滝のような寝汗で目が覚めるのは更年期?夏だから?夫は寒がりで冷房25度まで…睡眠不足をどうにかしたいです【助産師監修:お悩み相談室】
今回は、激しい寝汗と夜間のホットフラッシュにより深刻な睡眠不足に陥り、心身ともに疲れを感じている50代女性からのご相談です。
パートナーは寒がりでエアコンの設定温度も下げられないようです。また、「病院に行くのは大げさか」と一人で葛藤していらっしゃいます。
更年期の症状であるホットフラッシュについて説明し、「夫婦の寝具を分ける」「サーキュレーターで自分側だけ冷風を送る」といった寝室環境の工夫や、漢方・ホルモン補充療法(HRT)の選択肢、さらに他の病気を見落とさないための受診の目安を助産師がお伝えします。
今年の夏は、夜の寝汗が異常なほどひどく、心身ともに疲れ果てています。
更年期の影響か、昼間も時々急に体が熱くなるホットフラッシュがあるのですが、夜中はその症状がさらに激しくなります。眠っている間に突然体が燃えるように熱くなり、大量の汗をかいて何度も目が覚めてしまいます。
私は汗が止まらないので冷房をかけっぱなしにしたいのですが、夫は寒がりで、わが家のエアコンの設定温度は25度が限界。私にとってはこれでも暑く、自分だけ氷枕を使ったり首元を冷やしたりと工夫していますが、一向に改善されません。
パジャマがびっしょり濡れるほど汗をかき、その都度着替えていると目が冴えてしまい、そこから朝まで眠れない悪循環が続いています。
日中も睡眠不足のせいで頭がぼーっとしてしまい、家事や仕事に集中できず、ついイライラして家族に当たってしまう自分も嫌になります。
「たかが汗くらいで病院に行くのは大げさ?」「夏が終われば落ち着くの?」とモヤモヤしながら耐えていましたが、もう体力の限界です。
この寝汗はやはりホットフラッシュの影響なのでしょうか?
夫と快適に眠るための工夫や、この辛い症状を和らげるアドバイスをいただけないでしょうか。
(50代、女性、ハンドルネーム:IFME、職種:事務・オフィスワーク)
最初に
毎晩の寝汗と睡眠不足で、本当におつらい状況ですね。
パジャマがびっしょり濡れるほどの寝汗で何度も目が覚めてしまうとのこと。
昼間にもホットフラッシュのような症状があり、夜になるとさらに強くなることで、十分な睡眠がとれない毎日が続くと心身ともに疲れ果ててしまいますよね。
「たかが汗くらいで受診するのは大げさなのでは」と思いながらも、毎日のように着替えや寝不足を繰り返し、日中の集中力低下やイライラまで感じているとのことから、日常生活への影響は決して小さくないと感じました。
さらに、ご自身は暑く感じる一方で、パートナーは寒がりとのことで、寝室の温度調整にも気を遣われている様子も伺えます。
工夫を重ねてもなかなか解決につながらないことが、先が見えない不安にも繋がっているのではないでしょうか。
快適に眠れる方法を探す視点を持つ
「我慢する」よりも、快適に眠れる方法を探していけるとよいかもしれません。
更年期に伴うホットフラッシュや寝汗が関係している可能性も十分考えられると思います。
更年期症状は個人差が大きく、「少し暑い程度」の方もいれば、睡眠が妨げられるほど強い症状が出る方もいます。
特に睡眠不足が続くと、疲労感や気分の落ち込み、イライラ、集中力低下などが重なり、日常生活にも大きな影響が出てしまうことがあります。
「夏だから仕方ない」「そのうち治まるはず」と耐え続けるよりも、
まずは「少しでも眠れる環境を作ること」や、「症状を軽くする方法があることを知ること」が大切かもしれません。
また、寝室環境についても「夫婦で同じ温度に合わせなければならない」と考える必要もないかもしれませんし、お互いがそれぞれに快適に睡眠を取れるような方法を探していけるといいんじゃないかなと思いました。
更年期に起こるホットフラッシュとは
ホットフラッシュは、更年期に女性ホルモン(エストロゲン)が減少することで、自律神経による体温調節機能が不安定になるために起こる代表的な症状です(※)。
顔や上半身が急に熱くなったり、大量の発汗を伴ったりすることがあり、特に夜間は「寝汗」として現れて睡眠を妨げることがあります。
更年期症状のひとつで、閉経前後の数年間続くこともありますが、症状の程度や持続期間には個人差があります。
そのため、「夏が終われば必ず治まる」とは言い切れない一方で、適切な対策や治療によって症状が和らぐことも期待できます。
快適に眠るための日常生活の工夫
まず日常生活では、
– 吸湿性・速乾性のあるパジャマや寝具を選ぶ
– 就寝前のアルコールや辛い食べ物、カフェインを控える
– 首元や脇を冷やす
といった工夫が役立つ場合があります(※)。
また、パートナーとの温度差が大きい場合には、
– 寝具を別々にしたり、
– 掛け布団の厚さを変えたり、
– サーキュレーターで自分側だけ空気を循環させたりする
ことで、お互いの快適さを保ちやすくなることもあります。
婦人科や更年期外来への相談もおすすめ
ただ、今のように何度も目が覚めてしまうほど症状が強く、日中の生活にも支障が出ている場合は、やはり婦人科や更年期外来で相談することをおすすめします。
更年期症状に対しては、生活習慣の見直しだけでなく、ホルモン補充療法(HRT)や漢方薬、症状に応じた治療法が選択できることもあるからです。
また、寝汗は更年期以外にも、甲状腺疾患や感染症など別の病気が原因となる場合もあるため、症状が急激に悪化した場合や、発熱、体重減少などを伴う場合には、早めに医療機関へ相談することが大切です。
最後に
「汗くらいで受診していいのかな」と遠慮される方は少なくありませんが、睡眠は心と体の健康を支える大切な土台です。
どうか一人で我慢し続けず、少しでも楽に眠れる方法を見つけていけるとよいですね。
<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています
公益社団法人 日本産科婦人科学会
▶更年期障害について:https://www.jsog.or.jp/citizen/5717/
公益社団法人 日本産婦人科医会
▶更年期障害の起こるメカニズムとは?:https://www.jaog.or.jp/lecture/2-更年期障害の起こるメカニズム/
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