生理前の情緒不安定、職場の同性上司からも理解されず辛い【お悩み相談室】
今回は、生理前になると気分の落ち込みや集中力低下があり、上司に理解されずつらさを抱える30代女性からのご相談です。
毎月異なる心身のゆらぎをどう受け止め、職場での人間関係と向き合えばよいのか悩んでいるようです。
心の波との付き合い方について公認心理師・臨床心理士がお答えします。
生理前になると気分が落ち込んだり、集中力が続かなくなったりすることがあります。
でも毎回ではなくて、何もなく過ごせる月もあるんです。
なので先日、「先月はちゃんとできてたじゃない」と女性の上司に言われてしまいました。同じ女性なのに理解してもらえないと思うと、余計につらかったです。
自分でもコントロールできない波があることをどう受け止めればいいのか、職場での関係にどう向き合えばいいのか悩んでいます。
(30代、女性、ハンドルネーム:moca、職種:理・美容)
最初に
mocaさん、お話を読ませていただきました。
生理前になると気分が落ち込んだり、集中できなくなったりすることがある
——けれど毎回ではない。
この「波がある」というのが、一番やっかいなところですよね。
毎月決まって調子が悪いならまだ説明もしやすいけれど、「今月は何ともない」「先月は平気だった」となると、自分でも「気の持ちようなのかな?」と混乱してしまう。
そんな中で、同じ女性の上司に「先月はちゃんとできてたじゃない」と言われたのは、とてもショックだったことでしょう。
「今月の私、ちゃんとできてないんだ…」
「毎月同じ波だったら、こんな苦労してない!」
と思ったかもしれません。
“同性だから理解してもらえるはず”という期待がある分、裏切られたような気持ちになりますよね。
mocaさんは、体と心の両方の波を抱えながら、それでも仕事を続けてこられた。
その努力を、誰かに「気合いで何とかなる」と片づけられるのは、本当につらいことです。
完璧を手放す練習
「コントロールできない波がある自分をどう受け止めるか」
——これは、完璧を手放す練習かもしれません。
PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)は、ホルモンの変動によって脳内の神経伝達物質(セロトニンなど)の働きが変わることで、気分や集中力に影響を与えるといわれています。
つまり、努力や根性でカバーできる範囲を超えている現象なのです。
だから、波があることは“怠け”ではなく“体の機能”。
台風が来るのと同じように、止めることはできなくても、備えることはできます。
たとえば、「調子が落ちやすい時期」をアプリや手帳にメモしておくと、仕事のペース配分や予定の組み方を少し工夫できるかもしれません。
大事な打ち合わせや重い作業を「波の谷」ではなく「波の手前」に置く。
小さなセルフマネジメントの積み重ねが、自分を守ることにつながります。
職場とは“摩擦を減らす工夫”をしてみる
そして、職場との関係ですが、「わかってもらえない」と感じたとき、すぐに“理解を求める”よりも“摩擦を減らす”工夫をしてみると楽になることがあります。
たとえば、「最近ちょっと体調に波があって、仕事のスピードにムラが出るかもしれません」と、軽く共有するだけでも印象は違います。
「生理のせい」と直接言わなくても、相手に“いつも通りではない理由”が伝わるだけで、誤解が減るかもしれません。
それぞれ波があることに理解を示せる人になる
また、同じ女性だからこそ、上司にも上司なりの“自分の波”があります。
ホルモンのタイプもライフステージも違えば、感じ方も全然違う。
「同じ女性なのにわかってくれない」ではなく、「この人の体のリズムは違うんだ」と思えると、少し距離をとって関係を見直せます。
誰かに“理解されない痛み”を抱えたときこそ、他の誰かに“理解を示せる人”になれる。
これは、つらい経験を通して得られる、人としての成熟と言えるのかもしれませんね。
最後に
波がある自分を責める必要はありません。
むしろ、波があるからこそ、調子がいい日のありがたみも、人のしんどさへの想像力も育つのだと思います。
生理前の自分に向かって、「また来たね。今回はどんな波かな?」とつぶやけたら、もうその時点で“波にのまれず乗っている”状態です。
焦らず、少しずつ、自分のペースを知っていってくださいね。
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