幸せなはずなのに心が晴れない…妊婦の「五月病」でしょうか?【お悩み相談室】

妊娠・出産
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今回は、結婚式や妊活という大きな山場を乗り越え、念願の妊娠を果たしたものの、急激な無気力に悩んでいる30代女性からのご相談です。
「幸せな時期なのに頑張れない」という葛藤や、迫る育児準備への焦りで、追い詰められていらっしゃいます。

大きな目標を達成した後に起こりやすい心理的な反応と、妊娠中のホルモン変化の関係を説明しながら、
無理にやる気を出すのではなく、エネルギーを回復させるための「休む許可」の出し方や、焦りを手放すステップについて、保健師がお答えします。

バタバタだった結婚式も終わって、念願だった赤ちゃんを授かり、妊婦になれました。
本当は幸せいっぱいの時期のはずなのに、五月病なのかなぜか心が晴れない日が続いています。

これまで結婚式の準備や仕事、妊活と、ずっとノンストップで走り続けてきたせいか、急に糸が切れたような燃え尽き感があります。
でも、これから始まる子どもがいる生活のための準備もしなきゃいけないのに、体も心も重くて思うように動けず、このままではヤバい…と焦っています。

妊娠中のちょっとした鬱なのでしょうか?
今の状態をどうにかして、やる気を出す方法を知りたいです。

(30代、女性、ハンドルネーム:晴れ間求ム、職種:事務・オフィスワーク)


最初に

晴れ間求ムさん ご相談ありがとうございます。

ご結婚式を終えられ、そしてご妊娠。本当におめでとうございます。

幸せいっぱいのはずなのに、五月病のような心が晴れない日が続いたり、体も心も重くて思うように動けず、焦りを感じたり、妊娠中の鬱なのかな、と考えておられるのですね。

今回はどうして今のような状態が起こっているのかを考えながら、どう過ごすのが良いのかをお伝えできればと思います。

人生における大きな節目が続いた中で、今のように立ち止まるような感覚や、気持ちが晴れない日があることは、とても自然な流れだと思います。

その状態は決して特別なことではなく、心と体が一生懸命バランスをとろうとしているサインなのです。

やる気がでないのは、体と環境の変化によるもの

結婚式の準備、日々のお仕事、そして妊活。

これらはどれもエネルギーをたくさん使う活動です。

そこで全力で走り抜けてこられたからこそ、今は少し「力が抜けた状態」になっているのだと思います。

これは晴れ間求ムさんもおっしゃっているように、いわゆる「燃え尽き」のような状態で、頑張ってきた人ほど起こりやすい反応です。

さらに、妊娠中はホルモンの影響で「気分の浮き沈み」、「やる気が出ない」、「涙もろくなる」といった変化も起こりやすくなります。

つまり、今の状態は、体と環境の変化が重なった結果だと考えられます。

「やらなきゃ」焦りはいったん置いておく

今一番つらいのは、おそらく「動けない自分」と「動かなきゃという焦り」の間で苦しくなっていることではないでしょうか?

でも実は、疲れているときに、無理に頑張ろうとすると、かえって回復が遅れてしまうこともあります。

そのため、今の晴れ間求ムさんにおすすめしたい過ごし方をお伝えします。

まずは、「休むこと」を意識的に予定に入れましょう

今はエネルギーを回復させる時期です。

何もしない日をあえて作って「今日は休むのが仕事」と決めて過ごしたり、横になる時間を増やしましょう。

休む=「何もしていない」ということではなく、
休む=「大切な自分を労わる時間」として、休むことに「許可」を出してあげてくださいね

赤ちゃん準備は小分けで進めてみる

次に、できることを小さくしましょう

「赤ちゃんの準備をしなきゃ」と思うと、色んなことが思い浮かび、とても大きなことのように感じますよね。

でも、

親子手帳から今後の身体の変化や赤ちゃんの成長などを確認する。

ベビー用品を1つ探してみる

妊婦健診の時に今必要なことを確認してみる

このように一度に全部を進めようとせず、5分程度でできることに分けていくと、「準備をしなきゃ」という焦りや心の負担もぐっと軽くなると思いますよ。

気持ちのデトックスとパートナーへの共有

そして気持ちを外に出すことも効果的です。

外に出す、といっても、表現する、という意味なので、苦手なのを我慢して誰かに話す必要はありません。

ノートに気持ちを書き出してみるのも良いでしょう

そして、今後さらに協力し合えるようにパートナーには、今の気持ちを話しておくと、サポートしてもらえることで絆がさらに深まり、今後に対する不安も和らぐのではないかと思います。

自分の頭の中で悶々と焦りや不安を抱えるよりも、気持ちは外に出すことで、何に対してどのように感じているのか、など整理されやすくなりますよ

もし一時的な変化でないときは…

心も体も重くて思うように動けない、というのは、多くは一時的な変化ですが、
もし…

2週間以上つらい状態が続いている

眠れない

食べれない

何も楽しめない

という場合は、産婦人科や心療内科で1度相談なさってみてください

妊娠中でも受けられるサポートはありますよ。

最後に

「幸せなのに元気じゃない自分」を責めるような気持ちが生じること、とてもわかります

しかし、大きな出来事を乗り越えたあとに立ち止まることは、とても自然で、必要な時間なのです。

今は無理に前に進む時期ではなく、これからの新しい生活に向けて「整える時期」なのだと思いますよ。

しんどいときは休みましょう

遠回りなようで、休むことが回復への一番の近道と言えます。

赤ちゃんを迎える準備は、元気が戻ってからでも大丈夫です。

あなたのペースで、一歩ずつで十分ですよ。


<参考文献・出典>

日本周産期メンタルヘルス学会
▶周産期メンタルヘルス コンセンサスガイド:http://pmhguideline.com/consensus_guide2023/consensus_guide2023.html

公益社団法人 日本産婦人科医会
▶妊娠中のメンタルケア:https://www.youtube.com/watch?v=0HSBEMua6rY

公益社団法人 日本産婦人科医会
▶妊産婦のメンタルヘルスケアマニュアル:https://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2017/11/jaogmental_L.pdf

<本記事の回答者>

谷村弥生

助産師/保健師/公認心理師

所属:株式会社ファミワン

産婦人科での様々な年齢層の方と関わっている勤務経験から、月経やホルモンバランスの乱れにより起こる症状や、病院受診を迷う症状、人に相談しにくいお悩みについて、あなたと一緒に考えていきます。もちろん心理的なお悩みも遠慮なくご相談ください。皆さんのフェムケアを応援したいと思っています。


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