秋になり突然、涙が出るように…季節性うつと更年期の違いは?セルフケアや受診先を教えてほしい【公認心理師監修:お悩み相談室】
今回は、仕事の繁忙期を終えてホッとした矢先の10月、突然の強い孤独感や涙がポロポロ止まらない状態に戸惑いを感じている40代女性からのご相談です。
「季節性うつ(秋うつ)か更年期か」と悩み、セルフケアや受診先を知りたいと願っていらっしゃいます。
「季節性うつ」と「更年期によるメンタル不調」の類似点や違いを解説。
朝の光を10分浴びるセルフケア、涙をネガティブに捉えないマインド、婦人科(身体症状)か心療内科(精神症状)のどちらが先か悩む時の考え方や、受診時に役立つ情報について、公認心理師がお答えします。
10月に入って日が短くなるのを感じるようになってから、急に悲しい気持ちになったり、涙がポロポロと出て止まらなくなったりします。
デザイン関連の仕事をしているのですが、季節の変わり目は仕事が忙しく、ようやくホッとできた矢先のことです。
来年には50歳かぁとしんみりしていたのもあるのですが、それが理由というほど、悲しい気持ちになっていたわけではないと思います。
もともと涙もろい方ではなかったため、突然訪れたこの強い孤独感と気分の落ち込みに、自分でもどうしてしまったのだろうと受け止めきれずにいます。
ネットで調べて「季節性うつ(秋うつ)」と「更年期の症状」の可能性があるのかなと考えています。
「季節による気分の落ち込み」と「更年期によるメンタルの不調」には、何か明確な見分け方や特徴的な違いはあるのでしょうか?
また、この時期を乗り切るためのセルフケアや、もし一度受診してみるなら婦人科と心療内科のどちらを選ぶべきか、アドバイスをいただけるとありがたいです。よろしくお願いいたします。
(40代、女性、ハンドルネーム:Timer、職種:専門職)
最初に
10月に入り、日が短くなるのを感じた頃から、急に悲しくなったり、涙がポロポロ出て止まらなくなったりする。
もともと涙もろい方ではなかったからこそ、「自分に何が起きているのだろう」と怖くなっているのですね。
デザインのお仕事で、季節の変わり目は忙しかったとのこと。
ようやくホッとできた矢先に落ち込みが来ると、「なぜ今?」と思いますよね。
でも、人の心身は、忙しい最中よりも、少し気が抜けた後に不調が表に出ることがあります。
「来年には50歳かぁ」という思いも、原因そのものではなくても、背景にはあったのかもしれません。
年齢の節目、秋の夕方、仕事の疲れ。
どれか一つが犯人というより、いくつかの小さな要素が重なって、涙のスイッチに触れてしまったのだと思います。
「季節性うつ」と「更年期によるメンタル不調」
「季節性うつ」と「更年期によるメンタル不調」は、とても似ています。
どちらも気分の落ち込み、意欲低下、眠気や不眠、集中しにくさ、孤独感などが出ることがあります。
類似点と違いをまとめるとこんな感じです。
【季節性うつ病】
・発症のタイミング:毎年特定の季節(主に秋・冬)に始まり、春に回復する。
・症状の特徴:過食(特に炭水化物への欲求)や過眠(寝ても眠い)が目立つ。
【更年期による心の不調】
・発症のタイミング:閉経を挟んだ40代半ばから50代の約10年間に起こる。
・身体症状:ほてり、発汗、めまい、肩こりなどの身体の不調や月経の乱れを伴う。
・気分の症状:日によって調子の良悪が激しく変わり、イライラや不安感が強い。
「どちらか一つ」と決めなくてもよいと思います。
40代後半は、更年期の揺らぎが出やすい時期ですし、秋冬の日照時間の変化も気分に影響します。
つまり、季節とホルモンが同じ方向から気分に影響を与えてきている可能性があります。
診断や判断は医療機関に任せて、セルフケアを大切にしてください。
セルフケアと受診先について
セルフケアとしてまず試したいのは、朝の光を浴びることです。
起きたらカーテンを開け、可能なら午前中に10分でも外に出る。
光は体内時計を整える助けになります。
デザインのお仕事で室内作業が多い場合は、昼休みに外の明るさを目に入れるだけでも良いでしょう。
次に、涙が出ることを「異常」と決めつけすぎないでください。
涙は、心身がたまった緊張を外に出している反応でもあります。
ただし、落ち込みが2週間以上続く、眠れない、食べられない、仕事に支障が大きい、消えたい気持ちが出る場合は、早めに受診してください。
受診先に迷う場合、
ほてり、発汗、月経の変化など更年期らしい身体症状があるなら婦人科や更年期外来。
落ち込み、不安、不眠、涙が止まらないことが主で生活に支障があるなら心療内科や精神科が相談先になります。
どちらが正解というより、入り口が違うだけです。
迷う時は、まず話しやすい方からで構いません。
受診前には、気分の落ち込みが出た日、睡眠、月経周期、ほてりや発汗、仕事の忙しさ、日光を浴びた時間を簡単にメモしておくと役立ちます。
最後に
自分に何が起きているのかはっきりわからないのは不安だと思いますが、
「今の私はこういう状態なんだな」と、ありのままの状態を受け入れられると良いですね。
<参考文献・出典>※以下の文献を参考にしています
厚生労働省
▶こころの耳「季節性うつ病」:https://kokoro.mhlw.go.jp/glossaries/word-1535/?utm_source
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