更年期の心の不調症状5選|原因と対策【心理士監修】

更年期
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この記事でわかること

「急にイライラして家族に当たってしまう」「どうしようと不安になる」「理由もなく涙が出る」—— 更年期の不調は体だけでなく、心にも大きく現れます。 この記事では、当サイトに寄せられた300件以上のお悩みをもとに、特に多かった以下の5つの症状について、原因とセルフケアをまとめました。 イライラ/ 不安感 / 涙が出る / やる気が出ない / うつ

この記事を読み終える頃には、あなたの苦しさが性格のせいではなく、体の変化によるものだと分かり、心がふっと軽くなるかもしれません。


代表的な5つの症状と専門家アドバイス事例

①イライラ(易怒性)

【症状の説明】

これまでなら気にならなかったような些細なことでイライラしたり、カッとなって怒ってしまったりと、感情のコントロールが難しくなる状態(易怒性)です。
理由もなくイライラが募り、家族や職場の人に強く当たってしまっては、後で自己嫌悪に陥る方も多くいらっしゃいます。

【主な原因】

  • 卵巣機能の低下(エストロゲンの減少)を主たる原因とした自律神経の乱れや心身への影響
  • 加齢に伴う身体的変化(疲れやすさなど)
  • 家事や仕事の多忙、人間関係などの精神・心理的要因や社会文化的な環境因子の複合的な影響

【対策】

  • 生活習慣の改善と運動: バランスの良い食事を心がけ、散歩などの適度な有酸素運動を継続的に行うことで、生活習慣を整えましょう。
  • 漢方薬の活用: 婦人科で相談し、イライラや神経過敏に有効な漢方薬(加味逍遙散、抑肝散、桂枝茯苓丸など)を処方してもらうのも一つの方法です。
  • 心理療法の活用: カウンセリングや認知行動療法などの心理療法を活用し、ストレスとうまく付き合うスキルを身につけることも有効です。

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②不安感や焦燥感

【症状の説明】

「不安感」とは、はっきりとした理由がないのに、漠然とした恐れや心配、心細さに襲われる状態です。
「将来が不安」「自分はこのままダメになるのでは」と悪い方へばかり考えてしまいます。
一方、「焦燥感」とは、焦る気持ちが強く、胸がザワザワして落ち着きがなく、じっとしていられない状態を指します。
これらは更年期の精神症状としてよく見られます。

【主な原因】

  • エストロゲン(女性ホルモン)の低下による影響
  • ホットフラッシュや発汗などの血管運動神経症状に伴う不快感や不眠による、精神的な不安定さの増幅
  • 家庭環境や職場環境の変化などによる心理的・社会的ストレス

【対策】

  • ホルモン補充療法(HRT)の検討: 不安感とともにホットフラッシュ(ほてり・のぼせ)や不眠が強い場合は、婦人科でホルモン補充療法(HRT)を受けることで大きく改善する可能性があります。
  • 漢方薬の服用: 不安感や神経症に有効な漢方薬(柴胡加竜骨牡蛎湯、柴胡桂枝乾姜湯、加味逍遙散など)の服用を相談してみましょう。
  • 良質な睡眠の確保: 不眠症状は更年期の精神状態を悪化させるため、生活リズムを整えて十分な睡眠をとることを優先しましょう。

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③涙が出る(情緒不安定)

【症状の説明】

ちょっとしたことで涙が出たり、理由もなく悲しくなって夜眠れなくなったりします。
自分でも感情が揺れ動き、コントロールできずに涙があふれてしまうことに驚く方も少なくありません。

【主な原因】

  • 卵巣機能の低下に伴うホルモンバランスの変化
  • 加齢に伴う身体的変化による易疲労感や不調
  • 仕事のプレッシャーや家庭環境の変化など、重なる心理社会的なストレス

【対策】

  • 自分の状態を理解し受容する: 「性格のせい」や「気の持ちよう」ではなく、ホルモン変化やストレス等の複合的な影響だと理解し、自分を責めないようにしましょう。
  • 周囲の理解を得る: 共感と受容が大切です。家族やパートナーに現在の心身の状況を伝え、一人で抱え込まずにサポートを得やすい環境を作りましょう。
  • 十分な休息: 無理をせず、自分のペースに合わせて心身を休める時間を作ることが何よりのセルフケアになります。

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④やる気が出ない(意欲低下)

【症状の説明】
これまで当たり前にできていた家事や趣味、仕事に対して、おっくうに感じたり、興味が湧きにくくなったりする状態です。
「だらけている」のではなく、更年期特有の易疲労感(疲れやすさ)などにより、今まで通りに体が動かなくなることが特徴です。

【主な原因】

  • 女性ホルモンの低下に伴う心身への影響
  • 加齢に伴う体力低下や身体的な変化による易疲労感
  • ライフステージの変化(子どもの自立、親の介護など)による精神的な消耗

