ピル服用から3時間後に嘔吐…飲み直しは必要?避妊効果への影響と、吐いた時の正しい対処法も知りたい【薬剤師監修:お悩み相談室】
今回は、生理痛コントロールのために低用量ピルを服用している20代女性からのご相談です。服用から約3時間後に飲酒による嘔吐をしてしまい、成分の吸収時間や薬の飲み直しの必要性、避妊効果への影響に不安を感じていらっしゃいます。
ピルが体内に吸収される一般的な時間(約2時間)を解説し、「服用後すぐ」に吐いてしまった場合の追加服用のタイミングや、下痢・嘔吐が続く場合の注意点について、薬剤師がお答えします。
生理痛のコントロールのため、毎日夜20時に低用量ピルを服用しています。
お恥ずかしい話なのですが、昨日は飲み過ぎてしまい、23時頃に吐いてしまいました。
ピル自体はいつも通り20時に飲んだのですが、服用から約3時間後の嘔吐だったため、成分が十分に吸収されずに体外に出てしまっている可能性もあるのかなと考えています。
そこで、以下の3点について専門家の方に教えていただきたいです。
①ピルは服用後、通常何時間くらいで体に吸収されるものなのでしょうか?
②今回のように嘔吐してしまった場合、時間がズレても飲み直した方がいいのでしょうか?
飲み直しが必要な場合のおすすめタイミングはありますか?
③今回の件で、避妊効果は落ちてしまっている可能性はありますか?
今後の急な体調不良時の不安解消のためにも、正しい対処法を知っておきたいです。よろしくお願いいたします。(飲みすぎは気を付けます…)
(20代、女性、ハンドルネーム:ゆず、職種:事務・オフィスワーク)
最初に
毎日決まった時間に低用量ピルを服用されている中で、思いがけず嘔吐してしまい「せっかく飲んだピルはちゃんと吸収されているのかな」「避妊効果は大丈夫なのかな」と不安になられたのですね。
低用量ピルは毎日続けて服用することで効果を保つお薬なので、普段からきちんと時間を決めて飲まれている方ほど、いつもと違うことが起きると心配になると思います。
また、飲酒後の体調不良は誰にでも起こり得ることです。
「自分の管理が悪かったのかな」と責めてしまうかもしれませんが、
今回のような時に大切なのは、嘔吐したことだけではなく
「服用してからどのくらい時間が経っていたか」
「その後も吐き気や下痢が続いているか」を確認することです。
今回は、今後同じようなことがあった時にも慌てず対応できるよう、ピルを吐いてしまった場合の考え方についてお伝えしますね。
ピル服用から嘔吐までの時間を確認
今回気になっているのは、
-「飲んだピルが吐いたことで出てしまっていないか」
-「追加で飲んだ方が良かったのか」
-「避妊効果が落ちてしまう可能性があるのか」という部分だと思います。
低用量ピルは毎日服用することでホルモンの状態を安定させるお薬ですが、1回嘔吐したからといって、すぐに効果がなくなってしまうわけではありません。
まずは、服用してから嘔吐するまでの時間を目安に考えることが大切です。
「もし次に同じことが起きたらどうしたらいいのか」が分かっていると、急な体調不良の時にも少し安心できるのではないでしょうか。
ピルが体に吸収されるまでの「時間と対応」について
低用量ピルは服用後、胃から腸へ移動し、主に小腸から吸収されます。
吸収の速さはピルの種類や体調によっても変わりますが、服用後およそ2時間程度で血中濃度が高くなるとされています。
そのため、嘔吐してしまった場合は「吐いたかどうか」だけではなく、「飲んでから何時間後だったか」が判断のポイントになります。
一般的には、服用後2時間以内に嘔吐した場合は、ピルが十分に吸収されていない可能性があるため、可能であればもう1錠服用する対応が考えられます。
一方で、服用後2時間以上経過してからの嘔吐で、1日限りの体調不良であれば、ある程度吸収されている可能性が高く、通常は追加で飲み直さず、翌日の分をいつも通り服用します。
今回の場合、20時に服用して23時頃に嘔吐されたとのことなので、服用から約3時間経過しています。
この場合ピルの成分はすでに吸収されている可能性が高く、基本的には飲み直しは不要と考えられます。
避妊効果についても、今回の経過だけで大きく低下している可能性は低いと思われます。
嘔吐や下痢が続く場合は注意して
ただし、注意が必要なのは嘔吐や下痢が続く場合です。
24時間以上吐いてしまう、または強い下痢が続いている場合は、薬が十分に吸収されていない可能性があります。
その場合は、ピルを飲み忘れた時と同じような対応が必要になることがあります。
また、嘔吐や下痢が続くと脱水状態になりやすく、低用量ピルを服用している方では体への負担にもつながります。
水分が取れない状態が続く場合は、無理せず医療機関へ相談してください。
ピルの種類でも対応は変わる、婦人科相談がおすすめ
今後、服用後すぐに吐いてしまった場合は、自己判断で何日も休薬するのではなく、処方されているピルの種類も確認しながら対応することがおすすめです。
ピルの種類によって対応が少し変わる場合がありますので、判断に迷う時や不安が強い時は婦人科へ相談してくださいね。
最後に
今回の経過では、服用から3時間経過しているため、過度に心配する状況ではないと考えられます。
普段きちんと服用できているからこそ、1回の出来事でも不安になりますよね。
低用量ピルは、正しく服用を続けることで月経に伴う症状のコントロールや避妊など、さまざまな目的で役立つお薬です。
一方で、今回のように体調不良など予想外のことが起きると「この対応で合っているのかな」と迷うこともあると思います。
今回お伝えしたような目安を知っておくことで、急な体調変化があった時にも少し落ち着いて対応できるのではないでしょうか。
安心してピルを続けていくためにも、気になることがあれば医療機関や薬剤師へ相談しながら使用していきましょう。
<参考文献・出典>
低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤のガイドライン作成小委員会
▶低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤ガイドライン(案) :https://www.jsog.or.jp/news/pdf/CQ30-31.pdf
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