話せる友人もいます。

恵まれているから早く元気になりたい、なれるはずなのに、ただただ自分だけが暗い、体調が悪い、悲観的で、誰の役にも立っていないような気持ち、自分をどんどん嫌いになり消えてしまいたい気持ちです。

本来は明るい性格なのですが、自分が自分じゃなくなってしまったようです。

鬱々としているためか、顔もどんどん老けてしまい、人と会うのや外に出るのも嫌になってしまいました。

(40代、女性、ハンドルネーム:くろみ、職種:事務・オフィスワーク)


最初に

くろみさんの苦しさは、体調が悪いことだけでなく、「悪くなる理由が見当たらないのに悪い」というところにあるのかもしれません。
家族は元気で、職場も理解があり、話せる友人もいる。
大きな悩みがないなら元気になれるはず、と考えるほど、最後の責任が全部自分に戻ってきてしまうのですね

本来は明るい性格だった方が、意欲も食欲もなく、眠れず、身体も痛く、人に会うことも外に出ることも嫌になる。
これは、本来の自分がいなくなってしまったような怖さだと思います。
「誰の役にも立っていない」「消えてしまいたい」と感じるほど追い込まれている状態が続くのは、とても苦しかったですよね

「症状に合わせて作戦を組み替える段階」と考えて

治療をしているのに良くならないと、「私には治療すら効かないのか」と絶望が深くなりますよね。
心療内科にも婦人科にも通い、薬もホルモン補充療法も続けている。
やるべきことをしているからこそ、出口が見えない感じが強くなるのだと思います。

更年期には、抑うつ気分、意欲低下、不眠、イライラなどが出ることがあります。
また、身体の痛みや睡眠不足が続くと、それだけで気分はさらに沈みます

今必要なのは、「まだ努力が足りない」と自分を責めることではありません。

今出ている痛み、不眠、食欲低下、消えたい気持ちに合わせて、薬やホルモン補充療法の内容、身体の痛みへの対応をもう一度見直すことです。
治療が失敗したのではなく、症状に合わせて作戦を組み替える段階、と考えてみてください。

次の受診では、「消えてしまいたい気持ちがある」とそのまま伝えてください
言いにくければ、この相談文を見せてもよいと思います。
危ないと感じる時は、次の予約を待たず、医療機関や救急、地域の相談窓口につながってください

「自分を見捨てないための小さな儀式」を作る

日常では、「元気になる行動」より「自分を見捨てないための小さな儀式」を一つだけ作ってみてください

たとえば、Instagramなどで、ストレッチや肩回し、表情筋の短い動画を一本だけ選び、1分だけ一緒にやってみる
ダイエットのためでも、若返るためでもなく、「今日の私は、自分を少しだけ大切にできた」と身体に言い聞かせるための1分です

動画を見てキラキラしたインフルエンサーと自分の比較が始まりそうなら、そこで終了です。
保存した一本だけ、1分だけ、できたら丸。
顔が老けたように感じる日も、身体を動かすことで表情が明るくなることがあります。
明るく振る舞う必要はありません。
まずは、固まった身体を少しゆるめてみる
その小さな儀式を、回復のために試していただけたらと思います。

最後に

自分を嫌いになってしまったり、孤独な気持ちになったりするのは、くろみさんのまわりに素敵な人がたくさんいるからかもしれません。

自己嫌悪や孤独は、周りに誰もいない時だけに生まれるものではありません
むしろ、優しい人たちがそばにいるからこそ、「それなのに元気になれない自分」が際立ってしまうことがあります

自分はどんどん調子が悪くなっていくのに、周囲の人は優しく、理解があり、助けてくれる。
その申し訳なさや歯がゆさが、くろみさんを苦しめているのかもしれません

でも、そんな優しい方たちとの人間関係を築けてきたのは、これまでのくろみさんの人柄や気遣い、優しさがあったからではないでしょうか
そんなくろみさん本来の姿は、消えてなくなってしまったわけではありません。
更年期というライフステージにさしかかり、本来の姿が発揮しにくい時期になっているのだと思います

今あるつながりを、頼れる時はどうぞ頼ってください。
もう、ひとりで頑張りすぎなくて良いと思いますよ。

この記事の回答者

戸田さやか

公認心理師/臨床心理士/生殖心理カウンセラー/がん・生殖医療専門心理士/ブリーフセラピストシニア

所属:株式会社ファミワン

「妊活や性の悩み、子育てや働き方のことまで、「誰に相談していいかわからない」テーマも歓迎しています。どんな内容でも大丈夫。安心してご相談ください。臨床心理学の確かな知識と技術を活かし、原因探しや悪者探しではなく、あなたにとってのゴールを発見するお手伝いをさせてください。」


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