【対策】

  • 他の疾患の検査を受ける: 更年期は甲状腺疾患(甲状腺機能低下症など)が好発する時期であり、意欲低下や疲労感などの症状が更年期障害と非常に似ているため、まずは医療機関で検査を受け、別の病気が隠れていないか確認しましょう。
  • 漢方薬の活用: 疲労や倦怠感が著しい虚弱体質の方には、補中益気湯などの漢方薬が有効な場合があります。
  • 適度な運動の習慣化: 体調が良い時には、ウォーキングなど適度な運動を取り入れることで、心身のリフレッシュに繋がります。

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⑤抑うつ気分(気分の落ち込み)

【症状の説明】

一日中気分が沈み、何に対しても喜びを感じにくくなる状態です。
更年期の抑うつ気分は、気分の落ち込みだけでなく、食欲不振や不眠などの身体症状を伴うことも多いのが特徴です。

【主な原因】

  • 卵巣機能の低下や、それに伴う更年期の心身の不調の長期化
  • 更年期に発症・顕在化しやすいうつ病や、甲状腺機能の異常など他の疾患との合併
  • 親の介護や自身の健康不安など、重なるライフイベントによる過負荷

【対策】

  • 精神科・心療内科の受診: 症状が重い場合や、希死念慮(死にたい気持ち)がある場合、日常生活に大きな支障がある場合は我慢せず、精神科などの専門医に紹介してもらうか、受診してください。
  • 抗うつ薬(SSRI・SNRIなど)の服用: 更年期のうつ状態に対しては、SSRIやSNRIといった抗うつ薬の服用が有効であることが医学的に示されています。
  • ホルモン補充療法(HRT)の併用検討: ほてりや発汗などを伴う更年期障害にうつ症状が合併している場合は、HRT(ホルモン補充療法)を用いることで気分の改善が期待できる場合があります。

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よくある質問(Q&A)

Q1. 更年期の不調はいつまで続くのでしょうか?

個人差がありますが、閉経前後の約10年間(45〜55歳頃)に症状が出やすく、多くの場合、閉経後数年で徐々に落ち着いてくることが多いです。ただし症状の種類や強さは人によって大きく異なります。

Q2. 心の不調は「気の持ちよう」なのでしょうか?

決して「気の持ちよう」や「性格が変わった」わけではありません。卵巣機能の低下(エストロゲンの減少)を主たる原因とし、そこに加齢による身体的変化や、様々な心理的・社会的ストレスが複合的に影響して起こるという医学的な理由があります。

Q3. 更年期症状と更年期障害、何が違うのですか?

「更年期症状」は更年期に現れる体の変化全般を指します。そのなかでも日常生活に支障が出るほど症状が重くなった状態を「更年期障害」と呼びます。

Q4. 精神科や心療内科に行くべきでしょうか?

生活に支障が出ている場合や強い不安がある場合は精神科などの専門医の受診をおすすめします。もし「精神科に行くのは抵抗がある」と感じる場合は、まず婦人科を受診することも一つの方法です。ホルモンバランスや他の疾患の有無を確認し、HRTや漢方治療などの選択肢が見えてくることもあります。

Q5. 家族やパートナーにうまく伝えられません。どうすればいいですか?

「ホルモンの変化によって、自分でもコントロールしにくい症状が出ている」と具体的に伝えてみましょう。更年期症状で悩んでいる人の多くは誰にも相談していない傾向がありますが、相談先としては配偶者やパートナーが上位に挙げられています。この記事を一緒に読んでもらうだけでも、理解してもらいやすくなります。

まとめ

更年期の心の不調は、「自分が弱くなったから」起こるわけではありません。
これまで頑張ってきた体と心が、ホルモンの変化に合わせて新しいバランスを取ろうとしている証拠です。
5つの主な症状(イライラ・不安・涙が出る・やる気が出ない・うつ)は、自分を責めず、今の自分に合ったペースに整え直すサインとして受け止めましょう。

一人で抱え込まないことが、何より大切です。

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この記事で紹介した症状に心当たりがあり、どうすればいいかわからず立ち止まっている方は、ぜひコチラのフォームからご相談ください。

<引用・出典>

日本産科婦人科学会/日本産婦人科医会 (2023)
▶『産婦人科診療ガイドラインー婦人科外来編2023』:https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00802/

厚生労働省 (2022)
▶『「更年期症状・障害に関する意識調査」 基本集計結果』:https://www.mhlw.go.jp/content/001659097.pdf

この記事の監修者

戸田さやか

公認心理師/臨床心理士/生殖心理カウンセラー/がん・生殖医療専門心理士/ブリーフセラピストシニア

所属:株式会社ファミワン

「妊活や性の悩み、子育てや働き方のことまで、「誰に相談していいかわからない」テーマも歓迎しています。どんな内容でも大丈夫。安心してご相談ください。臨床心理学の確かな知識と技術を活かし、原因探しや悪者探しではなく、あなたにとってのゴールを発見するお手伝いをさせてください。」

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